2022年7月2日(土)、KDDIにおいてVoLTE交換機の設備障害を理由とする大規模な通信障害が発生しました。完全復旧するまでにかかった時間は約86時間。日本全体を巻き込んだ大騒動となりました。
さらに2022年7月7日には、NTTドコモも一部で通信障害が発生。同社では2021年10月にも大規模な通信障害が発生しており、総務省から行政指導を受けています。
どの通信キャリアにおいても『今後絶対に通信障害を起こさない』というのは恐らく不可能。交通事故などと同じです。不測の事態を想定してトラブルを回避するなら、その為の『保険』が必要に。
最近のスマートフォンは殆どが『デュアルSIM』に対応。デュアルSIMとは2種類のSIMを1台のスマートフォンで利用する事を示します。つまり片方の通信回線が使えなくなっても、もう片方の回線で通話やデータ通信を行う事が可能。
今回はその『デュアルSIM』を行うまでの流れを、手順を追って解説します。
スマートフォンがデュアルSIMに対応しているかを調べる
使用しているスマートフォンがデュアルSIMに対応しているかどうかは、製品ページの『仕様』部分を見れば分かります。
XiaomiのRedmi Note 11(SIMフリー)を例にすると、仕様の『ネットワークと接続』部分に『デュアルnanoSIM』と書かれており、これはカードスロットにnanoSIMカードを2枚セット出来る事を意味します。つまりデュアルSIM対応です。
端末によっては、物理的なSIMカードと本体に内蔵されている『eSIM』を使用してデュアルSIMを行うことも可能です。
OPPO Reno7 A(SIMフリー版)はスペック(仕様)の『ネットワーク』に『nanoSIM+eSIM』との表記あり。つまり同端末は『nanoSIMカード+nanoSIMカード』『nanoSIMカード+eSIM』といった2通りの組み合わせに対応。自由度が高いと言えますね。
スマートフォンが対応している通信バンドを調べる
2022年7月現在、もっともつながりやすいのは『4Gバンド』です。各社が対応している通信バンドは下記の通り。
周波数は高いほど『速度』に優れ、低いほど広範囲で『繋がりやすい』というのが特徴。端末の対応バンドは製品ページの『仕様』部分に書かれています。
先程と同様にXiaomiのRedmi Note 11(SIMフリー)を例にすると、NTTドコモ、SoftBank、auのバンドにほぼ対応している事が分かります。通信キャリアが販売している端末は、対応バンドに隔たりがある場合があるので注意が必要です。
メイン回線の通信キャリアを調べる
すでにメイン回線は『開通している事』を前提とします。通信の保険を目的にサブ回線を選ぶのであれば、絶対に『同じ通信キャリアの回線』を選んではいけません。
『au』をメイン回線に使用していてサブ回線に『povo2.0』を選ぶと、どちらも同じ『au回線』なので、大規模障害が発生した時に保険としての機能を失う可能性が高いのです。
サブ回線用の通信業者を決める前に、メイン回線の通信キャリアが分からない場合はどこなのかを確認する必要あり。『設定』の中にあるSIMカード情報に記載が無かったら、『契約中のプランはどこの回線を使用してますか?』とサポートに問い合わせてみましょう。
自分にとって通信の保険がどの程度重要か。コストを含めて見極める
メイン回線で通信障害が起きると、サブ回線を導入している人はそちらに通信を切り替えるので、それにより帯域の混雑が予想されます。『MNO』は直接帯域(回線)を提供しているので、格安SIM(MVNO)と比較して緊急時の対応は早いかと。
月額のランニングコストを出来るだけ抑えつつ、保険としても使えるサブ回線を導入したいのであれば格安SIM。通信業者によって『通話用』『音楽鑑賞用』といった使い方が可能。お金を無駄にする事なく不測の事態に備えることも出来て一石二鳥です。
繰り返しになりますが、メイン回線とサブ回線は通信キャリアを分けなければ意味なし。メインがNTTドコモであれば、サブ回線は『Softbank』か『au』。Softbankであれば『NTTドコモ』か『au』です。
2022年7月9月時点で、楽天モバイルは広範囲で電波が届きやすい『プラチナ回線』に非対応となるので、保険としての利用目的からは外しておいた方が良いかも。
通信業者を選定する。保険として使えるお勧めなサブSIM5選
povo2.0
- 音声対応SIM基本料金:0円(税込)~
- 契約月の基本料金:無料
- 5分かけ放題:550円(税込)
- 無制限かけ放題(専用通話アプリ不要):1,650円(税込)
- 通話料金:22円/30秒
- データ容量:0GB~
- 翌月くりこし:非対応
- 5G:対応
- 低速切り替え:非対応
- eSIM:対応
- 通信回線:au
- 種類:MNO
- 公式サイト:https://povo.jp/
auのオンラインブランド『povo2.0』。必要に応じて使いたいサービスをトッピングする形式。基本料金『0円』で、通話と最低限の通信(最大128kbps)環境を維持する事が可能です。
MNOであり、さらにeSIMが使えるのもメリット。ただしSIMの有効化から180日間有料トッピングが無い場合は、順次利用が停止されるのでその点は注意。
LINEMO
- 音声対応SIM基本料金:990円(税込)~
- 契約月の基本料金:日割り
- 5分かけ放題:550円(税込)
- 無制限かけ放題(専用通話アプリ不要):1,650円(税込)
- 通話料金:22円/30秒
- データ容量:3GB~
- 翌月くりこし:非対応
- 5G:対応
- 低速切り替え:非対応
- eSIM:対応
- 通信回線:SoftBank
- 種類:MNO
- 公式サイト:https://www.linemo.jp/
Softbankのオンラインブランド『LINEMO』。LINEアプリを使用した『トーク』『音声通話』『ビデオ通話』のデータ消費がゼロになるので、日常的にLINEを多用している人であればデータ量の節約にも寄与します。LINEMOは頻繁にキャンペーンを行っているので、うまく活用して導入コストを下げましょう。
HISモバイル
- 音声対応SIM(自由自在290プラン)基本料金:290円(税込)~
- 基本料の課金:開通日から開始
- 5分かけ放題(VoLTE、VoLTE HD+対応):500円(税込)
- 無制限かけ放題(VoLTE、VoLTE HD+対応):1,480円(税込)
- 通話料金:9円/30秒
- データ容量:100MB~
- 翌月くりこし:非対応
- 5G:非対応
- 低速切り替え:非対応
- eSIM:非対応
- 通信回線:NTTドコモ
- 種類:MVNO
- 公式サイト:https://his-mobile.com/
2022年5月19日に通話に特化した『自由自在290プラン』を導入したHISモバイル。月のデータ量が100MB以内の場合は月額基本料金が『290円(税込)』に。
MVNOにしては珍しく、かけ放題が『VoLTE』『VoLTE HD+』に対応。5分かけ放題が『500円(税込)』と激安なので、通話専用SIMとして契約するのもアリかと。
OCNモバイルONE
- 音声対応SIM基本料金:550円(税込)~
- 契約月の基本料金:無料
- 通話料金:11円/30秒
- 10分かけ放題:935円(税込)
- 無制限かけ放題:1,430円(税込)
- データ容量:500MB~
- 翌月くりこし:対応
- 5G:対応(無料の5Gオプションに申し込み必要)
- 低速切り替え:対応
- eSIM:非対応
- 通信回線:NTTドコモ
- 種類:MVNO
- 公式サイト:https://www.ntt.com/personal/services/mobile/one.html
月額550円(税込)の『500MB/月コース』は『500MBのデータ通信』と『10分相当の無料通話』がセットになっています。他にも『MUSICカウントフリー』という無料オプション(契約後に申込み必要)に対応しており、対象音楽配信サービスが通信量ノーカウントとなるOCNモバイルONE。普段は音楽鑑賞用として利用出来る無駄の無い格安SIMです。
投稿が見つかりません。IIJmio
- 音声対応SIM(ギガプラン)基本料金:850円(税込)〜
- 契約月の基本料金:日割り
- 通話料金:11円/30秒
- 5分かけ放題:500円(税込)
- 10分かけ放題:700円(税込)
- 無制限かけ放題:1,400円(税込)
- データ容量:2GB~(ギガプラン)
- 翌月くりこし:対応(ギガプラン)
- 5G:対応(無料の5Gオプションに申し込み必要)
- 低速切り替え:対応(ギガプラン)
- eSIM:対応(NTTドコモ回線のみ)
- 通信回線:NTTドコモ、au
種類:MVNO - 公式サイト:https://www.iijmio.jp/
デュアルSIMに対応するスマートフォンを激安で新調したいという人にはIIJmio。他社からギガプラン(音声)に乗り換えの場合、信じられない安さでスマートフォンを購入する事が可能です。
また、データ通信がカウントされない低速(最大300kbps)でストリーミング音楽が聴けるのも同社の魅力。緊急時だけでなく、日常的に使えます。
スマートフォンは必要ない。出来るだけコストを抑えて必要時にデータ通信だけ行えれば良いという人には『データプランゼロ』。eSIMですが、月額料金は『165円(税込)』と破格です。
デュアルSIMのセットアップを行う
メーカーによって設定方法は若干異なりますが、大きな違いは無いので一度デュアルSIMのセットアップが出来れば他メーカーも容易に。eSIMの方が若干難易度は高めと感じるので、自信が無い人には物理SIM+物理SIMがお勧め。
下記の記事内でどちらの方法も説明しているので、よろしければ参考にしてみてください。