Googleが日本市場において、Pixel 7 Proの発売を開始したのが2022年10月13日。そこから約1年後の10月4日に、いよいよPixel 8 Proがリリースされます。
私はPixel 7 Proを所有していますが、特に拘りが強い人でなければもはや『文句の無い出来栄え』と言って良いでしょう。『ディスプレイ』『高倍率時のカメラ画質』に関しては、特に大きな進化を実感。
ただし『改善すべき点が何も無いか?』と言われたらそうではありません。今回はPixel 7 Proを実際に使用した上で、『ココがこうなればもっと良くなる』と感じた『3点』を解説していきたいと思います。
1つめは『スピーカーの音』。最上位モデルなので、さすがにモノラル(シングル)ではなくステレオ仕様。そこまでは良いのですが、『高音』『低音』のメリハリがなく、音声もどちらかと言えば聞こえづらい印象。
物理的に限界のあるスマートフォンスピーカーなので、高音質を求めすぎるのは恐らく間違い。しかし他のハイエンドと比較して、『もう少し頑張れないかな』と感じてしまったのは事実。
Xiaomi 11T Pro、Xiaomi 12T Proはオーディオブランド『Harman Kardon』の監修を受けており、その恩恵が実際音に表れていました。Zenfone 9は小型ながらスマートスピーカーアンプ(WSA8835)を搭載し、さらに音声補正技術『Dirac HD Sound』まで導入。
所詮スマートフォンのスピーカーではありますが、各メーカー『少しでも音を良くしよう』と拘っているのです。スピーカーの音質が上がれば、最上位モデルとしての優位性が更に高まると思いますね。
2つめは『静止画の解像』。これはパソコンのディスプレイ(フルHD解像度)に表示する程度だと、恐らく気にならないレベル。パソコンどころかスマートフォンの画面で完結している人も多いと思うので、あくまで拘りの領域です。
以前『2億画素』をサポートするXiaomi 12T Proと、Pixel 7 Proで撮り比べを行いました。広めの景色を撮影して一部をトリミングしてみると、Pixel 7 Proの画像に著しい劣化を確認。
パソコンやスマートフォンのディスプレイではなく、『100インチの4Kディスプレイ』や『大きめなポスター』ではその粗が目立ちやすくなります。言ってしまえば『リアリティが足りない』ということ。Pixel 8 Proのカメラでは、Pixel 7 Proに足りなかった『リアル』が追求されているのでしょうか。
3つめは『3Dゲームプレイ時のフレームレート』。Pixel 7 ProはGoogle独自Soc『Tensor G2』を搭載しています。一般的な使い方であれば申し分のない処理能力ですが、原神の様に負荷の重い3Dゲームプレイ時には、限界が垣間見える場面も。
フレームレートとは1秒間に何コマで表示しているかを示す数値で、コマ数が落ちるほど『カクカク』した動きに。Pixel 7 Proで原神を『グラフィック:最高』『60fps』に設定してプレイしたところ、開始から5分と持たずしてフレームレートが低下。
どのスマートフォンでプレイしても同じ状況なのであれば、それは『ゲームの負荷が重すぎる』ということになります。しかしXiaomi 12T Proは10分を超えても60fps近いフレームレートを維持。これは電力効率(発熱)の部分でPixel 7 Pro(Tensor G2)に改善すべき点があることを意味します。
もっともPixel 8 Proに採用予定の『Tensor G3』に、Snapdragon 8 Gen 2と同等の性能を求めたら、コストが跳ね上がって『売れる価格』を維持出来なくなる可能性大。目指すならNothing Phone(2)が搭載しているSnapdragon 8+ gen 1の低クロック版あたり。性能的にはそれで十分です。
信用度の高いメディアANDROID AUTHORITYが、『Tensor G3』の主な構成を下記の通りリークしています。
CPU
Tensor G3 (zuma) | Tensor G2 (gs201) | Tensor (gs101) | |
Big cores | 1x Cortex-X3 @ 3.0GHz | 2x Cortex-X1 @ 2.85GHz | 2x Cortex-X1 @ 2.8GHz |
Mid cores | 4x Cortex-A715 @ 2.45GHz | 2x Cortex-A78 @ 2.3GHz | 2x Cortex-A76 @ 2.25GHz |
Little cores | 4x Cortex-A510 @ 2.15GHz | 4x Cortex-A55 @ 1.8GHz | 4x Cortex-A55 @ 1.8GHz |
GPU
Tensor G3 (zuma) | Tensor G2 (gs201) | Tensor (gs101) | |
GPU Core Model | Mali-G715 (Immortalis) | Mali-G710 | Mali-G78 |
Core Count | 10 | 7 | 20 |
Frequency (shaders) | 890MHz | 848MHz | 848MHz |
CPUはビッグコアの数を1つに減らし、クロック周波数を3.0GHzに高めています。ビッグコアを減らした分ミドルコアを2つから4つに倍増させ、クロック周波数も2.3GHzから2.45GHzに。高効率駆動のリトルコアは、周波数1.8GHzから2.15GHzに向上。
記事が見つかりませんでした。
Tensor G2では『二人の強い大将』を主力として扱っていたのに対し、Tsnsor G3では『中堅』に主力を移し、大将は要所で活躍といった方式に転換(先日キングダム2を観たので例えがそっちより)。
GPUはコア数を10に増やしつつ、周波数を『890MHz』に高めています。『レイトレーシング』にも対応と、順当なアップグレードが行われているのは間違いなし。
しかし一番ネックとなるのは『歩留まり(良品)率』。有力メディア9to5Googleなどの情報によると、Tensor G3の製造はSamsungが担当してプロセスサイズは『4nm』。
SamsungはQualcommのSnapdragon 8 Gen 1(4nm)製造時に、歩留まり率の低さを露呈。最終的に台湾のTSMCに生産を切り替えられたという黒歴史を持ちます。
ところがHi Investment & Securitiesのレポートによると、2023年時点でSamsungは4nmの歩留まり率を実用レベルの『75%』まで高めたとのこと。それが事実であれば、Tsnsor G3には『期待しても良い』と言えるでしょう。
スマートフォンの性能を決めるのは『Soc』です。よってTensor G3の歩留まり率がPixel 8 Proの明暗を分けるのは間違いなし。最後の命運を握るのは『Samsung』ということですね。
Pixel 7、Pixel 7 Proの主要スペック
Pixel 7 | Pixel 7 Pro | |
---|---|---|
Soc | Google Tensor G2 | Google Tensor G2 |
容量 |
|
|
電池 | 4,355mAh(有線充電:最大21W 無線充電:最大20W) | 5,000mAh(有線充電:最大23W 無線充電:最大20W) |
重量 | 197g | 212g |
画面 |
|
|
カメラ | メイン(広角)カメラ
超広角カメラ
フロントカメラ
|
メイン(広角)カメラ
超広角カメラ
望遠カメラ
フロントカメラ
|
防水防塵 | IP68 | IP68 |
オーディオ |
|
|
防水防塵 | IP68 | IP68 |
Bluetooth | 5.2 | 5.2 |
Wi-Fi | Wi-Fi 6(802.11ax): 2.4 GHz + 5 GHz、HE160、MIMO | Wi-Fi 6(802.11ax): 2.4 GHz + 5 GHz、HE160、MIMO |
おサイフケータイ | 対応 | 対応 |
SIM | nano SIM+eSIM | nano SIM+eSIM |
Google Pixel 7 Proにお勧めなSIM
- 5G Sub-6: 対応バンド n1 / 2 / 3 / 5 / 7 / 8 / 12 / 14 / 20 / 25 / 28 / 30 / 38 / 40 / 41 / 48 / 66 / 71 / 77 / 78
- 5G mmWave: 対応バンド n257 / n258 / n260 / n261
- LTE: 対応バンド B1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 7 / 8 / 12 / 13 / 14 / 17 / 18 / 19 / 20 / 25 / 26 / 28 / 29 / 30 / 38 / 39 / 40 / 41 / 42 / 46 / 48 / 66 / 71
- UMTS / HSPA+ / HSDPA: 対応バンド 1 / 2 / 4 / 5 / 6 / 8 / 19
- GSM / EDGE クアッドバンド(850、900、1,800、1,900 MHz)
docomoの周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band19(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)、Band n78(◎)、Band n79(×)、Band n257(◎)
docomo回線が使えるお勧め格安SIM
Softbankの周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band8(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)、Band n257(◎)
Softbank回線が使えるお勧め格安SIM
auの周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band18(◎)、Band41(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)、Band n78(◎)、Band n257(◎)
au回線が使えるお勧め格安SIM
楽天モバイルの周波数帯対応状況
- 4G:Band3(◎)、Band18(パートナー回線)(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)、Band n257(◎)
楽天回線が使えるお勧め格安SIM
Googleに関連する記事
一覧はコチラから