Googleが2023年10月12日から発売を開始した『Pixel 8』。オープンマーケット版の発売価格は『112,900円(税込)~』。前モデルPixel 7(82,500円(税込)~)との価格差はなんと『30,400円』。スマートフォンがもう一台買えてしまいそうです。
一部の通信キャリアはPixel 8の特価キャンペーンを行っていますが、『通常販売価格に相応しい性能を持つ端末なのか』『月額コストが合計でどの程度になるか』は、申込み前にしっかり確認しておく必要があります。
スマートフォンの性能を大きく左右する『Soc』には、第3世代『Tensor G3』を採用。性能をトータルで数値化してくれるAnTuTu Benchmarkで実測したところ、トータルスコアは100万程度まで上昇。
しかし連続テストして耐久性(電力効率)を確認したところ、前世代(Tensor G2)程度までスコアが低下。ゲームプレイ(原神)時のパフォーマンスもPixel 7 Proを下回るなど、11万円を超えるアップグレードモデルの仕上がりとしては『イマイチ』な印象。
とはいえ、Pixel 8(Tensor G3)がハイエンドに近い性能を持つのは間違なく、ブラウジングやSNSといった一般的なアプリの挙動はいたってスムーズ。当然の如くサクサク動きます。
ただし3Dゲームをプレイしないのであれば、そもそもハイエンド並みのスペックは不要。直販価格『86,800円(税込)』のOPPO Reno10 Proと同じSoc『Snapdragon 778G 5G』を搭載するMotorola edge 20は、実売価格3万円台(2023年10月22日時点)。
同端末は『6.7インチの有機EL(10億色表示)大画面(最大リフレッシュレート144Hz)』『薄型軽量設計(6.2インチのPixel 8より遥かに軽い約163g)』『大型イメージセンサー採用(1億800万画素)』『デスクトップモードReady for対応』と、ストロングポイントが盛り沢山。
負荷の重い3Dゲームを高いフレームレートでプレイするには不向き。FeliCa ICチップを搭載していないので『おサイフケータイ』や『Googleウォレット』を使うことも出来ません。デメリットがゼロではありませんが、トータルの満足度は極めて高いです。
スマートフォンライトユーザーは、『スムーズな動作速度』よりも『ストレスを感じない程度の動作速度』『安い価格』『長い電池もち』『見やすく操作しやすい大画面』あたりを優先すべき。
Pixel 8は『6.2インチ』と、Androidスマートフォンにしては画面サイズがやや小さめ。6.5インチ程度の一般的な端末と比較すると、『動画視聴』『写真のプレビュー』『SNS』『WEBサイト閲覧』時に少し見づらいなと感じます。
そしてもう一点残念だったのが『電池もち』。先日YouTubeで1時間動画を再生し、どの程度電池が減るかを『iPhone 15』『Redmi 12 5G』と共に検証。3端末の中でもっとも電池の減りが早かったのは『Pixel 8』でした。
電池の減りがはやいというのは、『充電回数が増える』ことを意味します。スマートフォンは『リチウムイオン電池』で駆動。Appleの情報を参考にすると、iPhoneはバッテリーのフル充電サイクル(100%→0%で1回とカウント)を『500回』繰り返し、最大『80%』の電池容量を維持出来る様に設計。
GoogleはPixel 8の電池に関する詳細を公開していませんが、フル充電サイクルを繰り返すことで、電池が劣化していくのはどの端末も同じ。スマートフォンを出来るだけ長く利用したいという人は、『電池もち』を重視すべきかと。
『6.8インチ』の大画面を採用しつつ動画視聴時の電池もちでPixel 8を上回ったRedmi 12 5Gは、『直販価格29,800円(税込)』のエントリークラス。
価格が安いスマートフォンは、大体『画面スペック』『処理能力』『カメラ画質』が低め。しかしRedmi 12 5Gは、1秒間に画面を書き換え可能な回数を示す最大リフレッシュレート『90Hz』。1秒間に画面がタッチに反応する回数を示すタッチサンプリングレートも『240Hz』と、画面スペックは実用性十分。
『操作性が悪いな』と感じるスマートフォンは、大体『タッチサンプリングレート』が低いです。100Hz~120Hz程度だとストレスを感じるレベル。180Hzを超えていれば基本的に問題なし。ちなみにPixel 8は、実測値で『250Hz』でした(Redmi 12 5Gも実測値は250Hz)。
Redmi 12 5Gが搭載するSocは、最新型の『Snapdragon 4 Gen 2(4nm)』。AnTuTu Benchmark(Ver.10)のトータルスコア『41万』超え。Geekbench6(CPU)のスコアは上位モデル『Redmi Note 11 Pro 5G(Snapdragon 695 5G)』を上回りました。今のところ動作に不満なし。
鬼門となる『カメラ画質(写真)』は、無料アプリ『GCam』を導入して改善。Google Playストア外からapkデータをダウンロードする必要があるので、この部分は自己責任。あくまで『写真を撮るのが好き』だという人向けの小ワザです。
Pixel 8、Pixel 8 Proと言えば『AI』が全面的にプッシュされていますが、はたして本当に使うのか。主な機能が書きの通り。
- 消しゴムマジックで不要なモノを写真から消す
- 音声消しゴムマジックで動画から騒音を消す
- 編集マジックで被写体の位置や背景を変える
- ベストテイクで集合写真の顔を変える
- 通話スクリーニングで迷惑電話に対処
日常的に撮影した写真や動画で、『背景を消したい』『雑音を消したい』『被写体の位置や背景を変えたい』と思ったことがあるか。これが『無い』のであれば、『消しゴム・編集マジック』を活用する機会は限りなく少ないと言えます。
『思い出の写真』というのは、一緒に過ごした瞬間を残すのが目的。『ベストテイク』はその瞬間を変えてしまうことになります。それについて違和感を覚える人は、同機能を恐らく使わないはず。
通話のスクリーニング機能は確かに便利。とはいえ、1年の内に何回『分からない番号』から電話がかかってきますか?私の場合は精々2~3回程度。基本的にセールスですが、分かった時点で切ってしまうので時間の消耗は数秒程度。
『スマートフォンで何をするか』は基本的に大きく変わりません。『使わないかもしれない付加機能』の為に、『高い通信料金』『高額な端末料金』を支払うべきなのか。いま一度冷静に考えてみましょう。
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Pixel 8、Pixel 8 Proの主要スペック
Pixel 8 | Pixel 8 Pro | |
---|---|---|
Soc | Google Tensor G3 | Google Tensor G3 |
容量 |
|
|
電池 | 4,575mAh(有線充電:最大27W 無線充電:最大18W) | 5,050mAh(有線充電:最大30W 無線充電:最大23W) |
重量 | 187g | 213g |
画面 |
|
|
カメラ | メイン(広角)カメラ
超広角カメラ
フロントカメラ
|
メイン(広角)カメラ
超広角カメラ
望遠カメラ
フロントカメラ
|
防水防塵 | IP68 | IP68 |
オーディオ |
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|
Bluetooth | 5.3 | 5.3 |
Wi-Fi | Wi-Fi 6E(802.11ax): 2.4 GHz + 5 GHz + 6 GHz、2×2+2×2 MIMO | Wi-Fi 6E(802.11ax): 2.4 GHz + 5 GHz + 6 GHz、2×2+2×2 MIMO |
おサイフケータイ | 対応 | 対応 |
SIM | nano SIM+eSIM | nano SIM+eSIM |
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