アメリカの大手テクノロジー企業Appleは、現地時間9月7日に『iPhone 14』シリーズのリリースを行いました。画面サイズが小さい『mini』の取り扱いが廃止となり、iPhone 13シリーズは一部が値下げ。
今回はベーシックモデルとなる『iPhone 13』と『iPhone 14』にスポットをあてて、どういった違いがあるのかを比較。はたして購入する価値はあるのでしょうか。
iPhone 13とiPhone 14の違いについて
iPhone 13が安く見えるも値上げ前と比較するとまだ高額
iPhone 13販売価格(税込) | iPhone 14販売価格(税込) |
iPhone 13(128GB):107,800円 | iPhone 14(128GB)119,800円 |
iPhone 13(256GB):122,800円 | iPhone 14(256GB):134,800円 |
iPhone 13(512GB):152,800円 | iPhone 14(512GB):164,800円 |
一見お得に見えるiPhone 13ですが、Appleは円安を理由に直近で大規模な値上げを行っています。値上げ前にはiPhone 13(128GB)が98,800円(税込)、上位となるiPhone 13 Pro(128GB)が122,800円(税込)で販売されていたので、その部分を加味するとお得感はやや薄れます。
SocはA15 Bionicを踏襲。GPUのコア数が増える
iPhone 13が搭載するSoc | iPhone 14が搭載するSoc |
A15 Bionic(6コアCPU、4コアGPU、16コアNeural Engine) | A15 Bionic(6コアCPU、5コアGPU、16コアNeural Engine) |
iPhone 11シリーズには『A13 Bionic』、iPhone 12シリーズには『A14 Bionic』、iPhone 13シリーズには『A15 Bionic』、この流れでiPhone 14シリーズには『A16 Bionic』が搭載される予定でした。
しかしiPhone 14シリーズでは異変が起こり、iPhone 14に採用されているのはまさかの『A15 Bionic』。最新モデルA16 Bionicを搭載するのは『iPhone 14 Pro』『iPhone 14 Pro Max』のみ。
iPhone 13が搭載しているA15 BionicからはGPUのコア数が1つ増えていますが、大幅な性能アップとは言い難くこれはまさに苦肉の策。CPUが変わらないので劇的な体感速度の変化は望めません。コスト高に苦しむAppleの姿が顕著に。
カメラはレンズのF値が1.5に。新画像処理技術採用
iPhone 13が搭載するカメラ | iPhone 14が搭載するカメラ |
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カメラはメインのレンズのF値『1.6』から『1.5』に変更。光の取得量が若干増えています。確かに低照度では若干暗めの描写が多かったので、明るいレンズの使用はプラスの要素と言えるでしょう。
公式ページに『新しいメインカメラは、より大きなセンサーとより明るい絞り値で、光を49%多く取り込めるように進化しました』と明記されており、イメージセンサーのサイズが拡大したのかと思い問い合わせてみました。
回答としては、『F値1.5のレンズと新技術Photonic Engineの組み合わせにより光の取得量が増えている』との事でした。Photonic EngineはNPUやソフトウェアを活用したDeep Fusionの拡張的技術。恐らくレンズが明るくなったので、合成時の光取得総量がその程度増えているのかなと。より大きなセンサーという書き方は誤解を招きそうですが。
センサー系統を強化し検知性能を向上
3軸ジャイロが『ハイダイナミックレンジジャイロ』、加速度センサーが『高重力加速度センサー』に変更され衝撃の検知性能が向上。ユーザーが事故にあったと想定される時にそれを検出し、自動的に緊急通報サービスに発信します。
また、iPhone 14シリーズは衛生通信対応のアンテナを備え、有料サービスに加入すると圏外においても衛生経由でSOSを発信。同サービスはアメリカとカナダで提供が開始され、日本を含めた他の国に関しては2022年9月時点で開始時期未定。
Bluetoothのバージョンが5.3にアップデート
iPhoneユーザーにとってはこのアップデートが実は一番大きいかもしれません。なぜならiPhone 13が採用しているBluetoothのバージョンは『5.0』。
Bluetooth 5.3はBluetoothオーディオの次世代規格となる『LE Audio』に対応。iPhone 14シリーズと共にリリースされた『Air Pods Pro(第2世代)』が今後アップデートにより同規格に対応する可能性があり、そうなった時にiPhone 13ではLE Audioが使えません(Bluetooth 5.2以降が対応)。
LE Audioは『LC3』というSBCに代わる新標準コーデックをサポート。SBCとの大きな違いは、低いビットレート時の音質にあります。Bluetooth SIGが公開しているデータによると、SBCはビットレートの低下と共に音質が著しく低下するのに対し、LC3は『160kbps』においてもSBCの『345kbps』を上回る高評価。
これが何を意味するのかと言えば、最大『2Mbps(Bluetooth 5)』というWi-Fiと比較して圧倒的に狭い帯域幅においても、少ないデータ伝送で安定した高音質が維持されるということ。音声通話品質の向上も期待出来ます。
LC3と『似ているな』と感じるのが『HEIF』。HEIFは一般的なJPEG比で『2倍』程度の圧縮率を持ちながら高画質を維持。最近では一部のAndroidも対応していますが、いち早く導入したのはiPhoneです。
LDACに加えて『Snapdragon Sound』が登場し、『Bluetoothで高いビットレート(高音質)の音源を聴く』という点においては、デジタルオーディオ機器として一歩リードした感のあるAndroid。iPhone 14シリーズがLE Audioに対応すれば、『低ビットレートでも高音質で聴ける』という逆から攻めるカタチになりそう。
2022年4月1日にハーマンインターナショナルが発売を開始した『LIVE FREE 2』、SONYが2022年6月3日発売を開始した『LinkBuds S』はアップデートによりLE Audioに対応予定。Androidも『13』からLE Audioのサポートがはじまるので、今後はオーディオ分野で新たな動きが見られそうです。
Appleは2022年9月13日(火)に『iOS 16』を配信。そこで新たに何かしらの情報が掴めるかもしれません。楽しみですね!
iPhone 14の主な仕様
iPhone 14 | |
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Soc | A15 Bionic(6コアCPU、5コアGPU、16コアNeural Engine) |
容量 | 128GB、256GB、512GB |
充電 | 最大15WのMagSafeワイヤレス充電、最大7.5WのQiワイヤレス充電、USB経由でコンピュータまたは電源アダプタを使って充電高速充電に対応:30分で最大50%充電12(別売りの20W以上のアダプタを使用) |
重量 | 約172g |
画面 | 6.1インチ |
素材 | ディスプレイ:ガラス フレーム:アルミニウム |
カメラ | メインカメラ
超広角カメラ
|
センサー | Face ID、ハイダイナミックジャイロ、高重力加速度センサー、近接センサー、気圧計、デュアル環境光センサー |
位置情報 | 内蔵GPS、GLONASS、Galileo、QZSS、 |
スピーカー | ステレオ |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | 5.3 |
SIM | デュアルSIM(nano‑SIMとeSIM)、デュアルeSIMに対応 |
対応バンド |
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iPhone 13の主な仕様
iPhone 13 | |
---|---|
Soc | A15 Bionic(6コアCPU、4コアGPU、16コアNeural Engine) |
容量 | 128GB、256GB、512GB |
充電 | 最大15WのMagSafeワイヤレス充電、最大7.5WのQiワイヤレス充電、USB経由でコンピュータまたは電源アダプタを使って充電高速充電に対応:30分で最大50%充電12(別売りの20W以上のアダプタを使用) |
重量 | 約170g |
画面 | 6.1インチ |
素材 | ディスプレイ:ガラス フレーム:アルミニウム |
カメラ | メインカメラ
超広角カメラ
|
センサー | Face ID、3軸ジャイロ、加速度センサー、近接センサー、気圧計、環境光センサー |
位置情報 | 内蔵GPS、GLONASS、Galileo、QZSS、 |
スピーカー | ステレオ |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | 5.0 |
SIM | デュアルSIM(nano‑SIMとeSIM)、デュアルeSIMに対応 |
対応バンド |
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iPhone 13、iPhone 14にお勧めな格安SIM
docomoの周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band19(◎)、Band21(◎)、Band28(◎)、Band42(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)、Band n78(◎)、Band n79(◎)
docomo回線が使えるお勧め格安SIM
Softbankの周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band8(◎)、Band11(◎)、Band28(◎)、Band42(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)
Softbank回線が使えるお勧め格安SIM
auの周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band11(◎)、Band18(◎)、Band28(◎)、Band41(◎)、Band42(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)、Band n78(◎)