数年前まで、一定の料金で『データ通信し放題』を提供する格安SIM(MVNO)が複数存在していました。しかしどのサービスも評判が良いのは最初だけ。それはなぜだったのか。
MVNOは通信キャリアから帯域をレンタルしてサービスの提供を行っています。一度に通信出来るデータ量は通信キャリアと各MVNOの間で予め取り決められているので、同時に多くのユーザーが接続すると通信速度が著しく低下。
混雑時の速度を改善するには新たに設備投資を行うしかありません。つまりランニングコストが増えるということです。基本料金にある程度余裕を持たせていれば良いですが、ギリギリの場合は設備投資に予算を割く事が出来ません。
例えば『最大速度100Mbpsで高速通信使い放題』がキャッチコピーのサービスがあったとして、実際に使ってみたら『1Mbps』しか出ない。それだと多くのユーザーが『遅い』と感じて不満が続出しますよね。当時はそれが通常でした。
格安SIMが提供する『データ通信し放題』のイメージはどんどん低下。しかしその悪いイメージを払拭したのが『mineo』です。
同社が提供する月額385円(音声通話対応デュアルタイプ10GB以上は無料)のオプションサービス『パケット放題 Plus』は、データ通信がカウントされない『節約モード』設定時の速度を最大『1.5Mbps』にアップ(3日間で10GB以上通信した場合は速度が制限される場合あり)。
『最大1.5Mbps』という速度をユーザーが認識した上で申し込んでいるので、100Mbpsの高速通信が出来なくても全く問題なし。ユーザー数が安定するとコスト管理がしやすくなり、回線品質も向上。事実としてmineoは格安SIM満足度『1位』の称号を手にしています。
投稿が見つかりません。私は実際にmineoの『パケット放題 Plus』を使用中。『最大1.5Mbps』のはずなのに1.5Mbpsを下回る方が稀。通信開始直後に高速通信を行う『バースト転送』に対応しているも特徴の一つ。
では、1.5Mbps程度の速度では一体何が出来るのでしょうか。一般的なネットサーフィンやSNSの使用は問題なし。しかし多くの人が気になるのは恐らく『動画視聴』。動画視聴が出来なければ、そもそも『データ通信し放題』のオプションには申し込まないかと。
投稿が見つかりません。YouTubeが公表している推奨速度
動画の解像度 | 推奨される持続的な速度 |
---|---|
4K | 20 Mbps |
HD 1080p | 5 Mbps |
HD 720p | 2.5 Mbps |
SD 480p | 1.1 Mbps |
SD 360p | 0.7 Mbps |
YouTubeが公表している持続的な通信速度を参考にすると、1.5Mbpsだと『SD 480p』の解像度で視聴が可能。タブレットレベルの大画面になるとやや粗が目立ちますが、スマートフォン程度では問題なし。SD 480pの画質が良くわからないという人は、一度YouTubeの解像度を480pに切り替えて確認してみましょう。
480pの解像度で1時間動画を観た場合、どれくらいのデータ通信量が発生するのかと言えば『612MB』程度。2時間で1.2GB、2時間の視聴を二十日間続けたら24GB。YouTubeを頻繁に観る人が『パケット放題 Plus』を契約する価値は十分過ぎるほどありますね。
『ahamo』『LINEMO』『UQモバイル(くりこしプランM以上)』『ワイモバイル(シンプルM以上)』といった一部のMNOサービスでは、最大『1Mbps』の速度で速度制限時も通信が可能。mineoよりやや通信コストは割高になりますが、高速通信環境を求めていて動画もたっぷり観たいという人は、これらを選択肢に加えてみては!