Motorola(モトローラ)は2023年7月6日、日本市場に向けて『Motorola edge 40』をリリースしました。『ルナブルー』『イクリプスブラック』の2色展開。直販価格は8GB/256GBモデルが『64,800円(税込)』。
Motorola edge 40はSocにMediaTek社の『Dimensity 8020』を搭載。ミドルクラスの上位に位置づけられるスマートフォンです。上位モデルには採用されていなかった『防塵防水(IP68)』『おサイフケータイ(FeliCa)』機能を新たに備えることで、日本ユーザーがより買いやすい端末に。
既存モデルとなる『Motorola edge 20』『Motorola edge 30 Pro』とスペックを比較して、どういった『進化』『後退』があるのかを確認していきましょう。
Motorola edge 20、Motorola edge 40、Motorola edge 30 Proの主なスペック
※右にスクロール可
モデル名 | Motorola edge 20 | Motorola edge 40 | Motorola edge 30 Pro |
Soc | Snapdragon 778G 5G | Dimensity 8020 | Snapdragon 8 Gen 1 |
容量 |
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メモリ規格 | LPDDR4X | LPDDR4X | LPDDR5 |
ストレージ規格 | UFS(バージョン不明) | UFS 3.1 | UFS 3.1 |
電池 | 4,000mAh | 4,400mAh | 4,800mAh |
充電 | 有線:最大30W | 有線:最大68W 無線:15W |
有線:最大68W 無線:最大値不明 |
重量 | 約163g | 約167g(ブルー)/約171g(ブラック) | 約196g |
サイズ |
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画面 |
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カメラ |
リアカメラ
フロントカメラ
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リアカメラ
フロントカメラ
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リアカメラ
フロントカメラ
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防水防塵 | IP52 | IP68 | IP52 |
Bluetooth | 5.2 | 5.2 | 5.2 |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac/ax | 802.11 a/b/g/n/ac/ax | 802.11 a/b/g/n/ac/ax |
オーディオ | シングルスピーカー | ステレオスピーカー(Dolby Atmos) | ステレオスピーカー(Dolby Atmos) |
SIM | nano SIM×2スロット | nano SIM+eSIM | nano SIM×2スロット |
Ready For | 対応(ワイヤレス/PC) | 対応(ワイヤレス/PC) | 対応(HDMI/ワイヤレス/PC) |
おサイフケータイ | 非対応 | 対応 | 非対応 |
直販価格 | 54,800円 | 64,800円 | 86,801円 |
直販価格は1万円程度の値上げ
直販価格は54,800円(税込)から『64,801円(税込)』へと1万円程度値上げ。Motorola edge 40では価格に見合ったアップデートが行われているのか。
SocはSnapdragonからDimensityへ
スマートフォンの処理能力を決めるSocは、Qualcomm社のSnapdragon 778G 5GからMediaTek社の『Dimensity 8020』に変更。
Dimensity 8020のCPU(Arm Cortex-A78@2.6GHz×4、Arm Cortex A55@2GHz×4)、GPU(Arm Mali-G77MC9)は2021年にリリースされたDimensity 1100と同じ構成。
異なる部分としては、AI処理を行うAPUを3.0から『570』に刷新。APU 570を活用することで、『ノイズリダクション』『露出調整』『物体追跡(オブジェクトトラッキング)』などを強化しています。
DimensityはSnapdragonと比較して画像処理能力がやや弱めの印象。Motorolaに関してはソフトウェアがある程度調整しているイメージなので、APU 570が局所で画質をどこまで高められているかに注目です。
CPUは大きく変わらず。GPU性能が向上
AnTuTu Benchmark(Ver.9)のパフォーマンスランキングを参考にすると、Dimensity 1100を搭載するPOCO X3 GTのトータルスコアは『671,170(CPU:160,854、GPU:234,182、MEM:128,207、UX:147,927)』。
Motorola edge 20(Snapdragon 778G 5G)の実測値は『537,234(CPU:161,422、GPU:155,383、MEM:90,959、UX:129,470)』。
脳となるCPU性能はほぼ変わりませんが、3Dゲームなどのグラフィック処理に影響を与えるGPUの値がアップ。日本発売モデルで言えば、全体的にDimensity 1200 Ultraを搭載する『Xiaomi 11T』に近いですね。
もっとも、3Dゲームを快適にプレイするのであればSnapdragon 8+ Gen 1程度のGPU性能が必要。Motorola edge 20よりはプレイ環境が向上するのは間違いないですが、ゲーム目当てで購入する端末ではありません。
Motorola edge 30 Proと同じイメージセンサー採用か。レンズはF1.4まで大口径化
メインカメラの解像度が1億800万画素から『5,000万画素』に下がっていますが、画質にもっとも影響を与えるのは解像度ではなく『イメージセンサーのサイズ』です。
Motorola edge 40のイメージセンサーサイズは『非公表』となっていますが、信用度の高いメディアgsmarena.comによると、Motorola edge 30 Proと同じ『1.55インチ』サイズのOmniVision OV50Aを採用。
レンズ(メインカメラ)のF値は『1.4』。F値は数字が小さくなるほど大口径化し、その分光量がアップ。F1.4は間違いなく『明るい』部類のレンズ。
大口径レンズは被写界深度が浅く、背景が大きくボケるのも特徴。F1.9のMotorola edge 20とは明確に異なる描写を見せてくれるでしょう。
投稿が見つかりません。オートフォーカスは最上位モデルと同じ『全方位型PDAF』。手ブレ補正も物理的な『光学式』とぬかりなし(edge 20では望遠レンズのみ光学式)。望遠カメラは非搭載となりましたが、その分メインカメラに力を入れたイメージ。個人的にはアリですね。
ディスプレイは6.55インチに小型化。フラットからエッジ型へ
有機ELディスプレイは6.7インチから6.55インチにサイズダウン。形状はフラットからカーブ(エッジ)型に変更されています。Motorola edge 20では、厚めなガラスフィルムを貼っているであろう一部ユーザーから『タッチ感度が悪い』との不満が漏れていました。
私はMotorola edge 20に薄めのTPUフィルムを貼っていますが、『タッチ感度が悪い』と感じた事は一度もありません(むしろ良い)。Motorola edge 40はカーブディスプレイなので、自ずとTPUフィルムを選ぶ人が増えそうですね。
輝度に関しては『ピーク輝度』のみの記載(1,200nit)。ピーク輝度が示すのはあくまで『一部の明るさ』。全体の明るさは『最大輝度』です。
投稿が見つかりません。色深度は10bitから『8bit』に。これは表示色が『約10億色』から『約1,677万色』に減った事を意味します。私はMotorola edge 20のキメ細かい表示が好きなので、ここはやや残念なポイント。
最大68Wの超急速充電。ワイヤレスにも対応
電池容量を4,000mAhから『4,400mAh』に増やしつつ、充電速度(有線)は最大30Wから『68W』に高速化(しかも充電器付属)。加えてワイヤレス(最大15W)にも対応と、充電まわりを速度と利便性の両面からアップグレード。
スピーカーはシングルからデュアル(ステレオ)仕様へ
極めて完成度の高い前モデル(Motorola edge 20)ですが、なぜかスピーカーは『シングル』でした。Motorola edge 40では『デュアル(ステレオ)スピーカー』を採用。立体音響効果『Dolby Atmos』もサポートと、弱点をしっかり克服。
電池を増量しつつ軽量路線は維持
重量はアルミ素材のルナブルーが『約167g』。ヴィーガンレザーのイクリプスブラックは『約171g』。Motorola edge 40は電池を容量していますが、ディスプレイサイズを削ったことで、前モデルの軽量路線(約163g)を大きく逸脱することはありませんでした。
Ready Forのレスポンス向上に期待
個人的にかなり気に入っているデスクトップ機能『Ready For』の採用も継続。Motorola edge 20ではやや動作が『モッサリ』していたので、Motorola edge 40ではMotorola edge 30 Pro並みのレスポンスを期待。
投稿が見つかりません。ThinkShield® Moto Secureが情報を保護
パソコンでおなじみのセキュリティ機能『ThinkShield®』によりマルチウェアやフィッシングといった脅威から情報をしっかりと保護。さらに機密性を高める『シークレットフォルダ』の作成も可能です。
ここでMotorola edge 20からのアップグレードとダウングレード(Motorola edge 40)内容をまとめてみましょう。
Motorola edge 20からのアップグレード(Motorola edge 40)
- GPU性能の向上
- 明るいレンズ(F1.4)使用
- 光学式手ブレ補正&全方位型PDAF採用(メインカメラ)
- 電池増量(4,400mAh)
- 有線充電高速化(最大68W)
- ワイヤレス充電(最大15W)対応
- デュアルスピーカー(Dolby Atmos)搭載
- メモリ及びストレージ増量(8GB/256GB)
- おサイフケータイ(FeliCa)対応
- 最高水準の防塵防水性能(IP68)
- ThinkShield® Moto Secureで機密を高め情報を守る
Motorola edge 20からのダウングレード(Motorola edge 40)
- ディスプレイ小型化(6.55インチ)
- 色深度低下(8bit)
- 望遠カメラ非搭載
- 直販価格値上げ(64,801円)
- 厚みが増した(0.5mm程度)
- 重くなった(最大8g)
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