Googleは2023年10月12日から、最新スマートフォン『Pixel 8』『Pixel 8 Pro』の発売を開始しました。Googleストア直販価格は、Pixel 8『112,900円~』、Pixel 8 Pro『159,900円~』。前世代と比較して大幅な値上げが行われました。
廉価モデルとなるPixel 7aも、2023年11月1日(水)に62,700円から『69,300円』へと6,600円値上げ。とはいえ、Pixel 8との価格差は『43,600円』。そこそこの性能を持つスマートフォンやタブレットを1台買えてしまいます。
私は『Pixel 7a』と『Pixel 8』を所有。実際に両端末を使用していて、『Pixel 7aで十分だな』と感じる瞬間が何度かありました。今回は『どういった瞬間にそう感じたのか』をまとめて解説。どちらを購入するか迷っている人の参考になれば幸いです。
Pixel 8ユーザーが『Pixel 7aで十分だな』と思った瞬間とは
Pixel 8に追加されたAI機能を日常的に使わない
Pixelシリーズと言えば『AI機能』。Pixel 8で追加された『音声消しゴムマジック』『ベストテイク』『編集マジック』については、『面白いAI機能』だと思います。編集マジックはクラウドAIを使用するので、消しゴムマジックとは比較にならない高いクオリティ。
ただし面白くはあっても、実際に『使うかどうか』は別のはなし。撮った写真の表情を無理に変えたく無いですし、録音した音声の『ノイズを消したい』という機会もありません。本格的に編集する場合はパソコンのソフトを使いますからね。
撮った写真を『WEB広告に使う』、パソコンが無くて『YouTube用の動画をスマートフォンで編集する』など、何かしらの目的があれば編集マジック、音声消しゴムマジックが活躍するかもしれません。しかし私の場合はどちらも該当せず。AIは数える程度試用したのみです。
超便利な録音しながら同時に文字を起こす機能。Pixel 7aでも使えちゃう
Pixel 7a、Pixel 8には音声を録音しながら『同時に文字起こしを行う』機能が備えられています。『録音』『文字起こし』をそれぞれ別に行うと『2倍』程度の時間が発生。効率的ではありません。
録音した音声と書き起こした文字は同期しているので、『ココがちょっとおかしいな』という箇所をピンポイントで聞き直す事が出来ます。実際に使うと分かりますが本当に便利。
同機能がもし『Pixel 8でしか使えない』のであれば、Pixel 7aとの差別化が出来たはず。ところがPixel 7aはもとより、Pixel 6aですら使えてしまうものだから安い方が良いに決まってる。『Pixel 7aで十分』という結論に。
Pixel 8(Tensor G3)で3Dゲーム性能が向上しなかった
Pixel 7aはSocに『Tensor G2』を搭載しています。性能はミドルクラスの上位程度。一般的なデータ演算処理を行うCPU性能は十分ですが、3Dゲームを『高画質』『高フレームレート』でプレイするには適していません。
新世代Soc『Tensor G3』を搭載するPixel 8では、ゲーム性能の向上が噂されていました。しかし実際に3Dゲーム(原神)をプレイしてみると、なんとTensor G2を搭載するPixel 7 Proを下回るパフォーマンス。Pixel 7aからもはっきりとした体感差は得られませんでした。
Pixel 8の電池もちが改善されていない
Pixel 7aは電池もちが悪いです。『Motorola moto g53y(j) 5G』などと並行して使っていると、電池の減り方が顕著。この部分はPixel 8にはっきり分かるレベルの改善を期待していました。
しかしYouTube動画視聴時の電池の減りを検証したところ、Pixel 8は1時間で『7%』。『iPhone 15(-4%)』『Redmi 12 5G(-5%)』と比較して『イマイチ』な結果。『はっきり分かるレベルの改善』はお預けとなりました。
Pixel 8は最大リフレッシュレートを活かし切れていない
Pixel 7aの最大リフレッシュレートは『90Hz』。Pixel 8は30Hz向上して最大『120Hz』。1秒間30コマ分滑らかに表示することが出来る様になりました。
高リフレッシュレートの恩恵を最も受けやすいのは『スクロール』した時。60Hzと120Hzでは目の疲れや心地良さがまるで異なります。90Hzと120Hzでもそれなりの体感差を得られる筈なのですが、Pixel 8の場合は他の120Hz対応端末と比較して滑らかさが少し足りない印象。
記事が見つかりませんでした。
先日『X利用時のフレームレート』を実測したところ、Pixel 8は105~118fpsとやや安定せず。総合的にPixel 7aより滑らかにスクロール出来るのは間違いないのですが、Nothing Phone(2)やMotorola moto g53y(j) 5Gほどではありません。
ガラスフィルムを貼るなら結局はスマートロック
電池もちに加えてPixel 7aの『イマイチ』なポイントが『指紋認証』精度。それなりに厚みのあるガラスフィルムを貼り付けると、認証されない回数が増加。今はスマートロックを設定しています。
Pixel 8のフィルムは薄めのTPUにしようと思っていたのですが、不覚にもガラスフィルムを購入(安かったので)。画面の設定を変更して一度は改善されたものの、先日再び解除が困難に。スマートロックを使用するなら、Pixel 7aと状況は変わりません。
カメラ画質はPixel 7aの時点でかなり良くなっている
Pixel 6aまでは、メインカメラのイメージセンサーサイズが『1/2.55インチ』と小型でした。それがPixel 7aでは『1/1.73インチ』まで拡大。上位モデル(Pixel 8含む)の『1/1.31インチ』に迫りました。
Pixel 6aとPixel 7aのメインカメラ画質を比較した時は、『絵から写真に近づいた』様な進化を感じる事が出来ました。つまりPixel 7aの時点で、カメラ画質はかなり向上していたのです。
こちらがPixel 8とPixel 7aのメインカメラで撮影した写真の比較。今回はあえて撮影情報の詳細を記載しないので、どちらで撮影した画像かを当ててみてください。
Pixel 8はセンサーに加えてレンズも大口径化(F1.89→F1.68)。物理的には『明るくボケやすく(同じ画角の場合)』なっています。どちらかを見分ける為に注視すべきはそこ。
上が『Pixel 7a』、下が『Pixel 8』で撮影した写真です。ソフトウェア側で明るさは微調整されるので、背景ボケ以外はスマートフォンのディスプレイだと『分からない』、パソコンのディスプレイでも『分かりづらい』という人が多いのでは。つまりそういう事なんです。
すべては高くなりすぎたことが理由
なぜ廉価モデルの『Pixel 7aで十分』と感じる機会が増えてしまったのかと言えば、それはひとえに『Pixel 7aの性能』『Pixel 8の価格』がどちらも上がりすぎてしまったから。
Pixel 7aとPixel 7の価格差は当時『2万円程度(現在はPixel 7在庫なし、Pixel 7a値上げ) 』でした。それでも、どちらを購入するか迷っていた人は多いはず。実用的に使える『ピンポイントなアップグレード』が行われていない限り、『+43,600円』は出したくないですよね。
Pixel 8 | Pixel 8 Pro | |
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Soc | Google Tensor G3 | Google Tensor G3 |
容量 |
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電池 | 4,575mAh(有線充電:最大27W 無線充電:最大18W) | 5,050mAh(有線充電:最大30W 無線充電:最大23W) |
重量 | 187g | 213g |
画面 |
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カメラ | メイン(広角)カメラ
超広角カメラ
フロントカメラ
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メイン(広角)カメラ
超広角カメラ
望遠カメラ
フロントカメラ
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防水防塵 | IP68 | IP68 |
オーディオ |
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Bluetooth | 5.3 | 5.3 |
Wi-Fi | Wi-Fi 6E(802.11ax): 2.4 GHz + 5 GHz + 6 GHz、2×2+2×2 MIMO | Wi-Fi 6E(802.11ax): 2.4 GHz + 5 GHz + 6 GHz、2×2+2×2 MIMO |
おサイフケータイ | 対応 | 対応 |
SIM | nano SIM+eSIM | nano SIM+eSIM |
Pixel 6a、Pixel 7aの主要スペック
Pixel 6a | Pixel 7a(G82U8) | |
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Soc | Google Tensor | Google Tensor G2 |
容量 |
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電池 | 4,410mAh(有線充電:最大18W) | 4,385mAh(有線充電:最大18W 無線充電対応) |
サイズ | 高さ 152.2 mm×幅 71.8 mm×厚さ 8.9 mm | 高さ 152 mm×幅 72.9 mm×厚さ 9.0 mm |
重量 | 約178g | 約193.5g |
画面 |
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カメラ | メインカメラ
超広角カメラ
フロントカメラ
カメラ機能 夜景モード、トップショット、ポートレート モード、超解像ズーム、モーション オートフォーカス、Live HDR+、よく撮影する人、デュアル露出補正、シネマティック撮影、ポートレート ライト、消しゴムマジック、リアルトーンᵀᴹ、 顔のぼかし解除、パノラマ、手動によるホワイト バランス調整、ロックされたフォルダ |
メインカメラ
超広角カメラ
フロントカメラ
カメラ機能 ボケ補正、夜景モード、トップショット、ポートレート モード、超解像ズーム、モーション オートフォーカス、Live HDR+、よく撮影する人、デュアル露出補正、シネマティック撮影、ポートレート ライト、消しゴムマジック、長時間露光 リアルトーンᵀᴹ、顔フォーカス、パノラマ、手動によるホワイト バランス調整、ロックされたフォルダ |
オーディオ |
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|
防水防塵 | IP67 | IP67 |
認証 | ディスプレイ内蔵指紋認証センサーによる指紋認証 | ディスプレイ内蔵指紋認証センサーによる指紋認証、顔認証 |
USB | USB Type-C® 3.1 Gen 1 | USB Type-C® 3.2 Gen 2 |
Bluetooth | 5.2 | 5.3 |
Wi-Fi | Wi-Fi 6E(802.11ax): 2.4 GHz + 5 GHz + 6 GHz、MIMO | Wi-Fi 6E(802.11ax): 2.4 GHz + 5 GHz + 6 GHz、HE80、MIMO |
位置情報 | GPS, GLONASS, Galileo, QZSS, BeiDou | GPS、GLONASS、Galileo、QZSS、BeiDou |
おサイフケータイ | 対応 | 対応 |
Google One VPN | 250円~(Google One) | 無料 |
SIM | nano SIM+eSIM | nano SIM+eSIM |
Google Playストア販売価格 | 53,900円 | 62,700円 |
Google Pixel 7a(G82U8)にお勧めなSIM
- 5G Sub-6: 対応バンド n1 / 2 / 3 / 5 / 7 / 8 / 12 / 20 / 25 / 28 / 38 / 40 / 41 / 66 / 75 / 76 / 77 / 78 / 79
- LTE: 対応バンド B1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 7 / 8 / 12 / 17 / 18 / 19 / 20 / 21 / 25 / 28 / 32 / 38 / 39 / 40 / 41 / 42 / 66
- UMTS / HSPA+ / HSDPA: 対応バンド 1 / 2 / 4 / 5 / 6 / 8 / 19
- GSM / EDGE クアッドバンド(850、900、1,800、1,900 MHz)
docomoの周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band19(◎)、Band21(◎)、Band28(◎)、Band42(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)、Band n78(◎)、Band n79(◎)
docomo回線が使えるお勧め格安SIM
Softbankの周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band8(◎)、Band11(×)、Band28(◎)、Band42(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)
Softbank回線が使えるお勧め格安SIM
auの周波数帯対応状況
- 4G:Band1(◎)、Band3(◎)、Band11(×)、Band18(◎)、Band28(◎)、Band41(◎)、Band42(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)、Band n78(◎)
au回線が使えるお勧め格安SIM
楽天モバイルの周波数帯対応状況
- 4G:Band3(◎)、Band18(パートナー回線)(◎)
- 5G(sub6):Band n77(◎)
楽天回線が使えるお勧め格安SIM
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