2024年3月5日、イギリスのロンドンに拠点をおく『Nothing』は日本市場において最新スマートフォン『Nothing Phone (2a) 』をリリースしました。
メーカー直販価格は12GB/256GBモデルが『55,800円(税込)』。カラーは『ミルク』と『ブラック』の2色展開。すでに予約の受付が開始されており、2024年3月末から順次出荷予定。
ここからはNothing Phone (2a) のスペック詳細について、既存モデルとなる『Nothing Phone (1)』『Nothing Phone (2)』と比較しながら紹介していきたいと思います。
Nothing Phone (2a)、Nothing Phone (1)、Nothing Phone (2)の主なスペック
Nothing Phone (2a) | Nothing Phone (1) | Nothing Phone (2) | |
Soc | MediaTek Dimensity 7200 Pro(4nm TSMC第2世代) | Qualcomm Snapdragon™ 778G+ 5G(6nm) | Qualcomm Snapdragon™ 8+ Gen 1(4nm TSMC) |
容量 | 8GB/128GB、 12GB/256GB |
8GB/128GB、8GB/256GB、12GB/256GB | 8GB/128GB、12GB/256GB、12GB/512GB |
電池 | 5,000mAh(有線充電:45W) | 4,500mAh(有線充電:33W、無線充電:15W、無線給電:5W) | 4,700mAh(有線充電:45W、無線充電:15W、無線給電:5W) |
サイズ | 161.74 mm x 76.32 mm x 8.55 mm | 159.2 mm x 75.8 mm x 8.3 mm | 162.1 mm x 76.4 mm x 8.6 mm |
重量 | 約190g | 約193.5g | 約201.2g |
画面 |
|
|
|
ベゼル幅 | 2.1 mm | 2.65 mm | 2.65 mm |
カメラ |
リアカメラ
フロントカメラ
|
リアカメラ
フロントカメラ
|
リアカメラ
フロントカメラ
|
動画撮影 |
4K 30fps (リアカメラ) 1080p 60fps 1080p 120fps (スローモーション) アクションモード |
4K 録画、30 fps 1080p 録画、30 または 60 fps ライブ Live HDR、30 fps スローモーション (120 fps) ナイトモード (720p/1080p、30 fps) OIS および EIS 画像安定化 |
4K 録画、60 fps 1080p 録画、30 または 60 fps ライブHDR、4K30 fps スローモーション (480 fps) Night Mode (1080p、30 fps) アクション モード OIS および EIS 手ぶれ補正機構 タイムラプス (4K) |
ISP | Imagiq 765 (14-bit) | Spectra 570L (14-bit) | Spectra ISP(18-bit) |
イヤフォンジャック | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
位置情報 | GPS (L1), GLONASS (G1), BDS (B1I), GALILEO (E1), QZSS (L1) | GPS(L1&L5), AGPS, GLONASS , BDS , GALILEO, QZSS | GPS:L1+L5 デュアルバンド、A-GPS、GLONASS、BDS、GALILEO、QZSS、NavIC、SBAS |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac または ax (Wi-Fi 6)、2.4 GHz / 5 GHz デュアルバンド、 2×2 MIMO、MU-MIMO | Wi-Fi 6, 802.11 a/b/g/n/ac/ax、2.4G/5Gデュアルバンド | Wi-Fi 6、802.11 a/b/g/n/ac/ax、2.4G/5G デュアルバンド |
Bluetooth | Bluetooth 5.3, A2DP, BLE | 5.2 | 5.3 |
SIM | nanoSIM×2 (5G+5G) | nanoSIM×2 (5G+5G) | nanoSIM×2 (5G+5G) |
防塵防水 | IP54 | IP53 | IP54 |
指紋認証 | 画面内 | 画面内 | 画面内 |
Micro SDカード | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
スピーカー | デュアルステレオ | デュアルステレオ | デュアルステレオ |
おサイフケータイ(FeliCa) | 対応 | 非対応 | 非対応 |
Nothing Phone (2)が『買い』だと思ったポイントまとめ
Googleと共同開発した画像処理技術『Ultra XDR』採用
最上位モデル『Nothing Phone (2)』には、RAW(無圧縮)データ8フレームから画像の生成を行う『Advanced HDR』という技術が採用されました。Advanced HDRで撮影した写真は、被写体が引き立ち明瞭な仕上がりに。
下位モデルのNothing Phone (1)と『イメージセンサーサイズ』『レンズのF値』は大きく変わりませんが、Advanced HDRの導入により画質に関しては明確に進化。
よって、Nothing Phone (2a)に同様の技術が採用されるかは、個人的にかなり注目していました。Nothing Phone (2a)には、Googleと共同開発した『Ultra XDR』を導入。名称は異なりますが、こちらも明るさの異なるRAWデータ『8フレーム』を使用。
Ultra XDRにより、各ピクセルの明るさは最大『5倍』に向上するとのこと。これは期待値大。Ultra XDRの部分だけとっても個人的には『買い』ですね。
メインカメラの手ブレ補正が『光学式』『電子式』に両対応
Nothing Phone (1)のメインカメラは『光学式』の手ぶれ補正にのみ対応していました。Nothing Phone (2)では『光学式』『電子式』に両対応。Nothing Phone (2a)ではその部分を踏襲。手ブレ補正の強化はUltra XDR撮影時にもプラスに作用するでしょう。
明るさと電力効率を高めた大画面有機ELディスプレイ採用
最大(屋外)輝度は、カタログ値で3モデル中もっとも明るい『1,100ニト』に向上(正確な明るさは実測が必要)。明るさが増すとその分消費電力が上がりますが、最低リフッシュレート(1秒間に画面を切り替え可能な回数)をNothing Phone (1)の60Hzから『30Hz』に抑制。明るさと相対的に電力効率を高めています。
Socにミドルクラス上位の性能を持つMediaTekPro採用
スマートフォンの処理能力を決めるSocには、MediaTek社と共同設計した『Dimensity 7200 Pro』を採用。AnTuTu Benchmark(ver.10)のトータルスコア(公式値)は『741,999』。
モデル名 | Soc | AnTuTu Benchmarkトータルスコア(ver.10) |
Nothing Phone (2a) | Dimensity 7200 Pro(4nm) | 741,999(公式値) |
Nothing Phone (1) | Snapdragon 778G+ 5G(6nm) | 624,253(公式値) |
Xiaomi 13T | Dimensity 8200-Ultra(4nm) | 892,452(実測) |
Pixel 7a | Tensor G2(5nm) | 821,580(実測) |
Pixel 7 Pro | Tensor G2(5nm) | 888,148(実測) |
Nothing Phone (1)を10万以上上回る数値。日本発売モデルの中では『Pixel 7a』『Pixel 7 Pro』『Xiaomi 13T』といったスマートフォンに近いスコアです。
Dimensity 7200 ProはTSMC第2世代の『4nm』という信頼度の高い微細なプロセスで製造されているので、電力効率の部分で『Pixel 7a』『Pixel 7 Pro』を上回る可能性大。
上記の中で『原神を高いフレームレートで安定的に遊べる』のは、実測で『Xiaomi 13T』のみ。ミドルクラスなので過度な期待は禁物ですが、Nothing Phone (2a)でどの程度3Dゲームが遊べるのかは個人的にかなり気になりますね。
最大45Wの急速充電に対応
エントリークラスのスマートフォンであれば『20W』程度の充電速度で満足出来ますが、ミドルクラスとなると『30W以上』は欲しいところ。Nothing Phone (2a)は最大『45W』なので実用性十分です。
モデル名 | 最大充電速度 |
Nothing Phone (2a) | 45W |
Nothing Phone (1) | 33W |
Xiaomi 13T | 120W |
Pixel 7a | 18W |
Pixel 7 Pro | 23W |
控えめなGlyph インターフェース
Nothing Phoneの象徴とも言える『Glyph インターフェース』。LEDの光や音で必要な情報を通知します。
Nothing Phone (1)、Nothing Phone (2)は背面全体にLEDが配置されているので、光がそれなりに強いです。それを『格好良い!』と捉える人もいれば、『目立ち過ぎ』だと感じる人もいるはず。
Nothing Phone (2a)はLEDが上部に『3つ』のみ。派手さを抑えつつ、Glyph インターフェースの特徴はしっかりと残しています。
ミドルクラス上位性能ながら価格が安い
記事執筆時点で、予約の受付が開始されているモデルは『12GB/256GB:55,800円(税込)』のみ。日本で発売されているミドルクラス上位の相場を鑑みれば十分に安いです。
スペック表には、12GB/256GBとあわせて『8GB/128GB』の表記も。誤記の可能性もあるので公式サポートに問い合わせたところ、時期を追って『8GB/128GB』に関しても取り扱いを開始する予定であるとのこと。
12GB/256GBが55,800円なので、8GB/128GBモデルは『4万円台』になると予想。『スマホ2台持ち』や『128GBで十分』といった人は、8GB/128GBモデルの価格が公開されるまで少し待った方が良いかもしれません。
※8GB/128GBの直販価格が『49,800円(税込)』と公開されました。2024年3月6日時点で販売日は『後日公開』。
おサイフケータイに対応する可能性あり
正式に対応しました!
『8GB/128GBモデルが発売されるか』と共に、『おサイフケータイは使えるか?』という質問を公式サポートにしたところ、『各社と調整中であり、決まり次第公式に発表する』との回答を得ました。
NothingのCEOを務めるCarl Pei氏が、Xユーザーの質問に対して『Nothing Phone (2a)にFeliCaを追加しました』とこたえているので、同端末がFeliCa ICチップを搭載していることは間違いなさそうです。
ただし正式採用するとその分コストが上がるはずなので、12GB/256GBの予約数を確認しつつ、8GB/128GBモデルの投入も踏まえて最終決定といったところか。期待しながら公式発表を待ちましょう。
Nothing Phone (2)が『イマイチ』だと思ったポイントまとめ
eSIMに非対応
最近は殆どの主要通信業者が『eSIM』に対応。Nothing Phoneは頑なに『カード型』のSIMスロットを貫いており、Nothing Phone (2a)も非対応(nano SIM×2)。現在eSIM運用している人は、カードを取り寄せなければならないので少し面倒かも。
ワイヤレス充電が使えない
Nothing Phone (1)、Nothing Phone (2)はどちらもワイヤレス充電に対応。Nothing Phone (2a)はコスト削減の影響か有線充電のみ。最大充電速度が45Wに引き上げられているので不便は感じないと思いますが、Nothingならではの『スマートさ』はやや削がれますね。