通信キャリアがしのぎを削り合っている『5G』。先発のドコモ、SoftBank、auは4Gからの『周波数転用』という技を使えます。しかし最後発の楽天モバイルは、提供されている4G用の周波数帯(バンド)が『1.7GHz』のみ。そもそも転用が出来ません。
この部分を『マイナス』として捉える必要はなし。なぜなら4Gの周波数帯を5Gに転用(NR化)しても、アンテナピクトが『5G』に変わるだけだからです。最大帯域幅は『20MHz』のまま。5Gと表示されているのに通信速度がイマイチな場合は、まず『4Gからの転用』を疑いましょう。
5G用の周波数帯となる『Sub6(6GHz未満)』では、帯域幅が20MHzから『100MHz』に。道路の幅が広くなり、沢山の車が一度に高速移動出来るイメージ。さらに周波数が高いミリ波では、帯域幅が『400MHz』まで広がります。
これが何を意味するかと言えば、『ドコモ』『SoftBank』『au』は、アンテナピクトだけ見ても『4Gからの転用』『Sub6』『ミリ波』の区別がつきません。楽天モバイルの場合は先述している通り4Gからの転用が出来ないので、基本的に『Sub6(3.8~3.9GHz)』か『ミリ波(27.0~27.4GHz)』。
auのエリアマップには『5G NR化』という項目が含まれます。これが『4G転用』のエリアです。
対して楽天モバイルのエリアマップは『ミリ波』『Sub6』の2種類のみ。
まずは『4G』の人口カバー率を上げることが急務であった楽天モバイルですが、2022年10月時点で達成率が『98%』まで上昇。その流れで人口の多い地域を中心に5Gエリアも徐々に拡大(2024年3月末までの5Gサービス拡大予定エリアはコチラから)。郊外でも飛び地的に使える場所がチラホラ。
私の家の近所もいつの間にか『楽天5G』に該当していたので、早速行ってみました。エリア内に到着してから『5G』に切り替わるまで2~3分程度。通信速度を実測した結果がコチラ。
これまで楽天回線の『4G』で通信速度を実測しても、100Mbpsを超えた事はありませんでした。他社の『5G』も、転用(5G NR化)エリアでは100Mbpsを下回る場合が多いです。それがいきなり下り200Mbps付近。
楽天回線が5Gに切り替わった場所は、やや大きめなマンションの真ん前でした。つまり入居者は家にいながら『楽天5Gを使える』可能性が高いのです。『4Gが入る』ではメリットとして弱いですが、『5G(楽天回線)が入る』は2023年3月時点でかなり羨ましい状況。
5Gの高周波は直進性が強いため、安定して電波を届けるには4Gと比較してより多くの基地局を設置する必要があります。プラチナバンドの獲得と平行して、スピーディーに5Gエリアを広げていけるかが楽天モバイルの命運を握るでしょう。
楽天モバイルについて
- 音声対応SIM基本料金:1,078円(税込)~
- 契約月の基本料金:日割りなし
- 通話料金:22円/30秒(電話回線)、0円(Rakuten Link使用)
- 15分かけ放題(電話回線):1,100円(税込)
- 無制限かけ放題(Rakuten Link使用):0円(税込)
- データ容量:3GB~
- 翌月くりこし:非対応
- 5G:対応
- 低速切り替え:非対応
- 通信回線:楽天、au(パートナー回線)
- eSIM設定方法(Android):https://network.mobile.rakuten.co.jp/faq/detail/00001374/
- eSIM設定方法(iOS):https://network.mobile.rakuten.co.jp/guide/setting/ios/
- APN設定方法(楽天モバイルで購入した端末):https://network.mobile.rakuten.co.jp/guide/setting/
- APN設定方法(楽天モバイル以外で購入した端末):https://network.mobile.rakuten.co.jp/faq/detail/00001495/?l-id=guide_faq
- 公式サイト:楽天モバイル
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