Pixel 9、9 Proでも大幅性能アップは厳しそう。開くライバルとの差。自社Soc『Tensor』に未来はあるのか

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Googleの自社開発Soc『Tensor』がライバル比較で周回遅れ気味に

Googleは2023年10月12日、最新スマートフォン『Pixel 8』『Pixel 8 Pro』をリリース。両端末は、Googleが独自に開発を行った第3世代のSoc『Tensor G3』を搭載しています。

Socにはデータの演算処理を行う『CPU』、グラフィック処理をメインで担当する『GPU』が集積。『出来るだけ高性能なスマートフォンが欲しい』のであれば、最重視すべきはSocです。

Pixel 8』『Pixel 8 Pro』がリリースされる直前まで、Tensor G3には大きな期待が集まっていました。一番期待されていたのが、Pixelシリーズの弱点とされていた『ゲーム性能』。

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GPUにはArmの最上位モデル『Immortalis-G715』採用との噂でしたが、実際は下位モデルの『Mali-G715(NOTEBOOKCHECKによると7コアのG715MP7)』。

もっとも、Mali-G715の性能が特別低いというわけではなく、Pixel 8のAnTuTu Benchmark(Ver.10)トータルスコアは100万程度まで上昇。GPUのスコアも前世代比較で10万近く伸びています。

Pixel 7 Proの処理能力

Pixel 7 Pro(Tensor G2)をAnTuTu Benchmark(Ver.10.0.7)で実測(左から1回目、2回目、3回目)

Pixel 8の処理能力

Pixel 8(Tensor G2)をAnTuTu Benchmark(Ver.10.0.7)で実測(左から1回目、2回目、3回目)

しかし負荷の重いゲームプレイ時に重要なのは、『瞬発力』ではなく『持久力』です。AnTuTu Benchmarkで1回目こそ100万近いスコアを記録するも、『2回目』『3回目』は70万台に急落。これは『持久力が足りない』ことを示します。

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原神(画質:最高、60FPS)プレイ時にも持久力の無さは顕著に表れ、フレームレートが安定せず。Snapdragon 8+ Gen 1、Snapdragon 8 Gen 2搭載モデルとの間にあいた溝は、Tensor G3でも埋めることは出来ませんでした。

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歴代Tensorの構成を見ていくと、『2年』周期で大きめなアップデートが行われています。Tensor からTensor G2にかけてはあくまで『微調整』。この流れが踏襲されるなら、Tensor G4に過度な期待をすべきでは無いでしょう。

CPU

Tensor G3 (zuma)Tensor G2 (gs201)Tensor (gs101)
Big cores1x Cortex-X3 @ 2.91GHz2x Cortex-X1 @ 2.85GHz2x Cortex-X1 @ 2.8GHz
Mid cores4x Cortex-A715 @ 2.37GHz2x Cortex-A78 @ 2.3GHz2x Cortex-A76 @ 2.25GHz
Little cores4x Cortex-A510 @ 1.70GHz4x Cortex-A55 @ 1.8GHz4x Cortex-A55 @ 1.8GHz

GPU

Tensor G3 (zuma)Tensor G2 (gs201)Tensor (gs101)
GPU Core ModelMali-G715Mali-G710Mali-G78
Core Count7(NOTEBOOKCHECKより)720
Frequency (shaders)不明848MHz848MHz
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韓国メディアの報道によると、Tensor G4の製造は引き続き『Samsung』が担当。プロセスサイズは『4nm』と変わらず、Tensor G3の『SF4』から『SF4P』に変更とのこと。電力効率が若干改善される可能性はありますが、『別モデルの様な進化』は期待しない方が良いでしょう。

Pixelシリーズと言えば『AI』ですが、この部分においても雲行きが怪しい状況に。Pixelは負荷の重いAI処理を『クラウド』に頼ったのに対し、Qualcommの『Snapdragon 8 Gen 3』はデバイス上で『生成AI』をサポート。

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AnTuTu Benchmarkのトータルスコアは遂に『2倍』程度まで拡大。最大のウリにしている『AI』でも大きく差を広げられたら、いよいよ『自社開発Soc』に黄色信号が灯るかもしれません。少なくとも『10万超え』で販売するのは難しくなるかと。

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Pixel 8、Pixel 8 Proの主要スペック

Pixel 8Pixel 8 Pro
SocGoogle Tensor G3Google Tensor G3
容量
  • 8GB:128GB
  • 8GB:256GB
  • 12GB/128GB
  • 12GB/256GB
  • 12GB/512GB
電池4,575mAh(有線充電:最大27W 無線充電:最大18W)5,050mAh(有線充電:最大30W 無線充電:最大23W)
重量187g213g
画面
  • サイズ:6.2インチ
  • タイプ:有機EL
  • 解像度:FHD+
  • 最大リフレッシュレート:120Hz
  • HDR:対応
  • コントラスト比較:1,000,000:1
  • 最大輝度:1,400nit
  • 素材:Corning® Gorilla® Glass Victus™
  • 常時表示:対応
  • サイズ:6.7インチ
  • タイプ:有機EL(LTPO)
  • 解像度:QHD+
  • 最大リフレッシュレート:120Hz
  • HDR:対応
  • コントラスト比較:1,000,000:1
  • 最大輝度:1,600nit
  • 素材:Corning® Gorilla® Glass Victus™2
  • 常時表示:対応
カメラメイン(広角)カメラ

  • 解像度:5,000万画素
  • F値:1.68
  • 視野:82度
  • 画素幅:1.2µm
  • イメージセンサーサイズ:1/1.31 インチ
  • 手ブレ補正:光学式、電子式
  • 超解像ズーム:8倍

超広角カメラ

  • 解像度:1,200万画素
  • 画角:水平114度
  • F値:2.2
  • 画素幅:1.25µm
  • レンズ補正:対応
  • オートフォーカス:対応

フロントカメラ

  • 解像度:1,050万画素
  • F値:2.2
  • 画角:水平95度
  • 画素幅:1.22µm
メイン(広角)カメラ

  • 解像度:5,000万画素
  • F値:1.68
  • 視野:82度
  • 画素幅:1.2µm
  • イメージセンサーサイズ:1/1.31 インチ
  • 手ブレ補正:光学式、電子式

超広角カメラ

  • 解像度:4,800万画素
  • 画角:水平125.5度
  • F値:1.95
  • 画素幅:0.8µm
  • レンズ補正:対応

望遠カメラ

  • 解像度:4,800万画素
  • F値:2.8
  • 画素サイズ:0.7µm
  • 倍率:光学5倍
  • 超解像ズーム:30倍
    手ブレ補正:光学式、電子式

フロントカメラ

  • 解像度:1,050万画素
  • F値:2.2
  • 画角:水平95度
  • ピクセル幅:1.22µm
防水防塵IP68IP68
オーディオ
  • スピーカー:ステレオ
  • ハイレゾ:対応
  • 空間オーディオ:対応
  • スピーカー:ステレオ
  • ハイレゾ:対応
  • 空間オーディオ:対応
Bluetooth5.35.3
Wi-FiWi-Fi 6E(802.11ax): 2.4 GHz + 5 GHz + 6 GHz、2×2+2×2 MIMOWi-Fi 6E(802.11ax): 2.4 GHz + 5 GHz + 6 GHz、2×2+2×2 MIMO
おサイフケータイ対応対応
SIM nano SIM+eSIMnano SIM+eSIM

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瀬名 勇斗
運営者
サラリーマン時代は『製品開発(モバイルガジェット関連)』『広告(パッケージ及び説明書など)デザイン』『ディレクション』『マーケティング』『コピーライティング』などに従事。一つの製品に深く関わる事が好きで、開発から行っているメーカーに勤務していました。

ガジェット好きが高じて、一時は日本で発売されていないスマートフォンを海外から輸入。『Xiaomi』『OPPO』に関しては、日本参入前からフリークに。

元々写真を撮るのが趣味で、スマートフォンで撮影した作例を記事内に多数掲載。端末の性能を知りつつ、楽しんでいただければ幸いです。
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