スマートフォンのカメラには『イメージセンサー(撮影素子)』という光を電機信号に変換する為の半導体が使用されています。センサーサイズが大きくなると、一度に処理出来る光の幅(ダイナミックレンジ)が広がり、よりリアルな表現が可能に。
1枚の画像は画素(ピクセル)の集合体です。小さいセンサーで高解像度撮影すると、小さな画素を無理に詰め込むことになり画質は劣化。『高解像度=高画質』ではない理由はそこにあります。
高解像度撮影は『大きめなイメージセンサーの使用』が大前提。スマートフォンやパソコンのディスプレイでのプレビューが目的であれば、高解像度よりも『画素サイズの大きさ』を重視すべきです。ちなみに2Kは『約200万画素』、4Kは『約800万画素』、8Kは『約3,300万画素』。
最近は廉価なスマートフォンでも、『5,000万画素』程度の解像度に対応。しかし先述している通り、イメージセンサーの小さいスマートフォンは高解像度撮影に不向き。5,000万画素はあくまでスペック上の表記であり、通常撮影時は1,200万~1,250万画素が主流です。
通常撮影時は『ピクセル(画素)統合機能』が働き、複数の画素を『1画素』として認識。この機能により『高解像度』と『高画質』の使い分けが可能となっています。
では、イメージセンサーサイズの違いによってどういった画質の変化が起こるのか。撮るのが簡単そうで難しい『スマートフォン(Motorola edge 30 pro)』を複数端末で撮影(標準モード。補助ライトなし。自然光のみ)。センサーと画素のサイズはDevice info HWを参考にしています。
最初の4台は、スマートフォンで標準的なサイズのイメージセンサーを採用しています。フォーカスは中央のカメラレンズあたり。
光の量が十分な場合は、露出を無理に上げなくても暗い部分までしっかり描写されます。しかし『光が足りていない』とソフトウェアが判断すると、露出を高くするので暗い部分が不自然に明るく。OPPO Reno7 Aではそれが顕著に。
Redmi Note 11、AQUOS sense6は調暗表現が単調となり、質感も損なわれている印象。Pixel 6aは色情報の少なさが露呈。光を足せばもう少し画質を上げられるかもしれませんが、室内撮りの自然光ではこれが限界。
Motorola edge 20とXiaomi 11T Proは一回り大きめなイメージセンサーを搭載。このレベルになると『無理な補正』が少なくなり、ダイナミックレンジの広さを感じられるようになります。
Motorola edge 20はPixel 6a、Xiaomi 11T ProはRedmi Note 11の上位的な仕上がり。光の量が少ない低照度な場所ほど画質差は拡大します。
幅広い環境において、『リアルに近い表現豊か』な描写を得られるのが大きめなイメージセンサー搭載端末を購入するメリット。オーディオで言えば『ハイレゾ』と同じですね。後は作例をチェックすれば、かなり満足度の高いカメラスマホを見つけられるはず!