スマートフォンの標準機能となる『テザリング』。スマートフォンをモバイルルーターとして扱い、接続したパソコンやタブレットでインターネット通信を可能とします。
接続方法は『Wi-Fi』『Bluetooth』『USB』『イーサネット』と様々。この中で最も一般的なのは『Wi-Fi』です。メーカーによって名称は異なりますが、設定やクイックメニューからON/OFFが可能。
Pixel 6aであれば、『設定』→『ネットワークとインターネット』→『アクセスポイントとテザリング』→『Wi-Fiアクセスポイント』から『Wi-Fiアクセスポイントの使用』をONに。
手軽で便利なのは間違いなし。しかし難点となるのが『通信速度』です。Wi-Fiによるテザリングは基本的に『Wi-Fi 4(2.4GHz)』を使用。Pixel 6aが『5G』で高速通信を行える状態だとしても、テザリング先の端末では大幅に減速してしまいます。
名称 | 最大通信速度 | 周波数 |
Wi-Fi 6(IEEE802.11ax) | 9.6Gbps | 2.4GHz帯/5GHz帯 |
Wi-Fi 5(IEEE802.11ac) | 6.9Gbps | 5GHz帯 |
Wi-Fi 4(IEEE802.11n) | 600Mbps | 2.4GHz帯/5GHz帯 |
IEEE802.11a | 54Mbps | 5GHz帯 |
IEEE802.11g | 54Mbps | 2.4GHz帯 |
IEEE802.11b | 11Mbps | 2.4GHz帯 |
Wi-Fiには『4』以外に『Wi-Fi 5(5GHz帯)』『Wi-Fi 6(2.4GHz/5GHz帯)』といった上位規格が存在。Wi-Fi 4とは最大通信速度が大きく異なります。Wi-Fi 4の2.4GHz帯は通信速度が遅いだけでなく、電子レンジやBluetoothと電波干渉しやすいといった欠点も。
スマートフォンのテザリングを『5GHzやWi-Fi 5、Wi-Fi 6に対応させて欲しい!』と思いますよね。しかし日本ではそれが難しいんです。
日本には『電波の公平かつ能率的な利用確保』を目的とした『電波法』という法律が存在。電波法において『2.4GHz帯(2400-2497MHz)』は屋外での使用問題なしと定められています。
それが5GHz帯になると、5.2GHz(5150-5250MHz)は『条件の達成』が必要。5.3GHz帯(5250-5350MHGz)については『禁止』。5.6GHz帯(5470-5730MHz)のみが上空をのぞいて許可。
ちなみに5.2GHzの屋外利用を許可する条件が下記の通り(総務省より)。
- 5.2GHz帯高出力データ通信システムのアクセスポイント又は中継器(事前に総合通信局に「登録局」の手続が必要)
- 5.2GHz帯高出力データ通信システムのアクセスポイント又は中継器と通信する無線LAN端末(子機)
- 5.2GHz帯自動車内無線LAN
スマートフォンに適用させるのはハードル高めな印象。5.6GHz帯もほぼ非対応のようで、唯一見つけたauのLG it LGV36は『5GHz帯ご使用上の注意』というページが用意され、雁字搦めな状態。これならいっそ『5GHz非対応』とした方が安全です。
スマートフォンでテザリングする場合は、通信速度を犠牲にするしか無いのか。それは違います。パソコンを接続するのであれば『USBテザリング』が有効。必要なのはUSB Type-C×USB-Aケーブルのみと手軽です。
Pixel 6aでUSBテザリングを設定する方法(パソコンとケーブルで接続後)
『設定』→『ネットワークとインターネット』→『アクセスポイントとテザリング』→『USBテザリング』
スマートフォン同士なら『イーサネットテザリング』。USB Type-C→イーサネット変換アダプタ×2、LANケーブルと準備すべきモノは増えますが、通信速度を維持するならこの方法がベスト。
Pixel 6aでイーサネットテザリングを設定する方法(スマートフォン同士を接続後)
『設定』→『ネットワークとインターネット』→『アクセスポイントとテザリング』→『イーサネットテザリング』
パソコンもスマートフォンもタブレットも全て無線で繋ぎたいなら、スマートフォンと『Wi-Fiルーター』を直接接続(イーサネットテザリング使用)。
Wi-Fiルーターは屋内での利用を想定としているので、基本的には『Wi-Fi 4』『Wi-Fi 5』に対応。新しい機器だと『Wi-Fi 6』も使えます。『ポータブル電源に繋げて屋外で使う』といった方法は電波法違反になるので控えましょう。
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