Amazonは2023年5月23日、Fireタブレットの最上位モデルとなる『Fire Max 11』をリリースしました。私が同デバイスを購入したのは6月半ば。それから5ヶ月程度経過したので、今回は実際に使った上で感じた『メリット』『デメリット』を紹介していきたいと思います。
Fire Max 11を5ヶ月使用して感じた7つのメリット
歴代最高性能のFireタブレット。高負荷時にも電池の減りは緩やか
ブラウジングやSNSといった一般的な使い方において、データの演算処理を行っているのが『CPU』。
Fire HD 10(2023)のCPU構成は『2 x A76@2.05GHz、6x A55@2.0GHz』。周波数的にはFire Max 11に近いですが、主力のbigコアは2018年モデルの『A76』を採用。
Fire Max 11のCPU構成は『2xA78@2.2GHz + 6xA55@2GHz』。bigコアは2020年モデルの『A78』。最新では無いですが、A76の後継となるA77から電力効率が約20%向上。つまりFire HD 10(2023)よりも高負荷処理を低消費電力で行えるということ。
AnTuTu Benchmarkテスト時もほぼ発熱せず、電池の減りはわずか。 CPUのスコアに関しては、Redmi Padなど人気タブレットが搭載する『Helio G99』を上回ります。
分割表示して2画面で色々やっていても、所有するFire HD 10 Plus(第11 世代)と比較してFire Max 11は電池の減りが緩やかな。動作にも余裕を感じます。
パームリジェクションや筆圧検知に対応する高性能専用スタイラスペンを激安で買える
Fire Max 11には専用のスタイラスペンが用意されています。『4,980円(税込)』という低価格ながら、『4,096段階の筆圧検知』『+/-45度までの傾き検知』や『パームリジェクション(手などペン以外が画面に触れても反応しない機能)』に対応と高性能。
ちなみにApple Pencil(USB-C)は、販売価格『12,880円(税込)』ながら筆圧検知に非対応。
ペンで紙に何かを書く時『紙に触れない』というのはほぼ不可能。Fire Max 11で『紙に書いている様な感覚』を味わえるのは、パームリジェクションありきです。
アプリの数が少ないので選択肢は限られますが、MicrosoftのOneNoteがFire Max 11に対応。ブラウザ経由でGoogle Keepも利用可能。
ちなみにスタイラスペン使用時はタッチ感度(タッチサンプリングレート)が上がるので、絵を描いたりメモをとる以外にも日常的に活躍してくれます。
投稿が見つかりません。どこに書いてもOK!文字入力が自由で楽ちん
Fire Max 11は、『Write to Type』というスタイラスペンで書いた文字を自動変換する機能を搭載しています。
入力状態にしてから適当な場所に文字を書くと、その内容が自動的に文字データに変換され入力。ブラウザで検索ワードを入力する時、メモアプリで文字を入力する時など幅広く対応するのもポイント。
文字入力アプリ『Gboad』でも手書き入力が可能ですが、Fireタブレットはデフォルトの状態でGboadに非対応。また、Gboadの場合は文字を入力するフィールドが決まっているのに対し、Write to Typeはどこに書いてもOK。
自由でありつつ認証精度も良好。『何て書いているか読めない』レベルの走り書きでもしっかり文章化してくれます。
Fireタブレットだと気づかせない高級感溢れるアルミニウム堅牢ボディ
使う場所が『家の中』に限定されるなら、見た目や耐久性よりも性能と価格を優先すべき。
Fire Max 11はFireタブレット史上もっとも高性能というだけでなく、『もっとも見た目が美しい』のも特徴。サイドフレームと背面にはアルミニウム素材を使用。他モデルには無い高級感が漂い、所有欲を満たしてくれます。
公式情報によると、Fire Max 11に使われているアルミニウム素材は見た目に優れるだけでなく、iPad 10.9 (第10世代)と比較して『3倍の耐久性を持つ』とのこと。軽く叩いてみると確かに頑丈そうな音がしました。
置き場所を選ばない大画面スマートディスプレイ
『Showモード』というスマートディスプレイ化機能を搭載するFire Max 11。音質はEcho Showシリーズが勝りますが、同シリーズはコンセントから電源をとるので移動範囲が限定的。
Fire Max 11はモバイルバッテリー駆動だから置き場所が自由自在。8インチサイズのFire HD 8もShowモードに対応していますが、見やすいのは当然11インチのFire Max 11。
Showモードに設定したFire Max 11は、Alexaによる『音声操作』が可能。『ニュース表示して』『明日の天気教えて』『今日の予定教えて(Googleカレンダーと同期可)』『YouTube開いて』など話しかければ臨機応変に対応。キーボードで長文を入力している最中に活躍してくれます。
指紋認証を使える唯一のFireタブレット
人によってはFireタブレット最大の弱点となる『ロック解除』。Fire Max 11以外のモデルでは『PINコード』『パスワード』しか使えません。顔認証にも非対応です。
スマートフォンは『指紋認証』『顔認証』が基本。PINコードの入力すら煩わしいと感じる人が殆どのはず。私もその一人です。外出先に持ち運ばないと決めているデバイスに関しては、解除が面倒なのでロックの設定を行っていません。
Fire Max 11は、Fireタブレット史上初となる『指紋認証』を採用。標準的な機能なので大きな感動はありませんが、ロックをかけてどこにでも安心して持ち運べるようになったのは間違いなし。認証精度も悪く無いです。
フルHD解像度で著作権保護のかかった動画をミラーリング出来る
おおよそのAndroidタブレットは『Miracast(ミラキャスト)』に非対応。著作権保護のかかったAmazonプライムビデオやNetflixの動画を外部ディスプレイに出力することが出来ません。
Fireタブレットも非対応モデルが多かったのですが、『Fire HD 8(2022)』『Fire HD 8 Plus(2022)』がMiracastをサポート。ただし解像度は『HD』に限定され、大画面への出力では粗さがやや目立ちました。
Fire Max 11もMiracastに対応しており、こちらは大画面でも実用的な『フルHD』解像度。40インチのテレビに出力しても鮮明な画質を得られます。ストリーミング動画をMicro SDカードにダウンロードして、旅先のテレビ観るのに最適です。
Fire Max 11を5ヶ月使用して感じた2つのデメリット
アプリの数が少なすぎる
Fire Max 11が採用しているOSは、Androidをベースにした『Fire OS』。ストアに用意されているアプリの数は、Google Playと比較にならないほど少ないです。
せっかく性能がアップしているのに、使えるアプリが少ないというのはとても残念。私は裏技を使ってGoogle Playを導入していますが、そうでもしない限りはパフォーマンスを持て余すことになるかもしれません。
長時間手に持って使用するのは厳しい重さ
Fire Max 11の重量は『約490g』。一般的なスマートフォン2台分を超える程度の重さ。フリップ型のケースを装着すると、それなりにズッシリ。片手で長時間持ち続けるのは軽い筋トレ状態。はっきり言って疲れます。
もっとも、『11インチ』は持ちやすさより『観やすさ』に重点を置いた画面サイズ。軽さを重視するなら『約282g』のFire HD 8を購入した方が良いということになるでしょう。
Fire Max 11、Xiaomi Redmi Pad、OPPO Pad Airのスペックを比較
端末名 | Fire Max 11 | Fire HD 10 Plus | Xiaomi Redmi Pad |
ディスプレイ | 画面サイズ:11インチ リフレッシュレート:不明 最大輝度:不明 色深度:不明 |
画面サイズ:10.1インチ リフレッシュレート:不明 最大輝度:不明 色深度:不明 |
画面サイズ:10.61インチ リフレッシュレート:90Hz 最大輝度:400nit 色深度:10bit |
解像度(Pixel) | 2,000×1,200 | 1,920×1,200 | 2,000×1,200 |
重量 | 約490g | 約468g | 約445g |
サイズ | 259×164×7.5mm | 247×166×9.2mm | 250×158×7.1mm |
メモリ | 4GB | 4GB | 3GB、4GB |
ストレージ | 64GB、128GB | 32GB、64GB | 64GB、128GB |
Soc | 【MediaTek MT8188J】 CPU:Arm Cortex-A78(最大2.2GHz)×2、Arm Cortex A55(最大2GHz)×6 GPU:ARM Mali-G57 MC2@950MHz |
【MediaTek MT8183】 CPU:Arm Cortex-A73(最大2GHz)×4、Arm Cortex A53(最大2GHz)×4 GPU:Mali-G72 MP3@800MHz |
【MediaTek Helio G99】 CPU:Arm Cortex-A76(最大2.2GHz)×2、Arm Cortex A55(最大2GHz)×6 GPU:Mali-G57 MC2 |
カメラ | フロントカメラ:800万画素 リアカメラ:800万画素 |
フロントカメラ:200万画素 リアカメラ:500万画素 |
フロントカメラ:800万画素 リアカメラ:800万画素 |
スピーカー | デュアルステレオスピーカー | デュアルステレオスピーカー | クアッドステレオスピーカー |
Dolby Atmos | 対応 | 対応 | 対応 |
電池 | 7,500mAh | 6,500mAh | 8,000mAh |
充電 | 有線:最大15W | 有線:非公開、無線:最大15W | 有線:最大18W |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n/ac/ax | 802.11a/b/g/n/ac | 802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 5.3 BLE | 5.0 LE | 5.3 |
認証 | 指紋認証 | – | 顔認証 |
Micro SDカード | 対応(1TBまで) | 対応(1TBまで) | 対応(1TBまで) |
認定(純正)スタイラスペン | あり | なし | なし |
純正キーボードカバー | あり | あり | なし |
OS | Fire OS 8 | Fire OS 7 | Android(MIUI for Pad) |
直販価格 | 64GB:34,980円 128GB:39,980円 |
32GB:22,980円 | 64GB:39,800円 128GB:44,800円 |
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