Amazonがメーカーとしてリリースしている『Fire 7』『Fire HD 8シリーズ』『Fire HD 10シリーズ』といった3サイズのタブレット。私は3サイズ全て所有していますが、その中で最もお勧めしたくないのはダントツで『Fire 7』でした。
その理由が3つ。1つ目は『動作速度の遅さ』。他モデルと比較して体感で分かるレベルに遅いのです。それもそのはず。動作速度に一番大きな影響を与える『CPU』のクロック周波数が『1.3GHz』。メモリ容量も『1GB』とOSをやっと動かしているレベル。いくら最廉価モデルとは言え流石に厳しい。
ワンサイズ上の『Fire HD 8』はCPUのクロック周波数が『2.0GHz』。メモリ容量も『2GB』と2倍。その数値差が動作に表れてしまっているのです。
Wi-Fi規格の『11ac(第5世代)』に非対応というのもお勧め出来なかったポイントの一つ。11acは前規格となる『11n(第4世代)』から最高通信速度を10倍近くまで高めており、非対応の場合は通信速度に大きな差が出るのです。
そして連続駆動時間も『7時間』とタブレットにしてはやや短め。重量がFire HD 8と比較して70g程度軽いので、手に持って長時間使うことを考えれば物理的にお勧めしたいのは間違いなくFire 7。しかしスペックの弱さが物理的なメリットを上回っていました。
もっともお勧め出来ないFire 7が、突如2022年5月にアップデート(2022年6月29日発売開始予定)。『Fire HD 8シリーズ』『Fire HD 10シリーズ』と同じ新デザインを導入しました。
フロントカメラの位置が変わりビデオチャットに最適化。フォルムは女性にも馴染みやすい丸形に。いい意味でFireタブレットのイメージを変えてくれたお気に入りの見た目にFire 7も進化。
しかし問題はあくまでスペックです。見た目だけ良くなってもお勧めは出来ません。新世代になりどう変わったのかをチェックしていきましょう。
旧Fire 7 | 新Fire 7 | |
CPU | 1.3GHzクアッドコア | 2.0GHzクアッドコア |
RAM(メモリ) | 1GB | 2GB |
ストレージ | 16GB/32GB | 16GB |
連続駆動時間 | 最大7時間 | 最大10時間 |
カメラ | フロントカメラ:200万画素 リアカメラ:200万画素 |
フロントカメラ:200万画素 リアカメラ:200万画素 |
重量 | 286g | 282g |
Wi-Fi | 802.11a、802.11b、802.11g、802.11n | 802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac |
解像度 | 1024 x 600 (171ppi) | 1024 x 600 (171ppi) |
Micro SDカード | 512GBまで | 1TBまで |
まずは一番のネックとなっていた『CPU』。クロック周波数が『1.3GHz』から『2.0GHz』に上がり前世代から最大『30%』の高速化を実現。これでようやく実用レベルに到達したと言えます。
メモリも1GBから『2GB』へと倍増。カツカツだったメモリ領域にも余裕が生まれ、こまめにアプリを閉じる手間も不要に。Fire HD 8と差別化するならメモリを『1.5GB』に抑えるべきなので、2GBはFire 7にとってサプライズ。
Wi-Fiも上位モデルと同じく『11ac(第5世代)』に対応。これで家の光回線を存分に活用出来るはず。さらに最大連続駆動時間は7時間から『10時間』へと3時間延長。こちらもタブレットの実用レベルに到達しました。
重量は『282g』とわずかに軽量化。ストレージ『32GB』が選択肢として無くなりましたが、その分Micro SDカードの対応容量が512GBから『1TB』へと倍増。動画をオフライン環境で観る場合はMicro SDカードで容量を追加すれば良いでしょう。
これまで私が強い不満を感じていた部分を完全に封じてきた『新Fire 7』。8千円台の廉価モデルなので、防水ケースに入れてお風呂で動画鑑賞や読書をするなど、iPad miniには出来ないちょっと雑な使い方をするのもアリ。寝転びタブにも最適な7インチ。これなら勧められる。そして欲しい(後日買いました)。