日本のSIMフリースマートフォン市場において、2社で約4割ものシェアを持つ『Xiaomi』と『OPPO』。両社共に1年程度で約15%シェアを拡大しています。今回はなぜこんなにもXiaomiとOPPOのスマートフォンが売れているのかを検証していきたいと思います。
2020年6月時点で1位だったSamsungは、2020年10月に発売したGalaxy A21を最後にSIMフリーモデルの発売を行っていません。よって現在は『Xiaomi』『OPPO』に『SHARP』の3社が日本SIMフリースマートフォン市場をほぼ独占している状態。
2021年7月時点で最も注目度が高いのは、『Xiaomi Mi 11 Lite 5G』と『OPPO Reno5 A 5G』の2モデル。SHARPはグラフにも表れている通り、OPPO、Xiaomiからはやや離さた状況で注目度も落としています。
違いは一体何なのか。SHARPの主力となる 『AQUOS sense4 Plus』『 AQUOS sense5G』『Xiaomi Mi 11 Lite 5G』『OPPO Reno5 A 5G』を比較してみましょう。
XiaomiとOPPOのスマートフォンは何故売れているのか?SHARPの主力モデルと比較
Amazonでの販売価格(2021年7月9日時点)
端末 | メーカー参考価格 |
---|---|
SHARP AQUOS sense4 Plus | 42,800円 |
SHARP AQUOS sense5G | 40,280円 |
Xiaomi Mi 11 Lite 5G | 43,800円 |
OPPO Reno5 A 5G | 37,800円 |
Amazonでもっとも価格が安いのは2021年7月9日時点でOPPO Reno5 A 5G。37,800円(税込)で購入する事が可能です。一世代前のOPPO Reno3 AやOPPO Reno Aと近い価格帯。ミッドレンジと言えば、少し前までは4万円台後半~5万円台が日本市場の相場。OPPOとXiaomiの参入で価格がかなり熟れてきました。
搭載するSocについて
次にスマートフォンの性能を決めるSocについて。いくら価格が安くても、Soc性能が低いスマートフォンは購入すべきではありません。
端末 | Soc |
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SHARP AQUOS sense4 Plus | Snapdragon 720G |
SHARP AQUOS sense5G | Snapdragon 690G |
Xiaomi Mi 11 Lite 5G | Snapdragon 780G |
OPPO Reno5 A 5G | Snapdragon 765G |
Socも含めたスマートフォンの性能を、トータルで分かりやすく示してくれるのがAntutuのベンチマークスコア。高性能なスマートフォンを求めるのであれば、Antutuのスコアが高い端末を選ぶべきです。
Antutu(Ver.9)ベンチマークスコア
端末 | Antutu |
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SHARP AQUOS sense4 Plus | トータル:287154 CPU:103315 GPU(Lite):57644 MEM:50307 UX:75888 ※参照:同じSocを搭載するAQUOS sense4で計測 |
SHARP AQUOS sense5G | トータル:302305 CPU:109156 GPU:57803 MEM:56990 UX:78356 ※参照:Harunobuの雑記 |
Xiaomi Mi 11 Lite 5G | トータル:528149 CPU:160755 GPU:169062 MEM:84463 UX:113869 |
OPPO Reno5 A 5G | トータル:376900 CPU:110507 GPU:100208 MEM:73880 UX:92305 |
圧倒的に高いスコアを記録しているのはSnapdragon 780Gを搭載するMi 11 Lite 5G。ミッドレンジカテゴリーのスマートフォンながら50万の大台を超えています。見た目が華奢で重さも軽いので、ここまで処理能力が高い事を知らずに使っている人が多そうです。
2番めはOPPO Reno5 A 5G。Mi 11 Lite 5Gからはかなりスコアが離されていますが、動作自体はかなり快適。負荷の重いゲームプレイや動画の編集などを行わない限りは、そこまで大きく体感は変わりません。
AQUOS sense4 PlusとAQUOS sense5Gは実機を所有していないので体感速度については不明ですが、AQUOS sense4 Plusと同じSocを搭載するAQUOS sense4(実機所有)を参考にすると、やはり2モデルからはやや劣るイメージ。Snapdragon 700シリーズ前半モデル(720G)、後半モデル(765G、780G)の違い差を感じます。
メモリ/ストレージ容量について
端末 | メモリ/ストレージ |
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SHARP AQUOS sense4 Plus | 8GB/128GB |
SHARP AQUOS sense5G | 4GB/64GB |
Xiaomi Mi 11 Lite 5G | 6GB/128GB |
OPPO Reno5 A 5G | 6GB/128GB |
もっとも大きなメモリ容量を搭載するのはAQUOS sense4 Plusで『8GB』。Mi 11 Lite 5GとOPPO Reno5 A 5Gは6GBとなっています。メモリが大きいメリットはと沢山のアプリを同時に起動しても動作が遅くなりづらいという事。
ちなみにメモリ6GBのMi 11 Lite 5Gで『Playストア』『システムランチャー』『Instagram』『Apple Music HD』『ミュージックアプリ』『テーマ』『Twitter』『Chrome』『Asphalt 9』『Antutu Benchmark』『システム情報』といった合計11種類のアプリを起動。メモリ利用状況がコチラです。
かなり無茶な使い方をしても、まだ使用可能メモリが1.6GB程度余っています。ただしAQUOS sese5Gの4GBだと容量オーバーを起こし動作速度が低下。私の様にメモリクリアが面倒なずぼらタイプは6GB程度の容量を確保しておきたいところ。
OPPO Reno5 A 5Gはデフォルトのメモリ容量が6GBですが、6月のシステムアップデートで『RAMの拡張機能』が追加されました。これはストレージの一部をメモリとして利用できる(メモリと比較してストレージは速度が遅いので、そのままメモリが拡張されるという訳ではありません)もの。
最大5GBのメモリ化が可能となり、11GBまではメモリ容量が確保されます。11GBも必要とする事はまずないと思いますが、使っていて気持ちにゆとりが生まれますね。
ディスプレイについて
端末 | ディスプレイ |
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SHARP AQUOS sense4 Plus | タイプ:液晶 リフレッシュレート:90Hz タッチサンプリングレート:120Hz |
SHARP AQUOS sense5G | タイプ:液晶(IGZO) リフレッシュレート:60Hz タッチサンプリングレート:不明 |
Xiaomi Mi 11 Lite 5G | タイプ:有機EL リフレッシュレート:90Hz タッチサンプリングレート:240Hz(実測:300Hz) |
OPPO Reno5 A 5G | タイプ:液晶 リフレッシュレート:90Hz タッチサンプリングレート:180Hz(実測:250Hz) |
ディスプレイ性能は有機ELを採用し、リフレッシュレート90Hz、タッチサンプリングレート240Hz(実測:300Hz)に対応するMi 11 Lite 5Gが最も優れていると言えます。
SHARPはタッチサンプリングレートが低めなので『手に吸い付くような動き』を体感しづらい傾向に。Mi 11 Lite 5GとOPPO Reno5 A 5Gは実測値が250Hzを超えており、実際にディスプレイを操作するとその性能の高さがワンランク上である事がはっきりと分かります。ちなみにOPPO Reno 5 Aのディスプレイは水に濡れた状態でも動作確認済み。
Xiaomi、OPPO、SHARPのスマートフォンは何が違うのか?
カメラ画質に関してはAQUOS sense4 Plusの画質があまり評判良くないのと、AQUOS sense4の画質がMi 11 Lite 5G、OPPO Reno5 A 5Gに勝っているとはどうしても思えないので比較対象外。Mi 11 Lite 5GとOPPO Reno5 A 5Gの画質が気になる方はコチラの記事をご覧ください。
総合的にみると、やはりXiaomi、OPPOがワンランク上。Socとディスプレイ性能の差が大きいですね。AQUOSはおサイフケータイの搭載が強みとなっていましたが、OPPO Reno Aがおサイフに対応した事でその牙城が崩れました。さらにXiaomiもRedmi Note 9TでFeliCaチップを搭載。OPPO Reno5 A 5G、Mi 11 Lite 5Gもその流れを踏襲しています。
ユーザーが求めているのは総じて『使いやすさ』。そして快適な操作感を追求すると、Socとディスプレイの強化は必須です。XiaomiとOPPOはグローバルメーカーなので、早い段階で最新Socとディスプレイの量産体制を築けます。高性能な端末をいち早く、しかも安くだせるのはそういった背景ありき。
もはや『FeliCaチップを搭載すれば売れる』という時代は終わりました。海外市場でも高いシェアを持つXiaomiとOPPO。SHARPは第三極を守り抜く事が出来るのでしょうか。
Xiaomi Mi 11 Lite 5Gの主な仕様
Xiaomi Mi 11 Lite 5G | |
---|---|
Soc | Snapdragon 780G(5nm)
|
容量 | 6GB/128GB
|
電池 | 4,250mAh(最大33W急速充電) |
重量 | 159g |
画面 |
|
カメラ | メインカメラ
超広角カメラ
マクロカメラ
フロントカメラ
|
NFC | 対応 |
オーディオ | デュアルスピーカー |
OS | MIUI12(Android 11) |
Xiaomi Mi 11 Lite 5Gにお勧めな格安SIM
- 5G NR:n1/n3/n5/n7/n8/n20/n28/n38/n40/n41/n77/n78/n66
- LTE FDD:1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/26/28/32/66
- LTE TDD:38/40/41
- 3G WCDMA:1/2/4/5/6/8/19
- 2G GSM:2/3/5/8
docomoの周波数帯対応状況(グローバルモデル)
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band19(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)、Band n78(◎)、Band n79(×)
docomo回線が使えるお勧め格安SIM
Softbankの周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band8(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)
Softbank回線が使えるお勧め格安SIM
auの周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band18(◎)、Band41(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)、Band n78(◎)
au回線が使えるお勧め格安SIM
楽天モバイルの周波数帯対応状況
- 4G:Band3(◎)、Band18(パートナー回線)(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)
楽天回線が使えるお勧め格安SIM
OPPO Reno5 Aの主な仕様
OPPO Reno5 A 5G | |
---|---|
Soc | Snapdragon 765G 5G(7nm) |
容量 | 6GB/128GB
|
電池 | 4,000mAh(最大18W急速充電) |
重量 | 182g |
画面 |
|
カメラ | メインカメラ
超広角カメラ
モノクロカメラ
マクロカメラ
フロントカメラ
|
おサイフケータイ | 対応 |
防水防塵 | IP68 |
センサー | 地磁気センサー、環境光センサー、色温度センサー、近接センサー、加速度センサー、重力センサー、ジャイロセンサー、歩数計 |
OS | ColorOS 11 based on Android™ 11 |
OPPO Reno5 Aに関連するレビュー
OPPO Reno5 Aにお勧めな格安SIM
OPPO Reno5 Aが対応する周波数帯
- 5G:n3/n28/n77/n78 (NSA)
- 4G:FDD-LTE 1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/26/28
TDD-LTE 38/39/40/41 (2545-2655MHz)/42 - 3G:WCDMA 1/2/4/5/6/8/19
- 2G:850/900/1800/1900
docomoの4G(LTE)周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band19(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)、Band n78(◎)、Band n79(×)
docomo回線が使えるお勧め格安SIM
Softbankの4G(LTE)周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band8(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)
Softbank回線が使えるお勧め格安SIM
auの4G(LTE)周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band18(◎)、Band41(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)、Band n78(◎)
au回線が使えるお勧め格安SIM
楽天モバイルの4G(LTE)周波数帯対応状況
- 4G:Band3(◎)、Band18(パートナー回線)(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)