2020年11月10日にApple社がリリースした『M1』チップは、Mac用としては史上初となるシステムオンチップ(Soc)方式を採用。Socとは一つの基盤にCPUやGPUなど異なる部品を集積したもの。iPhoneやiPadが搭載している『Aシリーズ』はSocです。
Socへの切り替えにより大幅な高性能、省電力化を一気に実現。以下Appleのプレスリリースによると、前モデルとなるintelチップと比較して、CPU性能最大『3.5倍』、GPU性能『6倍』、機械学習も最大『15倍』に向上。
これだけの分かりやすいアップグレードを遂げておきながら、電池は一世代前のMacより最大『2倍』も長持ちに(Apple M1チップ搭載13インチMacBook Pro試作モデルを使用)。Aシリーズの強みをそのまま受け継いでいます。
M1チップのCPUは『高性能コア×4』『高効率コア×4』といったオクタコア(8コア)構成(GPUも8コア)。省電力性に優れる『高効率コア4コア』のみで、リリース当時の現行MacBook Air(デュアルコア)と同等のパフォーマンスを実現しているのだから驚き。
省電力駆動でも、一般的な使い方であれば十分なパフォーマンスを発揮するM1チップ。そのM1チップの特性を更に高め、2022年6月6日登場したのが『M2』です。
M2のCPUはM1と同じ『8コア』。ただしそれぞれのコアが強化されており、マルチスレッド性能はM1比較で『18%』向上。
Core i7-1255U(メモリ16GB)を搭載するSamsung Galaxy Book2 360と同じ電力レベルでパフォーマンスは『約2倍』。しかも4分の1の電力でピークパフォーマンスに到達するとか色々な意味で化け物クラス(Apple M2、16GBのRAMを搭載した13インチMacBook Pro試作モデル使用)。
GPUは8コア(M1 MacBook Airは7コア)から『10コア』に増やし(M2 MacBook Airの下位モデルは8コア)、M1と同じ電力レベルで最大『35%』パフォーマンスがアップ。Samsung Galaxy Book2 360と同じ電力レベルで『2.3倍』性能に優れ、5分の1の電力でピークパフォーマンスに到達します。
軽い作業から負荷のかかる処理までを、従来より低い電力レベルで安定的にこなせるようになったApple M2。そのM2を搭載する新型『Mac mini』が2023年2月3日から発売開始。
M1を搭載するMac miniが『699ドル~(8GB/256GB)』だったのに対し、M2モデルは『599ドル~(8GB/256GB)』に100ドル値下げされました。
ただし日本では円安の煽りを受けて『80,080円(税込)~』が『84,800円(税込)~』に値上げ。とはいえ、iPhoneやiPadシリーズと比較すればこれはかなり緩やかなもの。
東京電力は2023年6月以降、平均29.31%の規制料金値上げを経済産業省に申請しています。当面電気料金は上がり続ける見通し。パソコンの買い替えを検討しているのであれば、省電力性に優れる『M2 Mac mini』を候補に入れてみては。
Apple M2 Mac miniの主な仕様
名称 | Mac mini |
Soc | Apple M2チップ |
メモリ | 8GB(16GBまたは24GBに変更オプションあり) |
ストレージ | 256GB(512GB、1TB、2TBに変更オプションあり) |
ディスプレイサポート |
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動画再生 | HEVC、H.264、ProResなどのフォーマットに対応HDR(ドルビービジョン、HDR10、HLG) |
オーディオ再生 | AAC、MP3、Apple Lossless、FLAC、ドルビーデジタル、ドルビーデジタルプラス、ドルビーアトモスなどのフォーマットに対応 |
オーディオ | 内蔵スピーカー、ハイインピーダンスヘッドフォンに高度に対応する3.5mmヘッドフォンジャック、マルチチャンネルオーディオ出力に対応するHDMIポート |
接続 |
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Wi-Fi | Wi-Fi 6E |
Bluetooth | Bluetooth 5.3 |
Ethernet | 10/100/1000BASE-TギガビットEthernet |
サイズ | 3.58×19.7×19.7(cm) |
重量 | 1.18kg |