- ASUSは2024年3月14日に、価格999ユーロからの『Zenfone 11 Ultra』をグローバル市場に投入。大画面のAndroidスマートフォンであり、Zenfone 8 Flip以来の大型化。
- Zenfone 11 Ultraは6.78インチのディスプレイを採用し、LTPO技術により1Hzから144Hzのリフレッシュレートを提供。カメラは3眼構成で、最大5,000万画素のメインカメラを備える。
- その他にも、Snapdragon 8 Gen 3を搭載し、AI機能の強化や充電速度の向上、防水防塵性能の向上など、実用性のあるアップデートが行われている。
ASUS(エイスース)は2024年3月14日、グローバル市場に向けてハイエンドスマートフォン『Zenfone 11 Ultra』をリリースしました。価格は999ユーロ~(12GB/256GBモデル。1ユーロ161.32円換算で約161,159円)。
同社は『Zenfone 9』『Zenfone 10』と2シーズン続けてコンパクトモデルのリリースに注力しており、大画面の採用はZenfone 8 Flip以来。
もっとも、Zenfone 8 Flipはその名の通り『フリップカメラ』を採用していたので、Zenfone 11 Ultraとは見た目のイメージがかなり異なります。
ちなみに、今回登場したのは『Zenfone 11 Ultra』のみ。『Zenfone 9(2022年7月28日)』『Zenfone 10(2023年6月29日)』と比較してリリース時期が少し早いので、今後ASUSがどういった展開を見せるのかも注目したいところ。
Zenfone 11 Ultraのディスプレイサイズは『6.78インチ(Samsungのフレキシブル有機EL)』。大画面化が進むAndroidスマートフォンの中でも大きい部類に入ります。
LTPO技術を採用することで、リフレッシュレートを最低『1Hz』に制御(最高144Hz)。ディスプレイのピーク輝度は『2,500nit』。DCI-P3(107.37%)、sRGB(145.65%)の広い色域をサポートし、ガラスにはコーニング社の『Gorilla®GlassVictus™2』を採用しています。
カメラは5,000万画素のメイン(広角)カメラ、3,200万画素の望遠(光学3倍)カメラ、1,300万画素の超広角カメラといった3眼構成。メインカメラのイメージセンサーは、Nothing Phone(2)などと同じ1/1.56インチの『Sony IMX890』。
Zenfone 9から採用が続いている『6軸ハイブリッドジンバルスタビライザー』は、バージョンを3.0にアップグレード。動画撮影時は『Super HyperSteady EIS アルゴリズム』がブレを制御し、『OZO Audio』テクノロジーがノイズを除去して音を立体的に。
SocはQualcommの『Snapdragon 8 Gen 3』。Snapdragon 8 Gen 2比較でCPUを『30%』高速化、電力効率を『20%』向上させています。GPUに関してもパフォーマンス、電力効率ともに『25%』引き上げ。
AIや機械学習に使用されるHexagon™ NPUは『98%』高速化(電力効率も40%向上)。最大 100 億のパラメータを持つ生成 AI モデルをデバイス上でサポートします(Qualcommより)。
他社と同様にAIを駆使した機能も強化。『ポートレートビデオモード』では、メインの被写体(人やペットの顔など)を自動識別してリアルタイムに焦点を調整(公式ムービーでは背景が自然にぼけ、表情に合わせてピントを交互に切り替え)。
RAW画像を直接処理する『HyperClarity AI アルゴリズム』は、『10倍~30倍』の高倍率をサポート。オブジェクトを認識して専用のアルゴリズムで最適化する『AI Object Sense』といった調整機能も。
もちろんAI機能はカメラのみにとらわれません。『AIノイズキャンセリング』は周囲の騒音を特定して抑制。通話やゲームプレイ時の環境を改善。
AI通話トランスレータ(ベータ版、ソフトウェアアップデートで利用可能)は、話した言語をテキストや音声にして自動翻訳。異なる言語同士の通話をスムーズに。
AI トランスクリプト(ベータ版、ソフトウェアアップデートで利用可能)は録音データをリアルタイムでテキストに変換。この辺りはGoogleのPixelやSamsungのGalaxy Sシリーズが先行搭載している機能ですね。
好みのスタイルやトーンを選択して壁紙をAI生成することも(ベータ版、ソフトウェアアップデートで利用可能)。Nothing Phone(2)にも先日同様の機能がアップデートで追加され、試してみましたがなかなか楽しい。
Zenfone 9とZenfone 10は『5.9インチ』。片手で持ちやすいサイズであることは間違いないですが、物理的に小さい端末は『放熱性』の部分で大型端末と比較して不利になります。
例えば画像生成を『オンデバイスAI(クラウドを使用しない)』で行うには『NPU』や『GPU』の稼働率を上げることになります。そういった時に放熱性はとても重要。
今後AI機能が更に拡充される未来を鑑みれば、『大型デバイス』の投入はメーカーにとってある意味必然。ASUSはゲーミング用に大画面モデル『ROGシリーズ』を展開しているので、開発コストは抑えられそう。今後ASUSがどういった生成AIサービスを展開するか注目ですね。
他にも『電池の増量(5,500mAh)』『65Wの超急速充電(有線)、15Wのワイヤレス充電(Qi認定)対応』『IP68の防塵防水規格準拠』など、実用部分でのアップデートが行われています。
ASUS Zenfone 11 Ultraの主な仕様
Zenfone 11 Ultra | |
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Soc | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3 |
容量 | メモリ:12GB、16GB(LPDDR5X)
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電池 | 5,500mAh(有線:最大65W、無線:最大15W) |
重量 | 約225g |
サイズ | 高さ約163.8mm×幅約76.8mm×奥行き約8.9mm |
画面 |
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カメラ |
リアカメラ
フロントカメラ
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防水防塵 | IP68 |
Bluetooth | 5.4 |
Wi-Fi | 802.11 be/ax/ac/a/b/g/n |
オーディオ | デュアルスピーカー(Dirac Virtuo) |
SIM | nano SIM×2スロット |