『Mi 11』とiPhone 12 mini。カメラ画質に定評のあるXiaomiとAppleの最新モデルです。まずは両モデルをスペックで比較すると、メインカメラの解像度に大きな開きあり。ただしディスプレイ上で等倍で見る事が前提であれば、解像度による違いを見つけるのはほぼ困難。あまり気にする必要はありません。
Xiaomi Mi 11 | Apple iPhone 12 mini | |
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メインカメラ | 解像度:1億800万画素 F値:1.9 焦点距離:26mmm センサーサイズ:1/1.33 画素サイズ:0.8µm オートフォーカス:PDAF 手ブレ補正:OIS(光学式) |
解像度:1200万画素 F値:1.6 焦点距離:26mmm センサーサイズ:不明 画素サイズ:1.4µm オートフォーカス:デュアルピクセルPDAF 手ブレ補正:OIS(光学式) 望遠:光学2倍ズーム |
超広角カメラ | 解像度:1300万画素 F値:2.4 画角:水平123度 センサーサイズ:1/3.06 画素サイズ:1.12µm |
解像度:1200万画素 F値:2.4 画角:水平120度 センサーサイズ:1/3.6 画素サイズ:1.12µm |
マクロカメラ | 解像度:500万画素 F値:2.4 センサーサイズ:1/5.0 画素サイズ:1.12µm |
なし |
解像度以外の部分では、iPhone 12 miniのメインカメラは光学2倍ズームに対応。Mi 11は光学ズームには非対応。望遠は全てデジタルになります。超広角カメラはほぼ同じ構成。マクロカメラの搭載は『Mi 11』のみです。カメラに関してはスペック上の比較が難しいので、早速実機を使って撮り比べを行いました。
【メインカメラ(オート)】作例1:花
ポートレートモードで撮影していないのですが、どちらの写真もかなり背景がボケています。Mi 11の方がややボケが強いですね。F値は大きいのにちょっと意外。色はiPhone 12 miniが暖色、Mi 11が寒色よりですね。
【メインカメラ(オート、1億800万画素)とマクロカメラ】作例2:花
iPhone 12 miniで撮影した写真の方がやや明るめ。ボケは今回もMi 11の方が強いです。解像度を1億800万画素に切り替えてみると、オート撮影より画質が明るくなりました。ピクセル統合機能により、光の取得量が増えている事が影響しているのでしょう。
ちなみにMi 11のマクロカメラを利用するとこの辺りまで寄れます。
【メインカメラ(オート)】 作例3:風景
両モデルとも、白飛びしてしまいそうな難しい雲をしっかりと高精細に捉えています。ノイズも目立ちません。ただiPhone 12 miniは色数が少ないのか、Mi 11と比較してやや彩りが物足りません。人工芝部分の階調もMi 11の方が豊かです。
【メインカメラ(オート)と超広角カメラ】 作例3:風景
iPhone 12 miniにしては珍しく、コントラストが強くなりすぎてやや黒つぶれを起こしています。私はメリハリのある画像が好きなので個人的にはアリですが、画質のクオリティからするとやや残念。
メインカメラから超広角カメラに変更すると、iPhone 12 miniのコントラストはやや弱まった印象。しかし雲には目立たない程度ですがノイズがのってしまいました。Mi 11は細かい枝部分が白っぽくなっているのが少し気になります。広角カメラは広く撮る事がメインなので、あまり細かくチェックするのは良くないかもしれませんね。
【メインカメラ(ポートレートモード) 作例5:花
iPhone 12 miniはポートレートモードを指定すると選べる画像比率が4:3のみになります。iPhone 12 miniの方がMi 11よりF値が小さいので、被写界深度は浅めでボケ味も大きいです。両モデルともポートレートモードで撮影した写真は、撮影後にF値の変更が可能。3枚めの写真はMi 11で撮影した写真のF値を調整し、iPhone 12 miniのボケ味に近づけています。
【メインカメラ(ズーム) 作例6:電波塔
iPhone 12 miniには光学2倍ズーム機能が備えられています。Mi 11は光学ズーム非対応なのでデジタルズームのみ。光学ズームは劣化しないので、本来はデジタルズームより高画質。
しかしiPhone 12 miniとMi 11では逆転減少が起きています。2倍ズームで撮影した画像を拡大してみると、Mi 11のほ方が高精細でした。
さらにMi 11の1億800万画素で撮影した画像を拡大して比較。ズーム機能を上回って一番高精細だったのがこの画像。1億800万画素設定時は2倍ズームが可能。この程度の倍率であれば、すでにデジタルズームが光学ズームを超えているのですね。
iPhone 12 miniの最大倍率となる5倍ではさらにその画質差が拡大しています。Mi 11は10倍、30倍までデジタルズームが可能。30倍だと流石に画質がかなり粗いですが、電波塔の輪郭ははっきりと認識出来るレベル。
【メインカメラ(ズーム) 作例7:夜景
iPhone 12 miniは光が少ない場所で撮影しようとすると自動的にナイトモードに切り替わります(手動でも設定可能)。Mi 11は夜景認識と夜景モードの両方に対応。夜景認識と夜景モードでは画質が全く異なるので、しっかり夜景を撮りたい場合は必ず夜景モードに切り替えましょう。
iPhone 12 miniでしっかり夜景を撮影したのは初めてだったのですが、クオリティの高さに驚きました。夜景は一眼レフでも『ノイズ』『手ブレ』が発生しやすい写真撮影の最難関。しかしスマートフォンで、しかも手持ちなのにこの画質。目立ったノイズも見当たりません。
そしてiPhone 12 miniの夜景画質に勝るとも劣らないのがMi 11。iPhone 12 miniと比較すると少しだけ手ブレしやすいと感じましたが(恐らくF値の問題)、揺れないように意識して持てば高いクオリティで撮影出来ました。今回は試し撮り程度でしたが、これは夜景スポットで本格的に撮りまくりたいですね!