10年前に『格安SIM』を利用していた人の多くは『安くて使いものにならない』というイメージを持っているはず。なぜなら、当時はまだ『4G』が普及しはじめたばかり。
3Gは帯域幅が最大『5MHz』だったのに対し、4Gではそれが最大『20MHz』に。帯域幅は道幅の様なもので、広い程多くの車(データ)を一度に送受信出来ます。
しかし総務省の資料を参考にすると、4G対応端末の契約者数割合が最大となったのは2016年~2017年ころ。当時は基地局の数も少なかったので、『格安SIMで安定した速度を維持する』のは極めて難しい状況にありました。
しかし基地局は増え続け、さらに2021年には総務省がデータ回線の貸出料引き下げを通信キャリア3社に要求。通信環境がある程度安定しただけでなく、『料金の引き下げ』まで行われたのが『今の格安SIM』です。
もっとも、一部の人口が密集している場所においては『パケ詰まり』と呼ばれる現象が起きており、一般的な利用に支障が出る程度まで通信速度が低下。これは今後5G(Sub6やミリ波)の更なる普及(帯域幅最大100Mhz~400MHz)で改善されると考えられています。
『パケ詰まり』は場所が限定的ですが、ユーザーの接続数がもっとも増える(通信速度が低下しやすい)時間帯は『平日のお昼』と基本的に共通。
私は『UQモバイル』『楽天モバイル』『LINEMO』『mineo』『OCNモバイルONE』『IIJmio』といった複数の回線を契約しており、これまで何度も通信速度の実測を行っています。
その中で『平日のお昼』に一番遅いのが『IIJmio』。同時間帯以外は50Mbpsを超える事が殆ですが、大体『1Mbps前半』まで低下。
50Mbpsから1Mbps台に通信速度が落ちると流石に驚きますが、『出来ない事』の方が実は限定的。
例えば『QRコード決済』『ブラウジング』『LINE(音声通話・メッセージ送受信)』『音楽を聴く(通常音質)』『動画を観る(SD画質)』『SNS』といった使い方は基本的に問題なし(画像の読み込みなどが若干遅れる場合はある)。
『大容量ファイルの送受信』『高解像度動画を観る』といったことは出来ませんが、そんなことをしたら月間データ容量が一気に消費されて通信速度制限に。つまり本来のスマートフォンの使い方であれば『大きな支障はきたさない』という事です。
IIJmioは『高速』『低速』の切り替えが出来て、低速時の最大速度が『300kbps』とやや速いのが特徴(通常最大128kbps)。『QRコード決済』『LINE(メッセージ送受信)』『音楽を聴く(節約)』程度のことは行なえます。
個人的には平日お昼の速度低下より、『低速時に最大300kbpsで通信出来る(3日間で366MB)』ことへの満足感の方が大きいですね。
回線は『ドコモ』『au』から選択可能。他社から乗り換えの場合は様々な『SIMフリースマートフォン』を破格(110円など)で購入出来るので、特典の利用を絶対にお忘れなく!
IIJmioについて
- 基本料金:850円(税込)~
- 契約月の基本料金:日割り
- 通話料金:11円/30秒
- 5分かけ放題:500円(税込)
- 10分かけ放題:700円(税込)
- 無制限かけ放題:1,400円(税込)
- データ容量:2GB~
- 翌月くりこし:対応
- 5G:対応(無料の5Gオプションに申し込み必要)
- 低速切り替え:対応
- 通信回線:NTTドコモ、au
- eSIM:対応
- eSIM設定方法(Android):https://www.iijmio.jp/hdd/esim/flow/android.html
- eSIM設定方法(iOS):https://www.iijmio.jp/hdd/esim/flow/iphone.html
- APN設定方法(Android/iOS):https://www.iijmio.jp/hdd/guide/apn.html
- 対応端末:https://www.iijmio.jp/hdd/devices/
- 公式HP:IIJmio
先述している通り、通信速度が1Mbps以上出ていれば大体のことが出来てしまいます。それはデバイスがパソコンではなくスマートフォンだから。
mineoの『マイそく(スタンダード)』は、月額990円(税込)支払えば最大『1.5Mbps』の通信速度でデータ通信し放題(3日間で10GBを超えると通信速度制限)。
普段『YouTubeで動画を頻繁に観る』という人には、是非『マイそく(スタンダード)』を一度試してほしい。スマートフォンの画面サイズに適した『480p』程度の解像度でたっぷり動画を観られます。
ネックとなるのは、『月~金曜日の午後0時~1時』の時間帯に通信速度が最大『32kbps』に制限されること。32kbps以下だとQRコード決済すらままなりません。『お昼ごはんを買えない』というのは困ります。
マイそく(スタンダード)の強い味方となるのが『PayPay』。PayPayは2023年7月20日『オフラインモード』に対応。通信出来ない状況においても『1回支払いの上限:5万円』まで支払えるように。
mineoは『ドコモ』『ソフトバンク』『au』の3回線から選択可能。『通信キャリアで購入したスマートフォンをそのまま使いたい』という人が安心して契約出来ます。
mineoについて
- 音声対応SIM基本料金:250円(税込)~
- 契約月の基本料金:日割り
- 通話料金:22円/30秒(無料通話アプリmineo電話を使うと10円/30秒、10分かけ放題時間超過後は11円/30秒)
- 10分かけ放題:550円(税込)
- 無制限かけ放題:1,210円(税込)
- データ容量:1GB~(マイピタ)
- 翌月くりこし:対応(マイピタ)
- 5G:対応(マイピタ)
- 低速切り替え:対応(マイピタ)
- 通信回線:NTTドコモ、SoftBank、au
- eSIM:対応(Aプラン、Dプラン)
- eSIM設定方法(Android):https://support.mineo.jp/setup/guide/esim.html
- eSIM設定方法(iOS):https://support.mineo.jp/setup/guide/ios_esim.html
- APN設定方法(Android):https://support.mineo.jp/manual/network_setup.html
- APN設定方法(iOS):https://support.mineo.jp/setup/guide/ios_network.html
- 公式サイト:mineo
『やはり格安SIMは怖い』『そこまでスマートフォンを使わない』という人にはSoftBankの『LINEMO』がイチオシ。これまで私が行った通信速度検証ではほぼ『最高速度』を記録。
LINEMOはSoftBankのオンラインブランドなので、一般的な格安SIMの様に『回線を借りている』といった状況ではありません。つまり『格安SIMは不安だけど月額料金を安くしたい』という人にぴったり。
LINEMOには月額990円(税込)の『ミニプラン(3GB)』が用意されており、格安SIM並みの安さでSoftBank回線を利用可能。安いだけでなく、対象となるLINEサービス利用時の通信がノーカウントになる『LINEギガフリー』に対応しているのもポイント。
SoftBankからの乗り換え候補として一番お勧めなのは、問答無用で『LINEMO』です。期間限定でお得なキャンペーンが開催されているので、検討している人はとりあえず公式HPをチェックしてみましょう。
LINEMOについて
- 音声対応SIM基本料金:990円(税込)~
- 契約月の基本料金:日割り
- 5分かけ放題:550円(税込)
- 無制限かけ放題:1,650円(税込)
- 通話料金:22円/30秒
- データ容量:3GB~
- 翌月くりこし:非対応
- 5G:対応
- 低速切り替え:非対応
- 通信回線:SoftBank
- eSIM設定方法(Android/iOS):https://www.linemo.jp/process/esim/
- APN設定方法(Android):https://www.linemo.jp/process/apn/android/
- APN設定方法(iOS):https://www.linemo.jp/process/apn/ios/
- 公式サイト:LINEMO