大手テクノロジーメーカーXiaomi(シャオミ)は2023年10月19日(木)、日本市場において『Redmi 12 5G(オープンマーケット版)』の発売を開始しました。直販価格は4GB/128GBモデルが『29,800円(税込)』。物価高が止まらない2023年においてはかなりの安値。
廉価モデルですが、背面は樹脂ではなく光沢のある『ガラス』素材。所有している『スカイブルー』に関して言えば、男女問わず馴染みやすい雰囲気。特殊な加工がされているわけでは無いので、カバー無しの状態だと指紋がそれなりに目立ちます。
スマートフォンの処理能力を決めるのは、CPUやGPUが集積される『Soc』です。価格が安いスマートフォンは、Soc性能低めな場合が殆ど。一般的なデータ演算処理を行う『CPU』性能が低すぎると、『安物買いの銭失い』になりかねないので要注意。
調理場を例にすると『シェフ』の役割を果すCPU。シェフの腕が悪いと、料理が出てくるまでに時間がかかります。スマートフォンではこれが『モッサリした動き』に直結。
CPU性能は、『AnTuTu Benchmark』『Geekbench 6』といったアプリを使用すると簡単に調べる事が出来ます。実際にRedmi 12 5Gでテストを行ったところ、上位モデルとなる『Redmi Note 11 Pro 5G(Snapdragon 695 5G)』に近いCPUスコアを記録。
ゲームや動画撮影に影響を与える『GPU』性能は低めなので、それらを目的にこの端末を購入する事はお勧め出来ません。ただし『ブラウジング』『スケジュール管理』『メール送受信』『SNS』といった一般的な使い方であれば、廉価ながら比較的スムーズに動作します。
CPUが『シェフ』なら、メモリは『まな板』です。メモリの容量が増えると、その分一度に調理可能なスペースが拡大。ヘビーユーザーはマルチタスク(複数のアプリを同時に立ち上げるなど)での利用機会が多いと思うので、メモリ容量はある程度重視すべき(6GB以上推奨)。
Redmi 12 5Gはメモリ容量が『4GB』なので、ヘビーな使い方には不向きです(2023年12月8日に8GB/256GBモデルを追加投入)。ただし『メモリ増設』という機能を備えており、ストレージの一部(1GB~4GB)をメモリに代用することが可能。
ストレージはメモリほど速度が早く無いので、単純に『メモリが増設される』のとは勝手が異なります。ただしメモリ使用率が100%を超えて端末がフリーズするといったことは回避出来るので、動作環境を安定させるという意味では有効です(ちなみに私は2.0GBに設定して運用中)。
Xiaomiの端末には『クリーナー』というアプリが標準で用意されており、使用すると『キャッシュファイル』『古いファイル』『パッケージ』『残留物』『メモリ』をまとめてクリアする事が出来ます。動作が少し重くなったなと感じたら試してみては。
廉価なスマートフォンを購入する時は、『画面性能』を絶対に重視すべき。特に『タッチサンプリングレート(1秒間に画面がタッチに反応する回数)』『リフレッシュレート(1秒間に画面を切り替え可能な回数』は最重要スペック。
これまで何十台もスマートフォンを使用してきましたが、タッチサンプリングレートが100Hz~120Hz程度の端末は操作性が非常に悪いです。すぐに『この端末はタッチサンプリングレートが低いだろうな』と気づくレベル。
逆に180Hzを超えていると、操作していてストレスを感じません。Redmi 12 5Gはタッチサンプリングレートの公表値が最大『240Hz』。アプリで実測したところ『250Hz』と表示されたので、性能に偽りなし。実際に感度は良好です。
数年前まで一般的なスマートフォンのリフレッシュレートは『60Hz(1秒間に60コマ表示)』でしたが、最近は『90Hz~120Hz』が主流に。最大リフレッシュレートが60Hz設定だと、私の場合はスクロールした時にはっきりと『眼の疲れ』を感じるようになりました。
Redmi 12 5Gは最大『90Hz』のリフレッシュレートに対応しつつ、画面サイズが『6.8インチ』と特大なので情報量の多い縦長なコンテンツを見るのに最適。ブルーライトを低減させる『読書モード』も備えるので、電子書籍リーダーとして活用することも可能です。
画面サイズが大きい分『電池の減りが少し早いかな』と予想していたのですが、YouTube動画を1時間再生して減った電池の量は『-5%』。Pixel 8(6.2インチ)の『-7%』を下回りました。
充電速度は最大『18W』と普通レベル(エントリークラスにしたら十分)ですが、電池もちが良いのでこの部分はあまり気にする必要が無いかと。充電器はXiaomiにしては珍しく『別売り』。Amazonを探せば千円程度のものが多数見つかります。
指紋認証は『側面』仕様。画面内にセンサーが埋め込まれているタイプだと、貼り付けるフィルムによっては精度がガタ落ち。側面にセンサーがあるとそういったことがありません。
何度か指紋認証を使ってみましたが、認証速度は問題なし。電源ボタン一体型なので、画面ONとほぼ同時にロックが解除されます。指紋認証以外に『顔認証』の設定も可能です。
カメラ画質は上位モデルと比較してやや見劣りのするものですが(メインカメラ、深度センサーの2眼。超広角カメラ非搭載、マクロ撮影非対応)、『GCam』という非公式の無料アプリをインストールするとクオリティが大きく向上。写真を撮るのが好きだという人は『裏技』的に使えます。
デメリットと感じるのは『スピーカー』でしょうか。シングルタイプ(受話部分からも小さな音は聞こえる)なので、臨場感は足りません。
動画を観る時はBluetoothイヤフォンの使用をお勧め。私は1,990円(税込)で購入した『Redmi Buds 4 Active』とペアリングしています。
Redmi 12 5GはFeliCa ICチップを搭載しているので、『おサイフケータイ』といった決済サービスを旧端末から引き継いで利用することが出来ます。6.8インチながら『約200g』と重量も控えめ(チタン素材を採用して軽量化したiPhone 15 Pro Maxは221g)。タブレットとは比較にならない持ちやすさです。
巷では物価高の影響で10万円を超えるスマートフォンが増えていますが、使い勝手的には『Redmi 12 5Gで十分(むしろ便利)』という人が大勢いるはず。2万円台なので、普段着感覚で気負わず使い倒せるのもポイント。
『ゲームをしない』『動画撮影性能を重視しない』ユーザー層に向けて、広くお勧め出来るスマートフォンです。
Xiaomi Redmi 12 5Gを購入すべきポイント
- AnTuTu Benchmark(Ver.10)トータルスコア41万を超える処理能力を持つSnapdragon 4 Gen 2搭載(微細な4nmプロセス)
- FeliCa ICチップ搭載でおサイフケータイやGoogleウォレットといった決済サービスに対応(外出時の荷物が減る)
- SGSブルーライト低減認証取得。フルHD+解像度の6.8インチ超大画面(スマホを超えたファブレット級)採用
- 最大リフレッシュレート(1秒間に画面を書き換え可能な回数)90Hzの滑らか表示(一般的な廉価端末のリフレッシュレートは60Hz)
- 最大タッチサンプリングレート(1秒間に画面がタッチに反応する回数)240Hzのスムーズな操作性(タッチサンプリングレート200Hzを超える端末は体感レベルで操作し易い)
- 電力効率に優れるSocと5,000mAhの大容量電池により最大27時間(公表値)の動画視聴を実現
- 最大18Wの実用的な速度で素早く充電
- 128GBの大容量ストレージ(eMMCより読み書き速度に優れるUFS2.2規格)採用
- Micro SDカード対応(最大1TB)で保存領域の拡張が容易。ストリーミング動画をダウンロードして外出先で視聴出来る
- 廉価モデルに採用が目立つ樹脂(プラスチック)素材ではなくガラス素材を背面に使用
- 画面にガラスフィルムを貼っても認証精度が落ちない、マスク着用時もスムーズにロックを解除する側面指紋認証
- AI技術を使用した顔認証システム採用
- 約5,000万画素の広角カメラに約200万画素の深度センサーを組み合わせた背面カメラ
- 有線イヤフォン・ヘッドフォンを使用出来るイヤフォンジャック搭載
- スマートフォンケース付属
- SoftBank、ドコモ、au、楽天モバイルといった複数通信キャリアの帯域をサポート
- 5Gモバイルネットワーク(Sub6)対応
- 物理的なnanoSIMに加えて開通まで時間がかからないeSIMをサポート
Xiaomi Redmi 12 5GとRedmi 12Cの仕様比較
モデル名 | Redmi 12 5G | Redmi 12C |
Soc | Snapdragon 4 Gen 2(4nm) | Helio G85(12nm) |
メモリ容量 | 4GB、8GB(LPDDR4X) | 3GB、4GB(LPDDR4X) |
ストレージ容量 | 128GB、256GB(UFS 2.2) | 64GB、128GB(eMMC 5.1) |
電池 | 5,000mAh | 5,000mAh |
充電速度 | 最大18W | 最大10W |
重量 | 約200g | 約192g |
サイズ |
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画面 |
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カメラ | メインカメラ(背面)
深度測定センサー(背面)
フロントカメラ
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メインカメラ(背面)
ポートレート用補助レンズ
フロントカメラ
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防水防塵 | IP53 | IP52 |
イヤフォンジャック | 搭載 | 搭載 |
Bluetooth | 5.0 | 5.1 |
位置情報 | GPS、Glonass、Galileo、Beidou | GPS、Glonass、Galileo、Beidou |
Wi-Fi | Wi-Fi:802.11a/b/g/n/ac | Wi-Fi:802.11a/b/g/n/ac |
SIM | nano SIM+eSIM | nano SIM+nano SIM |
認証 | 側面指紋認証+AI顔認証 | 背面指紋認証+AI顔認証 |
おサイフケータイ | 対応 | 非対応 |
スピーカー | モノラル | モノラル |
Micro SDカード | 対応(最大1TB) | 対応(最大1TB) |
5G(Sub6) | 対応 | 非対応 |
Xiaomi Redmi 12 5G(オープンマーケット版)にお勧めな格安SIM
Redmi 12 5Gが対応する周波数帯
- 5G Sub-6: 対応バンド n3/n28/n41/n77/n78
- LTE: 対応バンド 1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/26/28/38/39/40/41/42
- 3G:WCDMA 1/2/4/5/8/6/19
- 2G:GSM 850 900 1800 1900 MHz
docomoの周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band19(◎)、Band21(×)、Band28(◎)、Band42(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)、Band n78(◎)、Band n79(×)
docomo回線が使えるお勧め格安SIM
Softbankの周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band8(◎)、Band11(×)、Band28(◎)、Band42(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)
Softbank回線が使えるお勧め格安SIM
auの周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band11(×)、Band18(◎)、Band28(◎)、Band41(◎)、Band42(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)、Band n78(◎)
au回線が使えるお勧め格安SIM
楽天モバイルの周波数帯対応状況
- 4G:Band3(◎)、Band18(パートナー回線)(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)
楽天回線が使えるお勧め格安SIM
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