調査会社『Switch on Business』が2023年11月24日に投稿した記事内容によると、Metaの従業員は『26.51%』が他の大手テクノロジー企業勤務経験者。
Googleは『24.15%』とMetaの比率を下回りますが、人数は『38,316人』と最多。もっとも、全ての大手テクノロジー企業がMetaやGoogleと近い状況にあるわけではなく、IBM『2.28%』、Amazon『3.20%』と5%を下回るところも。
IBMによると、P-TECHスクールプログラム(無料でテストや成績要件も必要なく高校卒業資格と2年間の準学士号の両方を取得出来る)の実習生約9割が、IBMの正社員として勤務。
同社は『需要の高いスキルを持つ潜在的な労働者を見つけるためには、そのスキルの開発を支援する必要がある』としており、『2030年までに3,000万人に技術スキルを訓練する』ことを目標として掲げています。
Amazonは物流の人材が圧倒的に多く、業務において大手テクノロジー企業で培った技術が必要とされていない模様。採用率の低さはそれが要因のようです。
大手テクノロジー企業からAmazonへの流入元としてもっとも大きいのが、ご近所の『Microsoft(6,089人)』。流出先も2番めで『5,837人』。AmazonとMicrosoftの本社間は『約19マイル(30.5km)』。引っ越しをせずに通勤先だけ変えられるというのは間違いなくメリットですね。
Googleへの最大の流入元は『Microsoft(12,018人)』。2番目に『Amazon(8,023人)』が続いています。今後はAI部門で競合する、Chat GPTの開発元となるOpenAIからの流入が増える見込み。
直近でOpenAIでは大きな内輪揉め(最終的には元サヤ)がありましたが、その様子をGoogleはどう見ていたのでしょうか。
Googleは2023年1月20日、全従業員の内『約12,000人』の削減を発表しました。Google Japanもその対象となりましたが、労働組合『Alphabet(アルファベット)ユニオン支部』が大規模なリストラに反発。東京労働局はGoogle合同会社が行った退職勧奨について『法律違反』と認定しています。
Googleからの最大の流出先はMetaで『3,363人』。12,000人がどれほど大規模な削減であるかを窺い知ることが出来ます。そして削減された人たちは、希望する転職先を見つけることが出来たのか。
上のグラフからすると、大手テクノロジー企業への転職は中々難しそう。嫌気がさして『同業種ではもう働きたくない』と考える人も多いでしょう。『不要になったら切り捨てる』という非人道的なやり方を続けていたら、優秀な人材は確実にGoogleと距離を置くようになりますね。