OPPO Reno11 A、moto g64 5Gに見る『MediaTek』の功績。日本スマホ市場再活性化なるか

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Dimensity

MediaTekより

止まらぬ円安の影響から、目に見えて『停滞』していた2023年日本スマートフォン市場。MM総研が2024年5月14日に発表した内容によると、2023年度通期は2000年度以降『過去最小(前年度比14.7%減)』の出荷台数を記録。

ハイエンドに関しては『性能アップ』が命題となるため、『値上げ』を余儀なくされるのはある意味仕方がないこと。コアな『5万円以内(エントリー~ミドル)』のモデルは価格を上げられないため、『大きな変化が無い』端末を量産する羽目に。

通常モデルチェンジを行う場合は、スマートフォンの処理能力を決める『Soc』をアップデート。しかし『moto g52j 5G II』『OPPO Reno9 A』に関しては、Snapdragon 695 5Gを踏襲。ハード部分の目立った変化を『メモリの増量』にとどめました。

ユーザーがモデルチェンジに希望するのは『価格据え置き』のまま『性能アップ』。本音としてはメーカー側もそういった端末を出したいはずなのに、それに反して進行する円安コスト高。

コストを抑えるには、在庫リスクを減らしつつ『同じものを多く量産』して単価を下げるのが基本。幸いSnapdragon 695 5Gはコア層に普及しやすいバランスのとれたSoc。『最悪の状況』を凌ぐには適していたと言えるでしょう。

しかし『2024年モデルもSnapdragon 695 5G継続』は流石に厳しい。モデルチェンジの意義が失われてしまいます。そこで『OPPO』『Motorola』のとった手段がSocのメーカー変更

Snapdragon 695 5Gは、日本でメジャーなQualcomm製。『脱Snapdragon 695 5G』を実現したのは、Qualcommから『MediaTek』への移行です。

MediaTekは台湾の半導体メーカー。元々は発展途上国向けの廉価モデルをメインにリリースしていましたが、5G対応の『Dimensity』展開開始から方向性をシフト。

Soc世界シェア

Statistaより

2023年第4四半期時点ではQualcommより多くの世界シェアを持ち、かつ『4nm』プロセスのハイエンド向けSocも精力的に投入しています(日本発売モデルXiaomi 13T ProはDimensity 9200+を採用)。

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もっとも、Dimensityが登場した当初は『カメラの色合いがおかしい』など不満点がチラホラ。しかし各メーカーが画像処理のチューニングをしっかり行った影響か、MediaTek製のSocを搭載する最新モデルの画質は着実に向上。

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コストを下げることのみを目的として『MediaTekのSocを採用』する時代はすでに終焉。私はこれまで複数の『MediaTek製Soc搭載スマートフォン』を購入していますが、もはやQualcommとの品質差は感じないレベル(むしろ上の部分も)。

moto g64 5Gが搭載する『Dimensity 7025』は、AnTuTu Benchmark(Ver.10.2.8)のトータルスコアが3回連続で『50万』超え。約30度の室内で負荷をかけ続けても、大きくパフォーマンスが低下しなかったのです(発熱及び電池の減りも控えめ)。

Snapdragon 695 5G

Motorola moto g52j 5G(Snapdragon 695 5G)のAnTuTu Benchmark実測結果

Dimensity 7025

Motorola moto g64 5G(Dimensity 7025)のAnTuTu Benchmark実測結果

moto g64のバッテリー温度

Motorola moto g64 5G(左から2回目、3回目)

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GPUスコアはSnapdragon 695 5Gと同等ですが、この価格帯のスマートフォンで重視すべきは、一般的な動作にもっとも影響を与える『CPU』性能の向上。

CPUがアップグレードされると、データを処理する速度が上がり、UXスコア(アプリの動作速度を示す)が上昇。中途半端にGPU性能を高めるよりも、『CPU』『UX』スコアを上げることの方が『ユーザーにとって有益』というのが私の考えです。

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ちなみにOPPO Reno11 Aが搭載する『Dimensity 7050』は、Dimensity 7025に近いCPU構成(最大クロック値が0.1高い)で、GPU性能は上。4K解像度の動画撮影にも対応しています。

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モデル名Dimensity 7025(moto g64 5G)Dimensity 7030(edge 40 neo)Dimensity 7050(OPPO Reno11 A)
CPU
  • Cortex-A78×2@2.5 GHz
  • Cortex-A55×6@2GHz
  • Cortex-A78×2@2.6 GHz
  • Cortex-A55×6@2GHz
  • Cortex-A78×2@2.6 GHz
  • Cortex-A55×6@2GHz
GPUIMG BXM-8-256Mali-G610 MP3Mali-G68 MP4
プロセス6nm(TSMC)6nm(TSMC)6nm(TSMC)

5万円以内』に価格を抑えつつ、『アップグレード』と認識される性能アップを実現出来たのは『MediaTek』ありき。

発売開始移行、Amazonや楽天市場のスマートフォンランキングで『TOP10の常連』となっている『moto g64 5G』『OPPO Reno11 A』。明らかに2023年より勢いが増している『2024年度』日本スマートフォン市場。MediaTekがカンフル剤となるか。

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瀬名 勇斗
運営者
サラリーマン時代は『製品開発(モバイルガジェット関連)』『広告(パッケージ及び説明書など)デザイン』『ディレクション』『マーケティング』『コピーライティング』などに従事。一つの製品に深く関わる事が好きで、開発から行っているメーカーに勤務していました。

ガジェット好きが高じて、一時は日本で発売されていないスマートフォンを海外から輸入。『Xiaomi』『OPPO』に関しては、日本参入前からフリークに。

元々写真を撮るのが趣味で、スマートフォンで撮影した作例を記事内に多数掲載。端末の性能を知りつつ、楽しんでいただければ幸いです。
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