楽天モバイルは2024年4月30日(火)、『楽天モバイル、“プラチナバンド” 700MHz帯の試験電波発射を開始』を公式ページにおいて発表。
『今後、試験電波による検証を経て、早期に商用サービスの提供を順次開始できるよう目指す』としています。
周波数は高いほど直進性が強く『はやい速度』で通信を行うことが可能。ただし遮蔽物の影響を受けやすく(減衰しやすい)、一部の場所(地下、建物内、山間部など)では電波が届きづらいといった弱点も。
その弱点を補っているのが『プラチナバンド』です。プラチナバンドとは700MHz~900MHzの低い周波数帯域の通称。周波数が低いので『高速通信』を行うには適していません。あくまで高周波の『サポート役』。
楽天モバイルはサービス開始当初から『プラチナバンドの割り当て』を求め続け、2023年10月23日に満を持して総務省から『700MHz』が割り当てられました。
これまで自前のプラチナバンドを使えない楽天モバイルを支えてきたのが『au回線』です。KDDIは楽天モバイルに対して『800MHz帯(基本)』のプラチナバンドをローミング提供。、楽天回線が届かない対象エリアでは、au回線に切り替わり通信が行われています。
もっとも楽天回線の人口カバー率が『70%』を超えた地域では、両社協議のもと『パートナー(au)回線』の提供が段階的に打ち切り。そういった地域では、今後『楽天回線のプラチナバンド』が効力を発揮することに。
楽天モバイルは2023年4月にKDDIと新たなローミング協定を締結。新協定では、これまでローミングに含まれなかった東京都23区・名古屋市・大阪市を含む都市部の一部繁華街のエリアを新たな対象に。一部インドア(地下鉄、地下街、トンネル、屋内施設など)やルーラルエリアでも引き続きローミングが提供されます。
楽天モバイルが自前のプラチナバンドを提供出来るようになった今、この新ローミング協定は本当に必要なのでしょうか。
楽天モバイルが使用可能な『700MHz』は、帯域幅が最大『3MHz』。他の通信キャリアのプラチナバンドは最大『20MHz』。帯域幅とは道幅のようなもので、広いほど『沢山の車が同時に走れる(データを同時に送受信出来る)』イメージ。
人口密度の高い(渋滞しやすい)エリアにおいては、当面帯域幅の広いau回線を使用するのが効率的。
楽天モバイルは『ユーザー数およびトラヒックの多い都市部において、残されたカバレッジホールを優先して、自社基地局によるプラチナバンドの展開を順次拡大していく予定』と説明しているので、まずはau回線でカバーし切れない部分をスポット的に改善していくということでしょう。
楽天モバイルは総務省に認定申請した開設計画において、プラチナバンドのサービス開始日を『2026年3月頃』と定めていました。ところが『Rakuten新春カンファレンス2024』の中で、楽天グループの三木谷会長は『2024年5月投入』と大幅な前倒しを発表。
今回の『楽天モバイル、“プラチナバンド” 700MHz帯の試験電波発射を開始』は、上記を反映してのことでしょう。
2024年4月3日時点で契約数が650万回線(Rakuten最強プラン、Rakuten最強プラン ビジネス、Rakuten Turboを合わせた契約数)』を突破。
Opensignal社のモバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポートでは、『5Gアップロードスピード』『5Gダウンロードスピード』『アップロードスピードエクスペリエンス』『ゲームエクスペリエンス』『音声アプリエクスペリエンス』といった5部門で4キャリア中最高評価を獲得した楽天モバイル。
2024年内を目処に、衛星通信との干渉調整条件緩和により5G(Sub6)のエリアを関東地方で最大『1.6倍』まで順次拡大予定。今後通信キャリアとしての存在感をどこまで高めることが出来るか、注目です。
楽天モバイルについて
- 音声対応SIM基本料金:1,078円(税込)~
- 契約月の基本料金:日割りなし
- 通話料金:22円/30秒(電話回線)、0円(Rakuten Link使用)
- 15分かけ放題(電話回線):1,100円(税込)
- 無制限かけ放題(Rakuten Link使用):0円(税込)
- データ容量:3GB~
- 翌月くりこし:非対応
- 5G:対応
- 低速切り替え:非対応
- 通信回線:楽天、au(パートナー回線)
- eSIM設定方法(Android):https://network.mobile.rakuten.co.jp/faq/detail/00001374/
- eSIM設定方法(iOS):https://network.mobile.rakuten.co.jp/guide/setting/ios/
- APN設定方法(楽天モバイルで購入した端末):https://network.mobile.rakuten.co.jp/guide/setting/
- APN設定方法(楽天モバイル以外で購入した端末):https://network.mobile.rakuten.co.jp/faq/detail/00001495/?l-id=guide_faq
- 転入手続き申し込み時に必要なMNP予約番号期限:7日以上(WEBの場合)
- 開通手続き:My楽天モバイルから
- MNP開通手続きを行わなかった場合:MNP予約番号有効期限が過ぎて長期間開通手続きを行わないと申込みが消滅する可能性がある
- 切替受付時間:午前9時~午後9時まで
- 切り替えにかかる時間:受付時間内の申し込みは当日開通(受け取り直後や午後9時00分直前に手続きをした場合、当日中に完了せず、翌日の開通となる場合がある)
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