2023年10月4日(水)日本時間午後11時から、Googleは年に一度のハードウェアお披露目イベント『Made by Google』を開始。同イベントはMade by GoogleのYouTube公式チャンネルにおいて、ライブ配信が行われます。
Made by Google内では最新スマートフォン『Pixel 8』『Pixel 8 Pro』が登場。リリースを目前に控えた今回は、『Pixel 8』『Pixel 8 Pro』のどこに注目すべきかを解説していきます。
Pixel 8、Pixel 8 Pro共通の注目ポイント
Tensor G3(CPU・GPU)がどういった構成になっているか
Pixel 8、Pixel 8 ProのSocには『Tensor G3』が搭載予定。Googleは2021年から独自Soc『Tensor』の採用を開始しました。Tensor G3はTensor G2に次ぐ3代目。
@thisistechtodayがPixel 8 Proの実機を使ってリークした情報によると、CPUの大幅性能アップはほぼ確定。ビックコアがリーク通り、Snapdragon 8 Gen 2、Dimensity 9200(9200+)に使われている『Cortex-X3』なのか。ミドルコアは2コアから4コアに増えているか等が注目ポイント。
そしてGPUは『Mali-G715』『Immortalis-G715』どちらを採用しているのか。Mali-G715は重要部分のレンダリングを最適化し、電力効率とパフォーマンスを高める『可変レートシェーディング』に対応。
Immortalis-G715はMali-G715の上位モデル。可変レートシェーディングに加え、ハードウェアベースの『レイトレーシング(光線を追跡してより現実に近い光の屈折や反射を実現する技術)』をサポート。より没入感の高いゲームプレイ環境を実現しています。
Mali-G715も高性能なGPUであることは間違いないですが、Immortalis-G715が採用されれば、Tensor G3はVivo X90 Pro、OPPO Find X6が搭載する『Dimensity 9200』と近い構成に(しかもCPUのミドルコアは1コア多い)。はたしてどちらなのか。
メインカメラのイメージセンサーとF値。HDR(低照度、夜景)画質
少し古いリーク情報によれば、『Pixel 8』『Pixel 8 Pro』のメインカメラはイメージセンサーがSamsung ISOCELL GN1(1/1.31インチ)から『ISOCELL GN2(1/1.12インチ)』に変更されるとのことでした。
イメージセンサーの大型化は、扱える光の量が増えて低照度における画質が向上したり、ダイナミックレンジが広がって質感が豊かになるといったメリットを生みます。ISOCELL GN2が採用されていれば、それは間違いなくサプライズ。
ただしそうなると製造コストが上昇。結果的に販売価格が跳ね上がります。コストを抑えつつ低照度画質を引き上げるなら、レンズの大口径化やソフトウェア(AI)の処理能力を引き上げる方が効果的。
Googleは機械学習に特化した『TPU(Tensor Processing Unit)』の開発に力を入れており、Tensor G3でも性能が大幅に性能が向上するのは既定路線。
加えて最新リーク情報によるとメインカメラのレンズはF1.85から『F1.68』に大口径化。イメージセンサーに変更が無かった場合は、『レンズのF値がどうなっているか』『HDR(夜景や低照度)画質が向上しているか』に注目してみましょう。
高負荷時にハイパフォーマンスが維持されているかどうか
これはメーカーが公表するスペックからはおおよそ知る事が出来ない部分です(メーカーによっては実測して公表)。AnTuTu Benchmark測定時の『温度上昇』『電池の減り』がどの程度か、原神(画質最高、60FPS)を長時間プレイして、高いフレームレートを維持出来ているかが一般的な評価ポイント。
Tensorを搭載する『Pixel 6a』で原神(画質最高、60FPS)をプレイすると、60FPSを出すことがそもそも難しく、全体的にフレームレートがかなり不安定。
『Pixel 7 Pro(Tensor G2)』では60FPSを出せるようになりましたが、プレイ時間が長くなると発熱によりフレームレートが低下。筐体サイズが大きくなるとその分熱の管理はしやすくなるので、スマートフォン(Pixel Fold含まず)においてはこれがTensor G2の限界といったところでしょう。
Tensor G3でGPUの電力効率が『Snapdragon 8+ Gen 1』『Snapdragon 8 Gen 2』並みに改善されれば、原神(画質最高、60FPS)を60FPS程度で継続的にプレイ出来るはず。Pixelはゲームデバイスとしても実用レベルに到達するのか。
Pixel 8 Proの注目ポイント
超広角カメラのイメージセンサーとF値
91mobiles、@Za_Raczkeの最新情報を参考にすると、Pixel 8 Proの超広角カメラは総画素数が1,200万画素から『4,800』画素に。これはイメージセンサーの刷新を意味します。
ただし画素ピッチが『0.8μm』に留まっていることから、メイン(広角)カメラ同様の大型センサー採用は想定しづらいです。ピクセル統合機能に対応することを前提として、画素ピッチを算出すると『1.6μm』。Pixel 7 Proの1.25 μmから0.35μm広くなります。
画素ピッチに加えてレンズもF2.2から『1.95』に大口径化。これは超広角カメラにおいてもある程度『明るく撮れるようになる』ということ。実際の画質にどういった変化をもたらしているのかを含め、超広角カメラは『イメージセンサー』『レンズのF値』に要注目です。
望遠カメラのF値
91mobilesの情報を元にすると、望遠カメラのF値は3.5から『2.8』に。これはiPhone 15 Pro Maxの望遠カメラ(光学5倍)と同じF値。大口径化は光の取得量を増やすと共に、背景のボケ味を大きくします。
光の取得量が増えると、ノイズの発生を抑えられるだけでなく短いシャッタースピードで撮影が可能に。望遠カメラは広角、超広角と比較して圧倒的に『手ブレ』を起こしやすいので、レンズ大口径化による恩恵は大。
Pixel 8の注目ポイント
販売価格
@Za_Raczkeが公開した画像を参考にすると、Pixel 8はPixel 7から100ドル値上げ(599ドル→699ドル)。Googleのドルレートが不明なので、一概に『この程度の価格になる』とは言えない状況。
Tensor G3の性能が大幅に向上しているなら、値上げは致し方ないというのが個人的な見解。しかしPixel 8 Proとの価格差が極端に縮まるようなら、上位モデルに流れる人が増えるでしょうね。
Pixel 7、Pixel 7 Proの主要スペック
Pixel 7 | Pixel 7 Pro | |
---|---|---|
Soc | Google Tensor G2 | Google Tensor G2 |
容量 |
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電池 | 4,355mAh(有線充電:最大21W 無線充電:最大20W) | 5,000mAh(有線充電:最大23W 無線充電:最大20W) |
重量 | 197g | 212g |
画面 |
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カメラ | メイン(広角)カメラ
超広角カメラ
フロントカメラ
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メイン(広角)カメラ
超広角カメラ
望遠カメラ
フロントカメラ
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防水防塵 | IP68 | IP68 |
オーディオ |
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防水防塵 | IP68 | IP68 |
Bluetooth | 5.2 | 5.2 |
Wi-Fi | Wi-Fi 6(802.11ax): 2.4 GHz + 5 GHz、HE160、MIMO | Wi-Fi 6(802.11ax): 2.4 GHz + 5 GHz、HE160、MIMO |
おサイフケータイ | 対応 | 対応 |
SIM | nano SIM+eSIM | nano SIM+eSIM |
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