付加価値をつけるのが年々難しくなっているスマートフォン市場。2025年6月に登場した『OPPO Reno13 A』『Motorola moto g66j 5G』は、前世代から『壊れにくさ』を強化した端末に。
2モデルの共通点は、防水規格『IPX8』『IPX9』に加え、米軍軍用規格である『MIL-STD-810H』を取得していること。個人的には『SHARPのAQUOS senseシリーズに寄せてきたな』という印象です。
一般的に『防水スマホ』として認識されている端末は『IPX7』か『IPX8』の規格に準拠(最上位はIPX8という定義が多い)。『IPX9(DIN 40050 Part 9)』の存在自体知らない人も多いのでは。
防水について(製品外部からの有害な影響を伴う水の侵入に対する保護等級)※一般財団法人日本品質保証機構より
保護等級 | IPコード | 保護の内容 |
0 | IPX0 | 無保護 |
1 | IPX1 | 製品上部から垂直に滴下する水に対して保護されている |
2 | IPX2 | 製品を15度傾けた状態で施品上部から垂直に滴下する水に対して保護されている |
3 | IPX3 | 製品上部から両側に60度までの角度で噴霧された水に対して保護されている |
4 | IPX4 | 製品に対するあらゆる方向からの水の飛まつに対して保護されている |
5 | IPX5 | 製品に対するあらゆる方向からの噴流水(12.5ℓ/min)に対して保護されている |
6 | IPX6 | 製品に対するあらゆる方向からの暴噴水(100ℓ/min)に対して保護されている |
7 | IPX7 | 水に浸しても影響がないように保護されている |
8 | IPX8 | 潜水状態での使用に対して保護されている。IPX7より厳しい条件の 中で使用するもの |
『IPX9』を取得するには、当然過酷なテストをクリアしなければなりません(恐らくそれなりのコストも発生している)。
Motorolaは同規格につき『4方向の角度(0°、30°、60°、90°)から、80℃の高温水をそれぞれ30秒ずつ(2分間)高圧で噴射した後でも電話機としての機能を有すことを意味』と公式サイトに記載。

IPX8のテストは『常温の真水』で行われています。『水深1.5mに30分間沈める』といった比較的上品な内容。
それがIPX9では『80℃の高温水を4方向から高圧噴射』に。もはやどういった利用状況を想定しているのか分かりませんが、殆どの人は『IPX8のみを取得している端末よりも壊れにくそう』と認識するはず。
『MIL-STD-810H』に関しては、『OPPO Reno13 A』『moto g66j 5G』でクリアしているテストの内容が異なります。

OPPO Reno13 Aは『MIL-STD-810H:method 516.8』という耐衝撃テストのみをクリア。moto g66j 5Gは『MIL-STD-810H規格の選択されたカテゴリと手順の下で、落下、過酷な温度変化、水没など、16項目におよぶ厳しいテストをクリア』と記載。
ちなみに『壊れにくいスマホ』のイメージが先行する『AQUOS sense9(MIL-STD-810G/H準拠)』も16項目のテストをクリア。ただし同端末は防水規格が『IPX8』止まり。
moto g66j 5Gの前世代『moto g64 5G』は防水規格が『IPX2』にとどまり、耐久性の部分がどちらかと言えば『弱点』という印象でした。そこから180度近く転換した圧巻のアップグレード。3万円台前半の価格設定は正解なのか!


『OPPO Reno13 A』は様々なAI機能を備えるなど、moto g66j 5Gよりも『色々なことが出来るスマホ』という認識。実売価格にやや開きがあるので、自分の用途と予算に合った『夏スマホ』をセレクトしましょう!

OPPO Reno13 Aとmoto g66(y) 5Gの主な仕様
モデル名 | OPPO Reno13 A | moto g66j(y) 5G |
Soc | Snapdragon 6 Gen 1 | Dimensity 7060 |
容量 | 8GB/128GB | 8GB/128GB(moto g66y 5G:4GB/128GB) |
電池容量 | 5,800mAh | 5,200mAh |
充電速度 | 最大45W | 最大30W |
サイズ |
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重量 | 約192g | 約200g |
画面 |
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カメラ | リアカメラ
フロントカメラ
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リアカメラ
フロントカメラ
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スピーカー | デュアルステレオ | ステレオ(DOLBY ATMOS) |
防塵防水 | IP68、IP69 | IP68、IP69 |
MIL-STD-810H | 準拠(MIL-STD-810H:method 516.8) | 準拠 |
認証 | 指紋認証(画面内)、顔認証 | 側面指紋認証、顔認証 |
Micro SDカード | 対応(最大1TB) | 対応(最大2TB) |
Bluetooth | 5.1 | 5.3 |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n/ac | 802.11 a/b/g/n/ac |
位置情報 | Beidou , GPS, GLONASS, Galileo, QZSS | GPS, A-GPS, GLONASS, Galileo, QZSS, Beidou |
おサイフケータイ | 対応 | 対応 |
イヤフォンジャック(3.5mm) | × | ◯ |
SIM | nano SIM×2(eSIM対応)※モデルによってはnano SIM×1 | nano SIM+eSIM |
想定売価 | 48,800円(オープンマーケット版) | 34,800円 |
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