プライムデーに見るAmazonの限界。プライム会員特典の『お急ぎ便』が実質機能不全に。ポイントの『使い道』も楽天が柔軟

Amazonは今後プライム配送を改善することができるのか。プライムデーで見えた楽天市場の優位性

年に一度だけ開催される、Amazon最大のセールイベント『プライムデー』。2023年は7月11日、12日に実施されました。9日、10日には『先行セール』が行われたので、実質期間は4日。

プライムデーはその名の通り、Amazonプライム会員に向けたセールイベントです。プライム会員の特典には『プライム配送』が含まれ、『お急ぎ便』『当日お急ぎ便』『お届け日指定便』の中から配送方法を選択可能。

私の居住地では、午前の早めに頼めば『当日』。それ以降は『翌日』に届くのが通常でした。プライムデーでは注文殺到の影響か、到着予定日がみるみる遅延。私が7月12日に注文した商品は、到着予定日が『7月27日』。

到着予定日

Amazonより

プライムデーが終了した7月14日(金)時点においても、殆どの商品が早くて5~6日後の到着。『お急ぎ便』『当日お急ぎ便』の機能が停止したまま。

しかし一部は『翌日到着』。速達料金が別途発生するわけでもなく『無料』です。では一体何が違うのか。

7月14日(金)時点で到着予定日が『7月21日(金)』になっている『スマホ冷却ファン』は、出荷元が『Amazon』。つまりこれはAmazonの倉庫から出荷される商品です。

到着予定日

Amazonより

翌日配送』となっているNothing Phone (1)はどうかと言えば、出荷元が『NTTドコモ ひかりTVショッピング』。

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Amazonは『FBA(フルフィルメント by Amazon)』という業務代行サービスを提供しており、契約すると『保管』『ピッキング』『受注』『梱包』『発送』『カスタマーサービス』『返品対応』を全てAmazonが対応。つまりFBAでは配送の管理が販売元を離れます。

ロジスティックス

Nothing Phone (1)』は、販売元である『NTTドコモひかりTVショッピング』が自ら出荷。仮にプライムデーが原因で『ヤマト運輸』や『佐川急便』といった物流網がパンクしているのであれば、こちらも出荷に遅れが出るはず。そうでは無い(翌日到着予定)ので、『原因はAmazon側にある』ということですね。

ちなみに競合となる楽天市場は『楽天スーパーロジスティクス(RSL)』を提供しており、2022年時点で加盟店は5,000店舗を突破。

楽天スーパーロジスティクス

楽天ロジスティックスサービスより

2022年4月からは日本郵便との連携を強化し、RFC(楽天フルフィルメントセンター)→引受局→配達区分局→配達局だった流れをRFC→配達局に大幅短縮。

私は6月に行われた『楽天スーパーSALE』でかなりの数買い物をしました。その時『配送手続き』及び『届くまでの時間』が確かに『速い』と感じたのです。

数年前まで配送に関しては『Amazonが圧倒的に有利』という印象を強く持っていました。しかし直近の『プライムデー』『楽天スーパーSALE』を通して、その認識に疑問が生じたのは事実。あくまで『一時的なこと』だとは思いますが、今後も両社の配送にしばらく目を光らせようかと。

Amazonの『弱点』が見えたのは『配送代行』の部分だけではありません。プライムデー(先行セール)期間中は『ポイントアップキャンペーン』が行われ、還元率が最大『15%』までアップ。

ポイント還元と言えば、Amazonよりも『楽天市場』の方が強いイメージ。定期的に行われている『楽天お買い物マラソン』では還元率が最大『44倍』まで上がるだけでなく、『楽天ペイ』を介せば楽天市場以外の店舗でも楽天ポイントを使えます。

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Amazonも『Amazon Pay』を提供していますが、楽天ペイの様に専用アプリは用意されておらず、Amazonポイントを使えるのも『amazon.co.jp』に限定。

2023年4月から楽天ペイが『請求書払い(同サービスに対応する光熱費や税金の支払いが可能)』に対応したことで、楽天ポイント(期間限定含む)の優位性は圧倒的なものになりました。

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私が『Amazonプライム』を契約し続ける理由は、『プライム配送』よりも『プライムビデオ』『Amazonフォト』の利用頻度が高く、それらを気に入っているから。

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とはいえ、『商品を早く届けて欲しい』というのは誰もが同じ。『プライム配送』をもう少し頑張らないと、プライムサービスのユーザーに加えてFBAを利用している取引先を減らすことに。今後の動向に注目です。

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