楽天モバイルの『プラチナバンド』は慎重に拡大すべき理由。あくまでメインは5G

プラチナバンド

楽天モバイルは2024年6月27日から、1年半以上前倒しで『プラチナバンド(700MHz帯)』の商用サービスを開始。今後は都市部から順次エリアを拡大し、地下・屋内における自社ネットワークのつながりやすさ改善を目指すとしています。

同社が総務省に提出した特定基地局開設計画では、2033年3月時点で『10,661箇所』に700MHz帯特定基地局(屋外)を開設予定。この計画に関しても、既存免許人との運用調整を適切に行い、前倒ししていくとのこと。

前倒しを実現するのは、700MHz帯・1.7GHz帯の両方に対応するアンテナ。そこに『700MHz帯『1.7GHz帯』の無線機を併設することで、『省スペース』『低消費電力』かつスピーディーな基地局の展開が可能に。

プラチナバンド対応基地局

楽天モバイルより

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楽天グループ株式会社は『2024年度第2四半期決算説明会(連結)プレゼンテーション資料』内で、プラチナバンドに関する『渋谷センター街におけるシミュレーション』を公開。

プラチナバンドシミュレーション

楽天グループより

実際にプラチナバンドの基地局が設置されている場所のデータなのかを問い合わせてみましたが、具体的な設置場所については現時点で『非公開』とのことでした。

シミュレーションでは『1.7GHz』『700MHz』の比較が行われており、700MHzでは電波の強さが『強い』を示す赤系の色が広範囲に広がっていることを確認出来ます。

高周波は『速度』に優れますが、直進性が強いので建物など遮蔽(障害)物の影響を受けて減衰(減速)しやすいのが弱点。

700MHz(プラチナバンド)の低周波は高速通信に不向きですが、波長が長く『透過』『回り込み』をしやすいので、屋内やより離れた場所まで電波が届くように。

1.7GHzのシミュレーションデータでは、『H&M』『きらぼし銀行』辺りの電波が著しく微弱化(一部は圏外か)。それが700MHzではわかりやすく改善しています。

電波の届きやすさが強みとなるプラチナバンドですが、それ故のデメリットも。楽天モバイルは高速通信が可能な『5Gエリア』の拡大を進めています。5Gは『高周波』『高速通信』が特徴なので、言ってしまえばプラチナバンドと真逆。

5Gが普及しはじめた頃は、5Gエリア内にいるのに『4Gでしかつながらない』という現象が頻繁に起きていました。それは単純に、『4Gの方がつながりやすい』状況だったからです。

本来高速通信が可能な場所でプラチナバンドを掴んでしまうと、通信速度が落ちて結果的には体感速度が低下。せっかくプラチナバンド対応の基地局を増やしても、それでは本末転倒。

楽天モバイルに割り当てられているプラチナバンド(700MHz)は、帯域幅が『3MHz』と他社に比べて狭いです。多くのユーザーが同時に通信するには適していないので、より注意が必要です。

また、700MHz帯は地上デジタル放送で使用する電波帯に近接。設備によって『映像が乱れる』といった影響が発生した場合は、楽天モバイル側で対策を行わなければなりません(NTTドコモ、KDDIは専用窓口を設置)。

スピーディーにプラチナバンド対応基地局を設置する環境が整っていたとしても、闇雲に増やしてしまうとそれが『弊害』となる可能性がゼロではないということです。まずは人口の多い地域でしっかりと検証を行い、徐々にエリアを拡大するのが安牌と言えるでしょう。

楽天モバイルは2024年1月から、『MNO(B2C))のMNPによる純増数(MNO4社間の集計)』が大幅に増加。

MNO推移

楽天グループより

総務省から楽天モバイルに『プラチナバンド(700MHz)』が正式割り当てされたのが2023年10月23日なので、この事が同社にとって好影響を及ぼしたのは間違いないかと。

基地局の展開が遅い!』と感じているユーザーも中にはいるかもしれませんが、プラチナバンドに関しては『増やせば良い』というものでは無い。その点を認識すると、少し考え方が変わるかもしれません。

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楽天モバイルはプラチナバンド正式割当発表の翌々月、2023年12月5日からキャンペーン内容をアップグレード。他社から乗り換えで『14,000円相当』の楽天ポイントが付与される『楽天モバイル従業員紹介キャンペーン』を開始しました。

楽天モバイル従業員紹介キャンペーンは『2024年5月31日(金)午後11時59分まで』を予定していましたが、2024年8月20日(火)時点で延長中。ただし『終了日未定』なので、予告無しに突然終了となる可能性が高いです。

プラチナバンド』『楽天モバイル従業員紹介キャンペーン』がカンフル剤となり、黒字目標の『単体加入者(BCP、MVNO除く)800万回線』が目前に迫っている楽天モバイル。いよいよ地固めの段階に入りました。

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  • 5G:対応
  • 低速切り替え:非対応
  • 通信回線:楽天、au(パートナー回線)
  • eSIM設定方法(Android):https://network.mobile.rakuten.co.jp/faq/detail/00001374/
  • eSIM設定方法(iOS):https://network.mobile.rakuten.co.jp/guide/setting/ios/
  • APN設定方法(楽天モバイルで購入した端末):https://network.mobile.rakuten.co.jp/guide/setting/
  • APN設定方法(楽天モバイル以外で購入した端末):https://network.mobile.rakuten.co.jp/faq/detail/00001495/?l-id=guide_faq

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