Amazon Music HDは、標準的なストリーミングサービスが提供している『10倍以上』とされるビットレートに対応。最大『24bit(ビット深度)/192kHz(サンプリングレート)』の超高解像度でスタジオレコーディングの精細な音のディテールを余すことなく再現。
このサービスがAmazonプライム会員ならたったの『月額880円(税込)』で利用出来るのだから信じられません。もっとお金をかけなければ聴く事が出来なかったハイレゾ音質が、より身近なものとなりました。
ただし殆どのスマートフォンでAmazon Music HDを聴こうとすると、SRC(Sampling Rate Converter)が働き最大『24bit/48kHz』にダウンサンプリングされてしまいます。
音質を決める上で最も重要な『ビット深度』は、分割されたデータ1つ1つに割り当て可能な容量を示す数値。ビット深度が高くなると、その分1秒間に送受信可能なデータ量を示す『ビットレート』が上がります。情報量が増える事で音に抑揚が増し、心を動かすクオリティに。
『サンプリングレート』はアナログデータを1秒間にどれだけ細分化してデジタルに変換しているか。パソコンやスマートフォンでおなじみのフレームレートに例えてみましょう。
『30fps』の場合は1秒間に30枚の画像を使って動きを表現。それが『60fps』になると60枚に増えて動きがより滑らかに。つまりビッド深度とサンプリングレートが上がるほど『生音』に近づくという事です。
Androidに対応するDAP(デジタルオーディオプレーヤー)はSRCを回避出来る場合が多いようです。ただしお値段がそれなりなので手軽とは言えません。
今回は手軽にSRCを回避して、『24bit/48kHz』以上の解像度でAmazon Music HDを聴く方法を紹介したいと思います!
Amazon Music HDの設定を最高音質に変更する
黄色で『SD』『HD』『ULTRA HD』などと書かれている箇所をタップしてください。
右上の●が縦に3つ並んだアイコンからストリーミング品質の設定をタップ。『利用可能な最高音質』を選びます。モバイルデータはデータ量が膨大になるので『標準』のままで良いかもしれません。
続けて『ダウンロード品質の設定』も同じく『再生可能な最高音質』を選択。これでオンライン、オフライン環境のどちらも最高音質に。
スマートフォンを利用してSRCを解除する方法
USB DACを使用する
スマートフォンの充電ポート部分に接続するタイプの『USB DAC』。廉価なものでもSRCを回避する事が可能。手持ちのUSB DAC(千円程度)を経由すると、サンプリングレートが『48kHz』から『96kHz』に上がります。
データをダウンロードしてから再生する
USB DACを使用するやり方は有線接続限定。Bluetoothで音楽を聴いている人にとっては有効ではありません。Amazon Music HDは1曲単位、もしくはプレイリストごとにデータをダウンロードする事が可能。
ダウンロードしてから再生すれば、高いサンプリングレートを維持。ダウンロードした曲を再生するには『ライブラリ』から『プレイリスト』『楽曲』『アーティスト』『アルバム』のいずれかを開き、『ダウンロード済み』を選択すれば一覧が表示されます。
Fireタブレットを利用してSRCを解除する方法
Fireタブレットの場合は最初からSRCが作動しません。『24bit/96kHz』の音源であればそのまま『24bit/96kHz』で出力されます。最廉価なFire 7でもその点は同じ。
イヤフォンジャックを備えるので有線で聴く事も出来ますが、格安ながら高音質Bluetoothコーデック『LDAC』をサポートしているのもFireタブレットの特徴。こういったちょっとしたところで差別化を図っているAmazon。売り方がうまいですね。
SRCを回避してBluetoothで聴くならLDACかSnapdragon Sound
Bluetoothの高音質コーデックと言えば『LDAC』。そしてQualcommの技術を集結させて誕生した『Snapdragon Sound』も『24bit/96kHz』に対応しています。
一般的なBluetoothコーデックとなる『SBC』や『AAC』は『16bit/48kHz』なので、Amazon Music HDでSRCを回避して聴くには正直役不足。音質に拘るなら『LDAC』か『Snapdragon Sound』に対応するイヤフォンやヘッドフォンをセレクトしましょう(スマートフォン側が対応しているかは要確認)!
LDACに対応するスマートフォン・イヤフォン・ヘッドフォン一覧
イヤフォン
- radius HP-R300BT
- 1MORE EVO
- SONY WF-1000XM4
- Anker Soundcore Liberty 2 Pro
- Anker Soundcore Liberty Air 2 Pro
- Panasonic EAH-AZ60-K
- EDIFIER NeoBuds Pro