日進月歩で高性能化が進むスマートフォン。しかし『使う側』が一概にそれをプラスとして捉えられるかは微妙なところ。そして中には高性能化に伴い『扱いづらくなった』部分も。
その一つが『電池もち』です。今回は『最新のスマートフォンを新品で購入したのに電池の減りがはやい気がする』という人に向けて、5つの改善策を提案します。
この記事に書いてある内容
電池の減りを早めている原因を特定して『何を優先すべきか』を明確にしよう
- 画面のリフレッシュレートを低く設定する
- 画面の明るさを『自動』、緊急時は『暗め』に設定する
- 自動画面消灯までの時間を短くする
- ゲームのグラフィック設定を見直す
- 動画(音楽)データを予め端末にダウンロードしておくか再生解像度を低く設定する
- YouTubeの同じ動画を約90分間再生して電池がどの程度減るか(実機検証結果)
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電池の減りを早めている原因を特定して『何を優先すべきか』を明確にしよう
1.画面のリフレッシュレートを低く設定する
リフレッシュレートとは、『1秒に画面を書き換え可能な回数』を示します。60Hz設定時は最大『60回』、90Hzでは最大『90回』画面の書き換えを行います。
リフレッシュレートの変更は『設定』内にあるディスプレイ項目から。大体のスマートフォンは『自動(コンテンツに合わせて変動)』『カスタム(固定)』を選択可能。

Xiaomi端末のリフレッシュレート設定(設定→ディスプレイと明るさ→リフレシュレート)
リフレッシュレートが高めの設定であれば、『WEBページ』『SNS』といった縦長コンテンツをスクロールした時に『流れるような滑らかさ』を体感出来ます。目の疲れも軽減。
ただし画面の書き換え回数に比例して『消費電力』が上がるので、『滑らかさ』と『電池もち』はトレードオフな関係であると認識しておきましょう。

Nothing端末のリフレッシュレート設定(設定→ディスプレイ→ディスプレイのリフレッシュレート)
滑らかさよりも電池もちを優先するのであれば、最大リフレッシュレートは『低め(60Hzで固定)』に設定するのが正しいです。

OPPO端末のリフレッシュレート設定(設定→ディスプレイと明るさ→画面リフレッシュレート)
LTPO技術を導入したディスプレイは、無駄な画面の更新を制御しつつ『省電力』で書き換えを行うことが可能。SHARPの『IGZOディスプレイ』も画面書き換えやリーク電流を制御することで消費電力を削減。
もし『滑らかさ』『電池もちの良さ』をどちらも求めたいのであれば、『LTPO』『IGZO』を採用するリフレッシュレート高めなスマートフォンを購入した方が、長期的な満足度は上がるかと。
LTPOディスプレイを採用するスマートフォン

Xiaomi 15(1Hz〜120Hz)

Xiaomi 14 Ultra(1Hz〜120Hz)

Xiaomi 15 Ultra(1Hz〜120Hz)

Nothing Phone 2(1Hz〜120Hz)
Samsung Galaxy S24(1Hz〜120Hz)
Samsung Galaxy S25(1Hz〜120Hz)
SONY Xperia 1 VI(1Hz〜120Hz)
SONY Xperia 1 VII(1Hz〜120Hz)
IGZOディスプレイを採用するSHARPのスマートフォン

AQUOS sense8(1Hz〜90Hz※黒画面挿入により180Hzに拡張可能)

AQUOS sense9(1Hz〜120Hz※黒画面挿入により240Hzに拡張可能)

AQUOS R8(1Hz〜120Hz※黒画面挿入により240Hzに拡張可能)
AQUOS R8 Pro(1Hz〜120Hz※黒画面挿入により240Hzに拡張可能)
AQUOS R9(1Hz〜120Hz※黒画面挿入により240Hzに拡張可能)
AQUOS R9 Pro(1Hz〜120Hz※黒画面挿入により240Hzに拡張可能)
2.画面の明るさを『自動』、緊急時は『暗め』に設定する
直射日光下など明るい場所で『画面に表示された内容が見えづらい』と感じるスマートフォンは、大体画面の輝度が低め。高輝度ほど視認性は向上します。
『電球』をイメージしていただくと分かりやすいと思うのですが、明るい電球ほど『W数(電力)』は大きくなります。つまり画面が明るい状態は、消費電力が上がり『電池が減りやすい』ということ。

各メーカーは視認性を向上させる目的で、ディスプレイの最大輝度をどんどん引き上げています(Galaxy S25 UltraはGorilla Armor 2という反射防止特性を持ったガラスを採用することで対策)。
『明るい輝度』『高いリフレッシュレート』設定でスマートフォンを利用し続けると、例え電池大容量モデルでも高い確率で減りが体感レベルで高速化。

Nothing端末の明るさ調整(設定→ディスプレイ→明るさ)
殆どのスマートフォンは周囲の光量を検知する『環境光センサー』を搭載しており、ディスプレイ設定から『自動明るさ調整』を選択可能。同設定をONにしておけば、『屋外(明るい場所)』『屋内(暗めな場所)』で自動的に明るさが調整されます。

OPPO端末の明るさ調整(設定→ディスプレイと明るさ→輝度)
一部メーカーは、明るい場所において輝度をさらに高める『サンライトモード』などを用意。

Xiaomi端末の明るさ調整(設定→ディスプレイと明るさ→明るさのレベル)
ただし極端に電池残量が少ない時は、『自動明るさ調整』『サンライトモード』をOFFにして『ギリギリ情報を認識出来る程度』まで画面を暗くしましょう。

3.自動画面消灯までの時間を短くする
スマートフォンの操作を止めたあと、一定の時間が経過すると画面は自動的に消灯。その『一定の時間』が長めに設定されている場合は、無駄に電力を消費している可能性が高いです。
例えば自動消灯までの時間を『1分』に設定していると、操作後に同じ画面が1分間表示しっぱなし。30回スマートフォンを操作した日は『30分無駄に点灯していた』ことになります。

Xiaomi端末の画面消灯(設定→ロック画面→スリープ)
有機ELディスプレイ採用端末で同じ内容を長時間表示していると『焼付き(残像が消えなくなる)』の原因に。電池の減りが早まるだけでなく、『画面の劣化』にも直結。操作が終わったら手動で画面を消すか、自動消灯までの時間は『15秒』程度に設定するのが理想かと。
最近は多くの端末に『見ている間は画面を消灯しない(フロントカメラで認識)』という便利機能が追加されているので、自動消灯のタイミングが『イマイチだな』と感じている人は一度使ってみてください。

Nothing端末の画面消灯(設定→ディスプレイ→画面消灯)
4.ゲームのグラフィック設定を見直す
通勤通学時間やお昼休みに『スマートフォンでゲームをする』という人は多いでしょう。グラフィックが精細な3Dゲームプレイ時は、基本的に『CPU』『GPU』の負荷が大きくなります。
消費電力はゲームの『解像度』『フレームレート』に比例。どちらも高く設定すると、負荷が一気に上がってバッテリーを著しく消費。『精細さ』『滑らかな動き』と『電池の減り』はトレードオフの関係にあるということです。

『フレームレート(fps)』と『解像度』の調整を行うことで、殆どの場合は『CPU』『GPU』の負荷が下がって電池の減りをある程度抑えられます。『プレイ時間』を優先するならグラフィック設定を見直しましょう。

5.動画(音楽)データを予め端末にダウンロードしておくか再生解像度を低く設定する
スマートフォンのディスプレイは『明るさ』『滑らかさ』に加え、『高解像度化』も進んでいます。つい『高解像度設定』で観たくなりますが、スマートフォンの画面サイズでは『劇的な違い』を認識しづらいのが正直なところ。

高解像度表示のメリットは『精細さ』が増すことですが、高精細な動画(音楽)ほど『データサイズ』が大きくなります。データのダウンロード量と消費電力も比例関係。

ダウンロードした圧縮データは『デコード(解凍)処理』を行った上で再生。データサイズが大きくなるとデコード処理しなければならない量が増え、これもまた消費電力の増加につながります。
『YouTube Premium』『Netflix』『Amazonプライムビデオ』といった動画配信サービスは、コンテンツをダウンロードしてオフライン環境で再生することが可能。電池の減りを出来るだけ抑えつつ『高解像度』で観たいのであれば、同機能を活用しましょう。

ストリーミングで再生するなら『480p』程度の解像度設定がお勧め。モバイルネットワークのデータ通信量を抑えられるなど、電池もち以外の部分でもメリットを得られます。
YouTubeの同じ動画を約90分間再生して電池がどの程度減るか(実機検証結果)
※画面の明るさは照度計で50LUX程度に合わせています。
端末名 | 画面サイズ(解像度) | 電池容量 | 減った電池量 |
Nothing Phone(2) | 6.7インチ(2,412×1,080px) | 4,700mAh | -6% |
POCO X7 Pro | 6.67インチ(2712 × 1220px) | 6,000mAh | -9% |
Xiaomi 13T | 6.7インチ(2,712×1,220px) | 5,000mAh | -7% |
Xiaomi 13T Pro | 6.7インチ(2,712×1,220px) | 5,000mAh | -10% |
Xiaomi 14T Pro | 6.67インチ(2712 × 1220px) | 5,000mAh | -8% |
Xiaomi 14 Ultra | 6.73インチ(3,200×1,440px) | 5,000mAh | -8% |
Xiaomi 15 Ultra | 6.73インチ(3,200×1,440px) | 5,410mAh | -4% |
Pixel 7a | 6.1インチ(2,400×1,080px) | 4,385mAh | -9% |
Pixel 8 | 6.2インチ(2,400×1,080px) | 4575mAh | -8% |
OPPO A79 5G | 6.72インチ(2,400×1,080px) | 5,000mAh | -6% |
OPPO Reno9 A | 6.4インチ(2,400×1,080px) | 4,500mAh | -6% |
OPPO Reno11 A | 6.7インチ(2,412×1,080px) | 5,000mAh | -6% |
OPPO Find X8 | 6.6インチ(2,760×1,256px) | 5,630mAh | -5% |
moto g24 | 6.6インチ(1,612×720px) | 5,000mAh | -7% |
moto g64 5G | 6.5インチ(2,400×1,080px) | 5,000mAh | -7% |
AQUOS sense8 | 6.1インチ(2,432×1,080px) | 5,000Ah | -4% |
AQUOS wish4 | 6.6インチ(720×1,612px) | 5,000mAh | -4% |
AQUOS sense9 | 6.1インチ | 5,000mAh | -5% |