ASUSの最新フラッグシップモデルとなる『Zenfone 8』。ディスプレイサイズを5.9インチに小型化しつつ、最大リフレッシュレートは120Hzに向上。SocはをSnapdragon 888へとアップグレードした事で、Antutuのベンチマークスコアは75万超え。スマートアンプを搭載するので小型なのにスピーカーの音は迫力満点。ギュッと中身を凝縮したイメージのハイエンドスマートフォン。カメラ画質も当然気になりますよね。
投稿が見つかりません。前世代となるZenfone 7は回転式のフリップカメラを採用。Zenfone 8では小型化に伴いフリップカメラは非採用となりました。
ぱっと見はややチープに見えるZenfone 8のカメラ。メインカメラのイメージセンサーはSONY IMX 686でZenfone 7と同じ。レンズのF値も1.8と変わりません。Zenfone 8のみ光学式手ブレ補正を備えているので、夜景など低照度なシーンのや動画撮影時に撮影環境が向上。実用的な機能向上を遂げたという事です。
イメージセンサーとレンズが同じなので画質に大きな違いが発生するとは考えづらいですが、Zenfone 8でどの程度の写真が撮れるかという確認作業をメインに、Zenfone 7との実写比較を行いたいと思います。
昼間の天候は曇りでやや風が吹いているというあまり良くない撮影状況。AIはOFF、HDRはAUTO。WEB掲載用に幅2,000ピクセルにリサイズし、JPEGの圧縮率を上げています。画像を選択すると拡大表示。
ASUS Zenfone 7とZenfone 8のカメラ画質を比較。小さな巨人は処理能力以外のポテンシャルも高いのか?
画質比較1:抜群のオートフォーカス性能を継承。Zenfone 7の方がコントラスト高め
Zenfone 7のカメラをはじめて使用した時、最初に『オートフォーカス性能に優れている』と感じました。その部分がZenfone 8にも継承されています。比較するまで気になりませんでしたが、Zenfone 7はややコントラストが高め。Zenfone 8ではそれが修正され、花や緑の色がより自然に。シャッタースピードは同じ。ISOはZenfone 8の方が少しだけ高いです。
画質比較2:Zenfone 7は青が強めに出る傾向。Zenfone 8は実際に近い色表現。低ISO低ノイズがZenfoneの特徴
かなり小さい被写体ですが、Zenfone 7、Zenfone 8ともにしっかりとフォーカスしています。Zenfone 7は青が強め。Zenfone 8の方が着色が少なくありのままに近い色です。
ISO設定はどちらも25とかなり低い数値。メーカーによってシャッタースピードを速くして手ブレを抑えるか、ISOを低くしてノイズを抑えるかソフトウェアの特性が異なります。Zenfoneの場合はどうやら後者。Zenfone 8には光学式手ブレ補正が搭載し、弱点になりうる部分を強化しています。
画質比較3:適正露出で質感までしっかり伝えるZenfone 7。Zenfone 8は少しだけ露出を抑えれば更に画質向上
Zenfone 7は花びらの質感も伝わってくるクオリティの高い仕上がり。比較1では強めに感じたコントラストも比較2では適正です。少し青が弱まれば尚完成度が上がりますね。
Zenfone 8はやや光の量が多い印象。ISO25でここまで明るく撮れるのは素晴らしい事なのですが、露出を抑えてシャッタースピードを少しだけ速くした方がより立体感のある仕上がりになるかと。あくまで微調整の範疇ですね。このままで良いと感じる人も多いでしょう。
画質比較4:色補正を必要としないZenfone 8。小さな筐体でこの画質を得られる事に大きな意味がある
Zenfone 7、Zenfone 8ともに細い綿毛一本一本にフォーカス。是非拡大して見てください。驚く精度の高さです。Zenfone 7は少し黄色が強めの印象。対してZenfone 8はそのままの景色に近い表現。色の補正不要です。
Zenfone 7とZenfone 8を交互に持ち替えて撮影しているのですが、その度に『小さいな』と感じます。一眼レフとは勿論比較にすらならず、コンデジよりも持ち運びし易くディスプレイも見やすいZenfone 8。それでいてこの画質が得られるのだからカメラは売れなくなりますよね。
画質比較5:3倍デジタルズームまでは余裕の高画質。十分な実用レベル
続けて等倍、2倍デジタルズーム、3倍デジタルズームの比較。拡大率を上げると手ブレが発生しやすくなるので、撮影性能は光学式手ブレ補正を備えるZenfone 8の方が優秀。ただし等倍は比較3と同じく少し明るすぎな印象。
これはZenfone 8の問題というより、私がAF/AEを適正より暗めな位置に設定した事が原因であると考えます。比較3も恐らくそうですね。両モデルはAFとAE(自動露出調整)の位置を別々に設定出来るので、明るすぎると感じた場合はAEを明るい位置にずらせば露出が制御されます。
画質自体はどちらも素晴らしい仕上がり。3倍でも十分実用レベル。まだ余裕が感じられるので、もう少し拡大率は上げられそう。少し離れた場所にある被写体や、物撮りをする時に便利。
画質比較6:ソフトウェア処理技術の高さを実感出来るデジタルズーム。ホワイトバランスの調整はZenfone 8の方が良好な印象
3倍デジタルズームの画質がかなり気に入ったのでもう1枚。Zenfone 7は青が強めでクールな雰囲気に。Zenfone 8は土や花にあたたかみがあり自然の息吹を感じます。同じ被写体で寒色と暖色に分かれたので、ホワイトバランスの調整が両モデルでは微妙に違うようです。
少し前までデジタルズームは画像の一部をトリミングして拡大するだけのものでした。しかし最近ではソフトウェア技術が進化し、メーカーによって画質にかなりバラつきが発生。ASUSは間違いなく優れた部類に入りますね。
画質比較7:超広角カメラも画質良好。デジタルズーム8倍でもWEB素材程度には使えそう
超広角カメラ、メインカメラ等倍、メインカメラ8倍ズームの比較(どんよりした天候で恐縮です)。超広角カメラはレンズのF値が『2.4』と大きいので、F値『1.8』のレンズを使用しているメインカメラより光の取得量が減少。よって撮影範囲は広がっていますが、メインカメラの画像より若干暗めに。
悪天候で昼間の光量が落ちているので、尚更レンズの特性が反映されています。ただしどちらの端末も、手前の芝生から最後方のビルまでを高精細に描写。晴天時であればさらに画質は向上するでしょう。
等倍ではZenfone 7の芝生の色が強すぎる印象。Zenfone 7は被写体によってコントラストが強めに出る傾向にあるので、気になる人は撮影後に微調整をかけると良いでしょう。
ただし、その強めなコントラストが有効に働く場面も。デジタルズーム8倍ではディテールがクッキリと。Zenfone 8はフォーカスを合わせずに撮影してしまったようで、シャープさにかけますね。拡大した状態で建物に再フォーカスすれば、Zenfone 7に近い画質を得られたと思います。しっかり撮れば8倍でもWEB素材に使えそうですね。
画質比較8:高解像度(6,400万画素)モードは画質が低下し易いので要注意
通常モードと高解像度(6,400万画素)モードの比較。私は以前から『出来るだけ高解像度モードでは撮影しない方が良い』とお伝えしています。その理由は画素サイズが小さくなる事で光の取得量が減り、結果的に画質が落ちるから。
Zenfone 8ではそれなりに修正がかかっていますが、Zenfone 7の比較をご覧いただけば、その差が顕著である事をご理解いただけるかと。どうしても高解像度で撮りたい時は、露出をやや高めに設定して手ブレに注意しながら撮影すると良いでしょう。逆に光が強すぎる場所では高解像度モードが有効となる場合も。裏技的な使い方ですが。
画質比較9:感動の夜景画質。ノイズが発生し易い空と雲の透明感が秀逸
昼間は綺麗に撮れても、夜景を撮ってガッカリさせられるスマートフォンは沢山あります。むしろそっちの方が多いような。それだけ夜景を美しく撮るというのは技術的に難しいのです。
Zenfone 7、Zenfone 8の場合はガッカリの真逆となる感動の夜景クオリティ。光源のとらえ方や建物のディテールは勿論、夜景で一番ノイズが目立つ空や雲の透明感が秀逸。
Zenfone 7は光学式手ブレ補正非搭載ですが、それでもZenfone 8と遜色の無い画質(地面に置いて手で端末を軽く抑えて撮っています)。ただし赤が強めですね。Zenfone 8は色味も適正で圧巻のクオリティ。筐体が小さいからこそ得られる大きな満足感。是非実際に撮ってみてほしい!
画質比較10:クリアな夜景画質を超広角カメラでも維持。
超広角カメラでもクリアな夜景画質を維持しているZenfone 7、Zenfone 8。比較7で述べている通り、超広角カメラは光の取得量が落ちるので低照度なシーンでは画質が劣化しがち。両端末の持つアルゴリズム解析力が優れていなければこのクオリティは出せません。
メインカメラはノイズが少ないというだけでなく、最後方の建物まで全体的にディテール表現が精細。たとえ低ノイズでも、解像が甘いとしまりの無いモヤっとした描写に仕上がってしまうのが夜景。両端末は低ノイズかつしっかりとディテールを残しているので、夜景を撮るのに適したカメラを搭載していると言えるのです。
Zenfone 7とZenfone 8のカメラにそこまで大きな画質差はありませんでしたが、小さな筐体でZenfone 7と同等に撮れるZenfone 8。スマートフォンではなく『カメラ』としてとらえれば、大きな物理的進化を遂げたと言えるでしょう。最新の小型ハイエンド。優れているのは処理能力だけではありませんでした!
ASUS Zenfone 8を購入すべきポイント
- SocにSnapdragon 888 5Gを搭載。圧倒的な処理能力により負荷の重い3Dゲームから編集作業までラクラクこなす。
- 重量を約230gから約169gに軽量化。片手持ちも容易なスリム設計。片手持ちに最適化した片手モード搭載。
- 1秒間に画面を切り替え可能な回数を示すリフレッシュレートは最大90Hzから120Hzに。流れる様な滑らか表示が可能に。
- ディスプレイのガラス素材には2mからの耐落下性能2m(通常は80cm程度)、前世代から耐擦傷性を最大2倍に高めたCorning® Gorilla® Glass Victus™を採用。
- ピーク輝度が700nit(HBM)から1,100nit(HBM)に向上。屋外など明るい場所でも画面に表示された情報が見やすい。
- ダークモード設定時に低消費電力効果を得られる有機ELパネルを採用。応答速度が液晶と比較して速いので動画鑑賞やゲームプレイにも最適。HDR 10+コンテンツの再生にも対応。
- 画面内指紋認証搭載。マスク着用時にもスタイリッシュに素早くロックを解除。
- ストレージにUFS3.1、メモリにLPDDR5といった高速規格を採用。アプリの起動やデータの読み書きがより速く。
- メインカメラのイメージセンサーにSONY IMX 686を使用。世界一有名な画像評価サイトDxOMarkにおいて写真スコア126の高評価を受ける。
- 4軸光学式手ブレ補正を搭載。光の少ない場所や動画の撮影時に大きな効力を発揮。
- Dirac HD Sound(音響補正技術)を採用したデュアルスピーカーがゲームプレイや動画鑑賞をとことん盛り上げる。
- CirrusLogic社のスマートアンプ『 CS35L45』を内蔵。広いダイナミックレンジ、深い低音、優れたバランス、低ノイズによる大音量を実現。オーディオプレーヤーとしての性能も秀逸。
- 最高水準となるIP68の防塵防水規格に準拠。お風呂スマホユーザーにもお勧め。
- FeliCaチップを搭載する事でおサイフケータイに対応。券売機に並ばずにSuicaやPASMOの定期券を発行する事も。
- docomo、Softbank、au、楽天モバイルにフル対応。SIMカードを2枚同時に使用するDual SIM運用(nano SIM×2)も可能。
- 高速通信ネットワーク5Gをサポート。回線が普及してからも機種変なくそのまま使える。
ASUS Zenfone 8の主な仕様
Zenfone 8 | |
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Soc | Qualcomm Snapdragon 888 5G(5nm)
|
容量 | 8GB/128GB、8GB/256GB、16GB/256GB
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電池 | 4,000mAh(最大30W(25分で60%充電完了) |
重量 | 169g |
画面 |
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カメラ |
リアカメラ
フロントカメラ
|
防水防塵 | IP68 |
オーディオ | デュアルスピーカー(Dirac)、スマートアンプ搭載 |
SIM | nano SIM×2スロット |
おサイフケータイ | 対応 |
OS | ZenUI 8(Android 11) |
Zenfone 8の対応周波数帯に関する情報
- 5G NR:n1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n20/n28/n38/n77/n78
- FDD-LTE:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B18/B19/B20/B26/B28
- TD-LTE:B34/B38/B39/B40/B41/B42
キャリアアグリゲーション :6CA(DL)/2CA(UL) 対応 - W-CDMA:B1/B2/B3/B4/B5/B6/B8/B19
- GSM/EDGE:850/900/1,800/1,900MHz)
docomoの周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band19(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)、Band n78(◎)、Band n79(×)
docomo回線が使えるお勧め格安SIM
Softbankの周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band8(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)
Softbank回線が使えるお勧め格安SIM
auの周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band18(◎)、Band41(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)、Band n78(◎)
au回線が使えるお勧め格安SIM
楽天モバイルの周波数帯対応状況
- 4G:Band3(◎)、Band18(パートナー回線)(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)