Xiaomiがチューナーレステレビ市場に投下した『QLEDで3万円台』というインポッシブル。

チューナーレステレビ

Xiaomiより

2023年4月1日、総務省は『日本放送協会放送受信規約の変更』に基づいた新規定を施行。

同省が定める放送法第64条には、『NHKの放送を受信することができるテレビをお持ちの場合、NHKと受信契約をしなければならない』との規定があります。

つまりチューナーを搭載するテレビを所有した時点で、NHKとの契約義務が発生しているということ。

契約違反に関しては元々『所定の放送受信料を支払うほか、その2倍に相当する額を割増金として支払わなければならない。』との規定があり、新規約ではその内容もより具体化。詳細は『日本放送協会放送受信規約 新旧対照表』をご覧ください。

Xiaomi(シャオミ)が8月28日(水)にリリースした『Xiaomi TV A 2025シリーズ』は、チューナーレスタイプなのでNHKとの『契約義務』が発生しません。一般的な『地上デジタルテレビ放送』を観るには、Tverなどを活用するかチューナーを別途購入する必要があります。

チューナーレステレビに関しては、家電メーカーではなく『ドン・キホーテ』『GEO』『ニトリ』などがオリジナル製品を発売して火付け役に。

競合が少ない時期は『出せば売れる』ので、スペックは最低限だった印象(どこも似たりよったり)。しかし2021年に総合家電メーカー『TCL』が日本のチューナーレス市場に本格参入し、徐々に地盤が固まっていった印象。

2023年9月27日、Xiaomiは日本市場に向けて初のチューナーレステレビ『Xiaomi TV A Pro』シリーズを投入。同シリーズはKDDIが独占販売を行っていたので、やや流通しづらい部分がありました。

アップグレード版となる『Xiaomi TV A Pro 2025シリーズ』は、『Amazon』『楽天市場』へと販売チャネルを拡大。従来の強みを踏襲しつつ『QLED(量子ドット)』を採用。一気に『攻めの姿勢』へと転じました。

部屋に置きやすい43型(Xiaomi TV A Pro 43 2025)の主な仕様がコチラ(GEO、TCLと比較)。

Xiaomi、GEO、TCLの43型チューナーレステレビに関する主な仕様

モデル名 Xiaomi TV A Pro 43 2025 GEO(TGEOS-4300STK) TCL(43P63H)
市場想定価格 39,800円(税込) 32,780円(税込) 49,800円(税込)
解像度 3840×2160 3840×2160 3840×2160
サイズ 43型 43型 43型
LEDバックライト QLED(量子ドット) LED LED
パネル 不明 VA VA
アスペクト比 16:9 16:9 16:9
リフレッシュレート 最大60Hz 不明 最大60Hz
コントラスト比: 不明 4000:1 5000:1
輝度 不明 200cd/㎡ 不明
応答速度 不明  8ms 6.5ms
MEMC 対応(最大60Hz) 非対応 対応(最大30Hzまで)
色深度 10億7千万色 16.7M色 不明
HDR 10 対応 対応 対応
DOLBY Vision 不明 不明 対応
Chromeキャスト機能 対応 対応 対応
OS Android TV Android TV Android TV
AV1 不明 対応 不明
YouTube 対応 対応 対応
Amazonプライムビデオ 対応 対応 対応
Netflix 対応 対応 対応
有線LAN 対応 対応 対応
無線LAN 対応(2.4GHz / 5GHz) 不明 対応(2.4GHz / 5GHz)
Bluetooth 5.0 5.0 5.0
スピーカー出力 8W×2(DOLBY Audio、DTS-X、DTS VIRTUAL:X対応) 12W×2 10W×2(Dolby Atmos)
CPU Cortex-A55(QuadCore) Cortex-A55(QuadCore) 不明
GPU ARM Mali G52 MC1 不明 不明
メモリ 2GB 2GB 不明
ストレージ  8GB  16GB 不明
HDMI端子 3(eARC対応) 3(ARC対応) 3(ARC、eARC、CEC対応)
USB端子 1  2 1
光デジタル端子 1 1 1
LAN端子 1 1 1
ヘッドフォン出力 1 1
AV IN 1 1 1
リモコン音声対応 対応 対応 不明
Google Play 対応 対応 対応
Googleアシスタント 対応 対応 対応
寸法(スタンドあり) 幅約957.4×高さ約597.8×奥行き約209.1(mm) 幅約957×高さ約606.1×奥行き約206.9(mm) 幅約958×高さ約606×奥行き約248(mm)
重量 約6.1kg(スタンド含) 約6.5kg(スタンド含) 約6.3kg(スタンド含)
消費電力 90W 約80W 約90W
待機電力 不明 0.5W 0.3W
壁掛け 対応(100 x 200) 対応(VESA 200 x 200) 対応(VESA 200 x 200)
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一般的な液晶テレビは、『青色LEDバックライト』に『黄色(赤+緑)蛍光体』を被せることで『白色光』を作り出し、液晶シャッターで透過量を調整してからカラーフィルタで必要な色を生成。この方法では『色の再現性の弱さ(特に赤と緑)』が課題としてあげられていました。

量子ドット(QLED)は、直径2~10nm程度の粒子材料を使用した光の波長変換技術を採用。粒径により青色LEDの光波長は変化(色が変わる)。課題となっていた各色のロスを抑え、鮮やかな純度の高い色合いを実現しています。

QLED

Xiaomiより

Xiaomi TV A Pro 43 2025は、『4K(3840×2160)』の高解像度表示に加え、色深度が一般的な1,670万色(8bit)を大きく上回る『10億7,000万色(10bit)』。QLEDの優れた色表現を活かすのに最適。

最大60Hzの『MEMC』にまで対応しているのだから驚き。MEMCは動きを予め予測して、フレームを補間することで表示を滑らかにする機能。主にハイエンドスマートフォンやタブレットが搭載しています。

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QLEDを採用するチューナーレステレビは、一般的な液晶テレビと比較して高額。『TCL 43C646』のAmazon実売価格が59,800円(2024年9月1日時点)。

10億7千億表示』『MEMC』をサポートするXiaomi TV A Pro 43 2025の価格設定(39,800円)は、他メーカーからすれば撤退を示唆するレベル。日本チューナーレステレビ市場を独占する状態となっても不思議ではありません。

一点気になるのは、スペックに記されていない『輝度』の部分。明るさを重視するなら、最大1,200nitsの『上位モデル(mini LED)を購入して』ということなのかもしれませんが。

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