
この記事に書いてある内容
- 大画面ながら『165g』の超軽量
- 高解像度イメージセンサーが『1つ』のレンズで『2つ』の役割を担い『薄型化』を実現
- 光学式手ブレ補正はセンサーシフト式
- 縦に持ったまま横撮り!フロントカメラに採用された実用的なギミック
- 薄くてもパワフル!A19 Pro搭載でCPU性能が飛躍的に向上
- Neural Engineの活用でプライバシーを守りつつ高いパフォーマンスを維持
- 消費電力を削減しつつモバイルネットワークによるダウンロード速度は最大2倍に
- 6.5インチの大画面はヌルヌルなリフレッシュレート120Hz。耐擦傷性、反射防止にも拘り
- 最大20WのMagSafeワイヤレス充電に対応。有線なら30分で50%充電
- Appleらしさを感じられる美しいiPhone
- 関連リンク
Appleは2018年9月、iPhone XS Maxに続く6.5インチサイズの『iPhone 11 Pro Max』をリリース。iPhone 12 Pro Maxからは『6.7インチ』へと大型化。2025年同月に登場したiPhone Airは、約6年ぶりの『6.5インチ』モデルです。
iPhone 17シリーズは『Plus』が消え、『iPhone Air』が新たにラインナップ。Plusモデルは画面の大きさ(6.7インチ)以外にストロングポイントを見出だせず、あまり売れていない印象でした。
iPhone Airは6.5インチの大画面を維持しつつ『165g』の軽さ。Plusよりも他モデルとの差別化が明確に。公式店舗日本販売価格は159,800円(税込)〜。約6年ぶりの6.5インチは、一体どんな進化を遂げているのでしょうか。

大画面ながら『165g』の超軽量
iPhone 11 Pro Maxは最上位モデルの位置付けでした。対してiPhone Airは『薄さ(5.6mm)』がウリとなる『初』モデル。iPhone 11 Pro Maxの226gから61gの超軽量化を遂げ、たった『165g』に。Airという名称をつけられるに相応しいです。

もっとも、iPhone Airはカメラが1つ(最上位モデルはトリプル構成)。そして不安に感じるのが『電池もち』です。薄型軽量モデルと言えば、電池容量を極限まで減らして『軽いけど電池の減りがはやい』というのが一般的。ストレスなく使えるのか。
高解像度イメージセンサーが『1つ』のレンズで『2つ』の役割を担い『薄型化』を実現
15シリーズから、iPhoneはメインカメラのベース解像度を1,200万画素から『4,800万画素』に高解像度化。光の取り込み量が増えただけでなく、中央部分をクロップすることで『光学2倍相当』の望遠を実現。
iPhone 11 Pro Maxは、物理的な望遠カメラを使用して『光学2倍』を実現。メインカメラは1,200万画素でピクセル統合機能もなし(光の取得量が少ない)。当時は『最上位のカメラ性能』として評価されていました。
望遠レンズは被写体を引き寄せられるのがメリット。ただし端末の『厚み(重量)』が増します。1つのレンズで厚みを抑えつつ『2倍の光学ズームオプション』を選択可能になったのは、高解像度センサーの採用ありき。まさに技術革新の恩恵です。

光学式手ブレ補正はセンサーシフト式
光学式手ぶれ補正が『センサーシフト式』にアップグレードされている点にも注目。一般的な光学式手ブレ補正は、揺れに対して『レンズ』を動かします。
対してセンサーシフト光学式手ぶれ補正は、『イメージセンサー』自体が高速動作。より精密な制御が可能となり、暗所や動画撮影時に強さを発揮。
iPhone 11 Pro Maxはセンサーシフト光学式手ぶれ補正非採用。165gで『レンズ1つ』のiPhone Airが、6年前の最上位モデルを画質で凌駕することはほぼ確実言えるでしょう。
縦に持ったまま横撮り!フロントカメラに採用された実用的なギミック
iPhone Airは1,800万画素のフロントカメラを搭載。スペックだけで判断すると一般的ですが、正方形のセンサーを採用することで『縦に持ったまま横向きで撮影』が可能に。グループ写真撮影時は全員を自動でフレームイン。

片手で横持ちは安定せず『自撮りしづらい』という人は多いはず。『別々にとって合成する』というPixel方式とは一線を画した、Appleらしい便利機能ですね。
薄くてもパワフル!A19 Pro搭載でCPU性能が飛躍的に向上
電池もちに関しては、最大ビデオ再生時間の公称値がiPhone 11 Pro Maxの20時間から『27時間』に大きく改善。これは『通信』『Soc』『ディスプレイ』などの電力効率向上が影響しているはず。
電池もちを大きく左右するのが『Soc(チップセット)』です。iPhone 11 Pro Maxは『A13 Bionic』を採用。iPhone Airが搭載するのは、ベースモデルのA19ではなく上位の『A19 Pro』。
iPhone 17 Proシリーズが採用するA19 ProよりGPUが1コア少ないですが、CPU性能はiPhone 14 Proから最高で『約40%』高速化。クロック周波数は非公表ですが、もはやiPhone 11 Pro Maxと比較にならない処理能力。
| チップセット | A19 Proチップ(iPhone Air) | A13 Bionicチップ(iPhone 11 Pro Max) |
| CPU | 2つの高性能コアと4つの高効率コアを搭載した6コアCPU | 2つの高性能コアと4つの高効率コアを搭載した6コアCPU |
| GPU | Neural Acceleratorを搭載した5コアGPU | 4コアGPU |
| Neural Engine | 16コア | 8コア |
Neural Engineの活用でプライバシーを守りつつ高いパフォーマンスを維持
16コアのNeural Engineにより機械学習やAI処理を高速化。Siriの音声認識(一部)、テキスト予測、翻訳、写真検索(人物・物体認識)などをクラウドに送らず端末内で処理できるようになり、プライバシー保護がより強固に。
また、CPUやGPUのみに頼らず専用ハードウェア(Neural Engine)が処理を担当することで、電力効率が上がりパフォーマンスや電池もちが相対的に向上。
消費電力を削減しつつモバイルネットワークによるダウンロード速度は最大2倍に
モデムはAppleが設計した『C1X』。C1の後継モデルとなり、モバイルネットワークによるダウンロード速度を最大『2倍』引き上げ。iPhone 16 Proのモデムよりも全体の消費電力を『30%』削減。iPhone史上最高の電力効率を実現しています。
C1Xは『薄型設計』であることも特徴のひとつ。つまりiPhone Airとの親和性が高いです(ただしmmWaveは引き続き非対応)。
6.5インチの大画面はヌルヌルなリフレッシュレート120Hz。耐擦傷性、反射防止にも拘り
1秒間に画面を書き換え可能な回数を示す最大リフレッシュレートは『120Hz(ProMotionテクノロジー)』。iPhone 16シリーズまでは最上位モデルのみが120Hzを採用していましたが、iPhone 17シリーズでは『120Hz』に底上げ。滑らかさの部分でAndroid端末に劣っていたiPhoneが弱点を克服したカタチに。
iPhone Airのディスプレイガラスは、Proモデルと同じ『Ceramic Shield 2』。以前のモデルと比較して『3倍』の耐擦傷性を備え、グレアを抑える『反射防止性能』を向上させたApple製コーティングを採用。見やすさにも配慮がなされています。
最大20WのMagSafeワイヤレス充電に対応。有線なら30分で50%充電
Androidスマートフォンと比較して『充電速度』が遅いイメージのiPhone。iPhone 11 Pro Maxでは最大7.5Wのワイヤレス充電に対応していますが、実用的な速さではありません。
iPhone Airは、有線であれば30分で最大『50%』充電可能。MagSafeワイヤレス充電も最大『20W』をサポート。ワイヤレスで実用的な充電速度を得られるのは大きなメリットです(もちろん専用アクセサリーも用意されている)。
Appleらしさを感じられる美しいiPhone
Apple社のiPhone Airは、『イメージセンサー』『Soc』『ディスプレイ』『通信』の改善から生み出された集大成的なモデル。『どれだけ無駄なく高性能に作り込めるか』が美しく表現されていると感じます。
一部のAndroidスマートフォンメーカーは、同様の技術を活かして『折りたたみスマートフォン』を改良中。iPhone Airは『折りたたみiPhone』への布石となるのか。今後が楽しみですね。

