Googleが2022年10月13日に発売を開始した最上位モデル『Pixel 7 Pro』。発売後にもっとも大きな話題となっているのが、AI技術を駆使した『超解像ズーム』。光学5倍とデジタルズームを融合し、最大倍率は『30倍』。
通常30倍までズームアップすると、何が写っているのか分からないレベルに画質が劣化します。そもそも『30倍』を選ぶことすら出来ない端末が殆ど。
今回はPixel 7 Proが持つ超解像ズームの実力を検証すべく、ケンコー・トキナーの『光学8倍望遠レンズ(3千円程度)』を装着した同社のPixel 6aと撮り比べを行いました!

まずは最大倍率でどこまで鮮明に写せるのか。Pixel 6aは32倍(光学8倍×デジタルズーム4倍)で撮影。画像は全て拡大表示可能です。

【Google Pixel 7 Proの望遠カメラで撮影(通常モード)】F値:3.5、シ ャッタースピード:1/290、ISO:19、焦点距離:19.00mm(+望遠レンズ) 拡大率:30倍(超解像ズーム)

【Google Pixel 6aのメインカメラで撮影(通常モード)】F値:1.7、シ ャッタースピード:1/1376、ISO:49、焦点距離:4.38mm(+望遠レンズ) 拡大率:32倍(望遠レンズ8倍×超解像ズーム4倍)
高倍率に優れるGalaxyの上位モデルや、Pixel 7 Proで撮影した事がある人でなければ、これを『30倍で撮っている』と言って信じてもらえないかもしれません。 後ろの標識に書かれている『歩行者優先』をギリギリ読めそう。
Pixel 6aも望遠レンズと超解像の相性も抜群。物理的に焦点距離が長くなるのでPixel 7 Proと比較して背景はボケやすくなります。

【Google Pixel 7 Proの望遠カメラで撮影(通常モード)】F値:3.5、シ ャッタースピード:1/278、ISO:21、焦点距離:19.00mm(+望遠レンズ) 拡大率:30倍(超解像ズーム)

【Google Pixel 6aのメインカメラで撮影(通常モード)】F値:1.7、シ ャッタースピード:1/1799、ISO:66、焦点距離:4.38mm(+望遠レンズ) 拡大率:32倍(望遠レンズ8倍×超解像ズーム4倍)
一見Pixel 7 Proの方がシャープ。ただし拡大してみると解像が落ちてディテールが崩れて絵の様に。30倍なのである意味当然か。Pixel 6aは8倍までが物理ズームなので、32倍の拡大率においても細かい部分まで写真らしさを残しています。

【Google Pixel 7 Proの望遠カメラで撮影(通常モード)】F値:3.5、シ ャッタースピード:1/233、ISO:31、焦点距離:19.00mm(+望遠レンズ) 拡大率:30倍(超解像ズーム)

【Google Pixel 6aのメインカメラで撮影(通常モード)】F値:1.7、シ ャッタースピード:1/425、ISO:50、焦点距離:4.38mm(+望遠レンズ) 拡大率:32倍(望遠レンズ8倍×超解像ズーム4倍)
ディテールが極端に細かくなければ、30倍でも『実用』を感じさせるPixel 7 Proの仕上がり。そしてその画質を凌駕するPixel 6aの32倍ズーム。3千円程度の安い小型望遠レンズでこれだけ撮れたら御の字。コスパ高すぎです。続けて倍率を『8倍』に変更して撮影。

【Google Pixel 7 Proの望遠カメラで撮影(通常モード)】F値:3.5、シ ャッタースピード:1/122、ISO:17、焦点距離:19.00mm(+望遠レンズ) 拡大率:8倍(超解像ズーム)
30倍であのクオリティだったので、Pixel 7 Proの8倍ズームが『常用』である事は撮る前から予想がつきます。前ボケを入れて遠近感をプラス。Pixel 6aは物理的なズームのみ。離れた場所にある被写体でもボケ味を活かせるのが望遠レンズの特徴です。

【Google Pixel 7 Proの望遠カメラで撮影(通常モード)】F値:3.5、シ ャッタースピード:1/82、ISO:43、焦点距離:19.00mm(+望遠レンズ) 拡大率:8倍(超解像ズーム)
Pixel 7 Proは広範囲にピントが合っているのに対し、Pixel 6 Proは前方と後方のどちらにもボケが発生。どちらの描写に魅力を感じるかですね。2倍程度の望遠レンズであれば、焦点距離が大きく変わらないのでボケは弱くなります。ただしデジタルズームの依存率が上がるので、高倍率時の画質は低下するでしょう。

【Google Pixel 7 Proの望遠カメラで撮影(通常モード)】F値:3.5、シ ャッタースピード:1/227、ISO:17、焦点距離:19.00mm(+望遠レンズ) 拡大率:8倍(超解像ズーム)
8倍の高倍率でも質感を保つPixel 7 Pro。信じられません。通常倍率が上がるほど手ブレし易くなるのですが、Pixelシリーズは光学式手ブレ補正の精度が秀逸(Pixel 7 Proでは特に強化されている印象。
Pixel 7、Pixel 7 Proには撮影後に『ボケ補正』を行う機能も備えられており、まさに至れりつくせり(購入当初同機能が表示されなかったのですが、寝て起きたら使えるようになっていました)。補正機能はPixel 7シリーズ以外で撮影した画像にも適用可能。


【Google Pixel 7 Proの望遠カメラで撮影(通常モード)】F値:3.5、シ ャッタースピード:1/270、ISO:15、焦点距離:19.00mm(+望遠レンズ) 拡大率:8倍(超解像ズーム)
8倍でも『綺麗に撮れる』と十二分に分かったPixel 7 Pro。望遠レンズを使用したPixel 6aの様なボケを加えたい時には、編集ツールにある『ポートレートのぼかし』が有効(被写体によってはうまく機能しません)。Googleのデジタル処理は全体的に精度高め。折角Pixelを買ったなら、編集機能をどんどん使わなければ勿体ない!
望遠レンズの装着は、あくまで『望遠カメラを備えないPixel 6a』だからこそ意味のあるもの。30倍までそこそこの画質を得られるPixel 7 Proに付けるのはやや無粋。Pixel 6aはPixel 7 Proの半額以下で買えるので、購入コストを抑えつつ望遠撮影したい人には『Pixel 6a+望遠レンズ』の組み合わせをお勧めします。



Pixel 7、Pixel 7 Proの主要スペック
Pixel 7 | Pixel 7 Pro | |
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Soc | Google Tensor G2 | Google Tensor G2 |
容量 |
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電池 | 4,355mAh(有線充電:最大21W 無線充電:最大20W) | 5,000mAh(有線充電:最大23W 無線充電:最大20W) |
重量 | 197g | 212g |
画面 |
|
|
カメラ | メイン(広角)カメラ
超広角カメラ
フロントカメラ
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メイン(広角)カメラ
超広角カメラ
望遠カメラ
フロントカメラ
|
防水防塵 | IP68 | IP68 |
オーディオ |
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|
防水防塵 | IP68 | IP68 |
Bluetooth | 5.2 | 5.2 |
Wi-Fi | Wi-Fi 6(802.11ax): 2.4 GHz + 5 GHz、HE160、MIMO | Wi-Fi 6(802.11ax): 2.4 GHz + 5 GHz、HE160、MIMO |
おサイフケータイ | 対応 | 対応 |
SIM | nano SIM+eSIM | nano SIM+eSIM |
Google Pixel 6aの主な仕様
Google Pixel 6a | |
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Soc | Google Tensor
Titan M2™ セキュリティ コプロセッサ |
容量 |
|
電池 | 4,410mAh(最大18W充電) |
重量 | 178g |
画面 |
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カメラ | メインカメラ
超広角カメラ
フロントカメラ
|
防水防塵 | IP67 |
オーディオ |
|
おサイフケータイ | 対応 |
SIM | nano SIM+eSIM |