日本で発売される可能性が高いXiaomiの5G対応スマートフォン『Redmi Note 9T』。Socには日本でメジャーなQualcommではなく、MediaTekの『Dimensity 800U』が搭載されています。
MediaTekは2019年まで『Helio』と名付けられたSocをメインに製造しており、Helioは主にグローバルの低価格帯モデルに採用されていました。何度かHelio搭載モデルを使った事はありますが、Snapdragonと比較すると動きが不安定で、電池の持ちがあまり良くないイメージでした。
しかし、2020年後半に『Dimensity』に生まれ変わり、同様の噂を聞かなくなりました。それもそのはず。Helioでは最小で『12nm』だったプロセスサイズを、Dimensityでは一気に『7nm』まで縮小。Apple、Qualcomm、HiSiliconはモデルチェンジ毎に2~3nm程度のサイズダウン(毎回ではありませんが)を行なっているので、一気に『5nm』というのはその約2倍のペース。この強烈なサイズダウンによりMediaTekは一気に3社と肩を並べ、2020年第3四半期にはQualcommを抜き世界一のシェアを獲得するまでに急成長しました。
『Dimensity 800U』もプロセスサイズは『7nm』。今回はスマートフォンの性能をベンチマーク化してくれるAntutu Benchmarkを用いて、日本で大人気のSIMフリースマートフォンRedmi Note 9SとOPPO Reno3 Aとスコアを比較してみました。Redmi Note 9Sは『8nm』のSnapdragon 720G。OPPO Reno3 Aは『11nm』のSnapdragon 665を搭載。計測結果はプロセスサイズの与える影響を実証するものとなりました。
2回計測(2回連続では計測していません)を行い、どちらにおいてもスコアが一番高かったのは『Redmi Note 9T 5G』で『303448』『294328』。2番めが『Redmi Note 9S』で『277731』『280602』。そして大きく離されてOPPO Reno3 Aが『183110』『184077』というスコアを記録しています。
ここで注目なのが『MEM』のスコア。MEMはメモリとストレージの読み書き速度を元に算出されているスコアです。『Redmi Note 9T』は3モデル中唯一メモリが『4GB』。Redmi Note 9SとOPPO Reno3 Aには『6GB』のメモリが搭載されています。
メモリの規格は同じなので、通常であればRedmi Note 9Tのスコアはやや低い結果となるはず。しかし両モデルよりワンランクスコアが高いのは、ストレージの規格が『UFS2.2』だから。Redmi Note 9SとOPPO Reno3 Aは『UFS 2.1』です。ただし、UFS2.2を採用しているのは128GBモデルのみなので、購入の際には注意が必要です。
ちなみに、Redmi Note 9TとRedmi Note 9Sのストレージ読み書き速度をAndroBenchで計測した結果がコチラ。圧倒的な差が出ています。
もう一点気になる『電池のもち』についても検証。Antutu計測時、Youtubeを25分視聴した際に消費した電池量がコチラ。
Redmi Note 9T
- Antutu1回目:2%
- Antutu2回目:3%
- YouTube視聴(25分):3%
Redmi Note 9S
- Antutu1回目:4%
- Antutu2回目:4%
- YouTube視聴(25分):3%
OPPO Reno3 A
- Antutu1回目:2%
- Antutu2回目:3%
- YouTube視聴(25分):4%
私の中では『電池もち最強』という認識のRedmi Note 9Sより電力消費が少ないという驚きの結果に。電池もちに関しては測定内容がやや浅いので、battery lifeを用いて別途しっかり検証を行いたいと思います。
しかし安定感抜群のRedmi Note 9S(Snapdragon 720G)と比較してのこの素晴らしい計測結果。『Dimensity』はやはりHelioとは別物と化していました。7nmプロセスは伊達じゃないですね。そしてUFS2.2の高速処理がパフォーマンスをさらにアップ。これなら日本で発売しても高評価を得られるはず。後はどうイメージ戦略を立てていくかですね。